罪悪
- 2021/04/29 07:26
- カテゴリー:読み物
あなた、話が長すぎるのよね。小説を聞かせてくれといっているわけじゃないの。金の在処がわかればいいのよ。
フェルディナント・フォン・シーラッハ著「罪悪」酒寄進一訳(東京創元社、2012年)から(p146)。前作の「犯罪」同様、これも短編集。それに日本語訳があやしい箇所が多々あるのも同じ、それを割り引いても楽しめる点も。
この科白が登場する「鍵」が特にいい。コインロッカーの鍵をめぐって、一本足りないような男がドタバタを繰り広げる。薬の代金25万ユーロを集金に来た女に主導権を逃げられるのだが・・・。
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