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2020年11月の記事は以下のとおりです。

アインシュタインよりも

  • 2020/11/25 06:52
  • カテゴリー:音楽

アインシュタインよりもモーツァルトのほうが天才だ。なぜなら、誰かが相対性理論と同じ真理にたどりつくことは可能である。ところがあのすばらしい曲は彼以外につくれないから▼わたしたちが捕まえたニュートリノも、自然界が投げかけてくれたそれを、たまたま受けとめるめぐりあわせだっただけ。

故小柴昌俊さんの言葉を、しんぶん赤旗の「きょうの潮流」(11/15)が伝えている。かのニュートンは、「私がかなたを見渡せたのだとしたら、それは巨人の肩の上に乗っていたからです」と書いたとか。巨人つまり先人達の膨大な知見があってこそ、また、それを学び取る努力があってこそ、大発見を成し遂げることができる。

モーツアルトが、M・ハイドンや、アードルガッサー、エーベルリンら諸先輩の作品を写譜し熱心に研究したことが知られている。「あのすばらしい曲」の数々は、先人の知恵を基に地道に精進した成果だった。モーツアルトも「巨人の肩の上に乗っていた」のだ。物理学にせよ音楽にせよ、エジソンの名言 Genius is 1% inspiration, 99% perspiration.、その通りなのかもしれない。

知的ヒントの見つけ方(サイト内)。小柴昌俊さん死去 - 94歳(11/13)、「きょうの潮流」(11/15)。Isaac Newton (1642-1727), Johann Ernst Eberlin (1702-1762), Anton Cajetan Adlgasser (1729-1777), Johann Michael Haydn (1737-1806), Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791), Thomas Alva Edison (1847-1931), Albert Einstein (1879-1955), 小柴昌俊 (1926-2020)

戦死ヤアワレ

  • 2020/11/24 06:43
  • カテゴリー:読み物

ところが、そのときわたしたちは澱粉を糖分にかえることに熱中していたのだ。

著者が二度目の応召で給養係にいたことは知らなかった。部隊は、鹿児島にあって、米軍との本土決戦に備え、演習を行い陣地を掘っていた。引用にある「そのとき」とは昭和20年4月のこと。大戦は大詰め。欧州ではムッソリーニが銃殺され、ヒトラーが地下壕で自殺した。太平洋の米軍は、沖縄へ上陸し、九州への侵攻は時間の問題だった。足立巻一著「戦死ヤアワレ-無名兵士の記録」(新潮社、82年)から(p123)。

著者の評伝三部作以外も読んでみようと、まずこの一冊を借りて来た。著者が二度応召した際の従軍記。戦後長らく経ってから、かつて部隊が駐屯した鹿児島の地を再訪する話もある(第8、9章)。さらに、最終章は、「骨のうたう」という詩を残した一兵士の挿話。その詩の一節が本書のタイトルになっている。

演習中の事故で負傷した著者が、鉄道で湯治に通う。その際に使う宮ケ浜駅(p87)、それは聞き覚えのある駅名だ。一度、出張で出かけて行った養殖場の最寄りが、確かその駅だった。地図で確かめた、やはりそうだ。JR指宿枕崎線の宮ケ浜駅。当時こんなことを書いている、鹿児島の「空港から指宿方面行きのバスに乗った。客はおれ一人。貸し切り状態、90分、2350円。途中、豪雨。現地に到着すると、雨は上がったが、猛暑」。バスの終着、指宿駅前で先方と落ち合い、養殖場へは車で移動した。宮ケ浜駅には立ち寄っていない。東シナ海を北上していった台風の影響がまだ少し残る、2015年7月のことだった。

# 対戦車肉迫攻撃(p12)、「忍耐は苦い、しかしその実は甘い」ルソー(p182)。宮ケ浜駅平成27年台風第9号|Wikipedia

野球選手の辞め時

自分の可能性を信じられ、契約してくれる球団があるのなら、気が済むまで続ければいいと思う。大好きなことをしてお金がもらえ、多くの人が憧れるスペシャルな場所などそうそうないのだから。

nikkei.comのコラム、サウスポーの視点(山本昌)「野球選手の辞め時 引き際は潔くか、気が済むまでか」(11/22 3:00)はそう終わる。

仕事を続けるか否か。一般的には、意欲や興味があって機会が与えられる限り「続ければいい」ということだろう。「多くの人が憧れる」つまり良質な仕事なら、なお好ましい。とは言え、「お金」や糧を得る手段が他にないのなら、悠長なことは言ってられないし、そもそも、続けるか否か、その選択の余地はない。

岐路に立つ資本主義(サイト内)。野球選手の辞め時 引き際は潔くか、気が済むまでか(11/22)、自分の可能性を信じ[意欲]、契約してくれる[機会]、大好きなこと[興味]、お金がもらえ[糧]、多くの人が憧れる[質、世間体]

海外オケ来日

コロナで国際的な往来が制限されるなか、14日間の待機措置もない特例での来日だった。「オーストリア政府からの強い要請、両国間の文化交流の重要性にもかんがみ、厳格・適切な防疫措置の確保を条件に入国を認めた」(加藤勝信官房長官、4日の記者会見)。

そんな無茶が行われたことを、日経の記事(11/21)で知った。今のこの時期に海外からオケを入国させるかね。それも、国全体で外出制限されるほどに感染が拡大している、欧州の国から。

いったいどんな力学が働いているんだ。もちろん先方から「強い要請」はあっただろう。欧州のメジャーなオケにとって日本ほど良いカモはない。仕事(演奏会)が極端に減っているこのご時勢、極東のドサ回りで一儲けだ。けれど、まさか、先方の営利や文化交流云々の綺麗ごとで、日本政府がウンと言うはずない。その謎解きには、日経がこの記事、終始どなたかにヨイショするようなこの気持ち悪い記事、を書いていることが手掛かりになるかもしれない。

ところで、公演は、管弦楽ウィーン・フィル、指揮ゲルギエフで都合7回開かれた(11/8-14、東京や大阪など)。用意された曲は、プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」組曲やPf協2番、チャイコフスキー「悲愴」、ストラヴィンスキー「火の鳥」全曲版、Rシュトラウス「英雄の生涯」、ドビュッシー「海」、ほか。サービス精神旺盛な豪華選曲だ。

コロナ下で異例の来日 ウィーン・フィルが示した気概(11/21)、欧州で感染激増 「対岸の火事」ではない(11/21)、オーストリアが外出制限へ 1日の感染5000人超え 新型コロナ(11/1)

お茶漬の味

  • 2020/11/21 06:59
  • カテゴリー:読み物

機械の目的は、自己保存と、自己の合理的改造なのだ。即ち、彼等は無限に自己を再生産しつつ改良して行く。それは結局、機械が自己の『進歩』を目的にしたということにほかならない。

出発点は、人間が、機械の点検修理を面倒臭がり、機械用に自己点検修理装置を作ったことだった。これにより機械は、自己ないし種族の保存本能に目覚めていく。引用は、小松左京著「地には平和を」(新風舎文庫、2003年)に収載の「お茶漬の味」(初出1963年)から(p411)。宇宙船が長い長い旅から地球へ戻ってみると、そこは電子頭脳に征服された惑星になっていた。半世紀前にこんな小説が書かれていたとは、ちょっと驚いた。

# 発掘!ラジオアーカイブス(NHKラジオ第1、11/7 13時台)▽SFラジオドラマ2時間SP〈1〉小松左京原作「お茶漬けの味」1980年(昭和55年)1月

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