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キーワード「フェルディナント・フォン・シーラッハ著」の検索結果は以下のとおりです。

コリーニ事件

  • 2021/05/08 05:56
  • カテゴリー:読み物

年を重ねると、暦の警句はますます真実味を増してくるものだ

「うしろ指を指されるような人ではない」。そんな人には滅多にお目にかかれない、「人間に白も黒もない・・・灰色なものさ」。「まるで暦にある警句みたいですね」。そのやり取りに引用した言葉が続く。フェルディナント・フォン・シーラッハ著「コリーニ事件」酒寄進一訳(東京創元社、2012年)から(p65)。

「よく考えることだ。答えはいつもファイルのなかにある。それを正しく読み解くセンスさえあればいいのだ、と」(p112)。そして、「凶器 ワルサーP38」の写真から手掛かりを得る。

韓国企業から訴えられて、知財高裁で争ったことがある。判決を前にして形勢は五分五分。負けることもあり得ると、様々な準備を進めていたある日、先方が和解を提案して来たと代理人から連絡を受けた。それを聞いて、こっちが勝つんだなと思ったもんだ。そんな昔のことを思い出したのは、本書で企業の法律顧問バウマンが主人公ライネンに会う場面(p118-123)でのこと。企業側に不都合な事実をつかんだライネンに、バウマンが賄賂を持ち掛ける。それを聞いたライネンはどう感じたのだろうか、勝利を確信したのだろうか。

シーラッハ(サイト内検索)。ワルサーP38に関連する作品の一覧|Wikipedia

罪悪

  • 2021/04/29 07:26
  • カテゴリー:読み物

あなた、話が長すぎるのよね。小説を聞かせてくれといっているわけじゃないの。金の在処がわかればいいのよ。

フェルディナント・フォン・シーラッハ著「罪悪」酒寄進一訳(東京創元社、2012年)から(p146)。前作の「犯罪」同様、これも短編集。それに日本語訳があやしい箇所が多々あるのも同じ、それを割り引いても楽しめる点も。

この科白が登場する「鍵」が特にいい。コインロッカーの鍵をめぐって、一本足りないような男がドタバタを繰り広げる。薬の代金25万ユーロを集金に来た女に主導権を逃げられるのだが・・・。

犯罪(サイト内)

犯罪

  • 2021/04/17 06:59
  • カテゴリー:読み物

ありえない話が真実で、ありそうな話が偽りの場合がある

弁護士が語る事件簿には異様な犯罪が並んでいる。フェルディナント・フォン・シーラッハ著『犯罪』酒寄進一訳(東京創元社、2011年)から(p136)。この短編集の中で最も印象に残ったのは「正当防衛」。プロの暗殺者の話。

邦訳がおかしいかもしれないとあちこちで感じながらも読み進める内、銃弾が後頭部に達する云々(p37)の部分でいよいよ妙だと思った。それでは死んでしまう。この人物はこのすぐ後に拷問を受けて口を割らされるのだから。webで調べてみると、翻訳の誤りを正すサイトが見付かった。「優に100を超える」誤訳が指摘されている。「にもかかわらずなお高い評価を得ていることは、原著がいかに傑作であるかを逆説的に物語っている」とも。確かにそうだ。次作を読もうと思うもの。

シーラッハ『犯罪』の誤訳フェルディナント・フォン・シーラッハ著『犯罪』誤訳・文章の欠落のご指摘につきまして|東京創元社

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