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キーワード「万葉集」の検索結果は以下のとおりです。

明石の門より

天離る鄙の長道ゆ恋ひ来れば明石の門より大和島見ゆ

遠路はるばる帰って来た、明石の海峡の向こうに懐かしい都の山々が見える。「柿本朝臣人麻呂覊旅歌八首」の内の一つ。万葉集、巻3-255番。

先日帰省した折、実家から歩いてすぐにあるレストランで牡蠣祭りをやっていた。殻付き牡蠣を特売するという触れ込みだったので、牡蠣好きの母を連れて買い出しに行った。帰り際に入口のそばに柿本人麻呂のこの歌が刻まれているのを見た。目の前は高い防波堤で視界は遮られているけれど、淡路島は手を伸ばせば届きそうなほどに近い。

今回の帰省も神戸空港への便を利用した。空港から三ノ宮へはポートライナーで移動。空港の島からポートアイランド本島への橋を渡る時、車窓から西を見ると、海峡の名の通り淡路島と本州が接近している様が眺められた。船で行き来するとこれは出入り口のように感じるのだろう。万葉人はそれを明石の門と詠んだ。

明石の門、あるいは明石大門と、万葉集にいくつか登場する。どんな歌があったろうか暇な時にまとめて見てみようと思っていた矢先に、天離る鄙の長道ゆ恋ひ来れば、の歌を見かけたのだった。

人麻呂は西側から見たのだろう。神戸空港側からだと逆に東側から見たことになる。それに今は巨大な明石海峡大橋が架かっている。

帰省、25年1月(サイト内)。巻3-255|万葉百科 奈良県立万葉文化館

悲しみは憶良に聞け

  • 2025/01/08 05:54
  • カテゴリー:読み物

歌ではないし、詩でもない。漢詩ですらない。全五段落からなる、長い散文です。それゆえ「国歌大観」の番号が振られておりませんが、八九六番と八九七番のあいだに載っています。

山上憶良が書いた漢文、いわゆる「沈痾自哀文」。万葉集でのその特異な位置付けが説明されている。中西進著「悲しみは憶良に聞け」(光文社、2009年)から(p76)。最寄り図書館で借りた。

その長い文章の中で、憶良はこんなことを書いている。74歳の老体で、長い間、病に伏せている。病の苦しみを背負い、命は尊く重いものということがつくづく判った。けれど、その尊さをどう表現すればいいのだろうか。思いめぐらそうとしても、思い続けることができない。「何に由りてか之を慮らむ」と。

これまで憶良が書いたものを丁寧に読んだことはなかった。この歳になって、じっくり向き合ってもいいかなと思う。この「沈痾自哀文」や「貧窮問答歌」あたりから始めるのが良いだろうか。

山上憶良(サイト内)。寺川真知夫著「沈痾自哀文と患文」|奈良県立万葉文化館

朕、惟フニ

  • 2025/01/07 05:48
  • カテゴリー:読み物

朕、惟フニ屁ヲ垂レテ、汝、臣民、臭カロウ、国家ノタメナラ我慢セヨ

源氏物語を読んだ一条天皇が、「これは朕への当て付けか」などと人間臭いことを言うのを聞いて、このパロディを思い出した。

この教育勅語のパロディは、月刊誌「面白半分」で見た、と思う。中・高の頃、ナンセンスを教えてくれたのは、ほかには考え難い。当時、熱心にページを繰ったものだ。

「海行かば」の替え歌も同じ頃に知った。おそらく「面白半分」で。「海にカバ、水漬くカバね、山にカバ、草むすカバね、おお、君の屁にこそ死なめ」。これにも屁が登場。

元の詞は大伴家持の長歌(万葉集、巻18-4094)からの抜粋であることを(再)認識したのは随分あとになってからのことだった。

光る君へ海軍めしたき物語(いずれもサイト内)。鵜野祐介著「アジア太平洋戦争中の日本の子どもの替え唄-笠木透の替え唄研究」前編後編巻18-4094|万葉百科 奈良県立万葉文化館

落穂拾い、25年1月

年の初めに当たってDropboxの中を整理。ここに載せようと思いながらも書き掛けになったままのファイルを片付けた。23年3月~24年12月。タイトル(候補)は以下。

管楽版ドン・ジョバンニ、チューバ協奏曲 RVW、大貫妙子作品集、フランス組曲▽プーランク、ドボルザークPf五重奏曲、Re:ドビュッシー「海」、スズランの毒、プラジャーク四重奏団、Winterreise D911、Rondo K511 Uchida、やきものハンドブック

本音と建前 就職活動、EVに出遅れた日本車、台湾総統選、日本車は謙虚に学べ、台風6号再接近、Etienne Ozi、LinuxでLINE、わたしは不思議の環、Hoeckel Almenraeder、経済の長期停滞と少子高齢化、AIその後、国産ワクチン、Z世代とは、名寸隅

antiX23、陶土リスト、XHコネクタ、ArchLinuxでBluetooth、第18作スピーカー箱、スマホ変更2年、ここtwpは25周年、野蛮な来訪者、露朝の軍事協力、E200HAでLinux、好機を逃した首相、コンサル会社の倒産、政治資金規正法の不備、安倍派4閣僚交代

年始に視聴きした番組、オーケストラル・ヒット、栗山英樹×柳井正、紺野陽吉の音楽、北朝鮮極秘ミサイル開発、21世紀の開国、角幡唯介×門脇麦、超える'24、中二病、管楽器アンサンブル▽ベストオブクラシック、恋の歌▽万葉集、朝陽の中で微笑んで

凶悪犯罪増加という誤解、FreeAudioEditor、名曲ヒットパレード、蝉しぐれ、来た時よりも美しく、線彫りY、NewBalance880、異郷訪問譚、ヨーロッパ夏の音楽祭、SBI新生コネクト申し込み、大学教育、お世話になった恩師、米大統領選の行方、本場で学ぶ

死との約束、兵庫県知事の疑惑、台風14号、アクセス数、現役世代とは、ドイツ急進右派の伸長、石破茂氏・リーダーの本棚、副大統領候補TV討論、管楽器の名手たち、マイナ保険証はなぜ必要か、架空実況放送「松の廊下」、花生酥、金銭的な刺激を与える政策

落穂拾い(サイト内)

待ち望まれた日

政の頂にある者が人々の心をまことに掴むのは並大抵のことではない。

白居易「新楽府」を講義する場面が描かれる。大河ドラマ「光る君へ」第36回「待ち望まれた日」から。NHKプラスで観た。

一条天皇の中宮、彰子が若宮を生む。誕生50日の宴で主人公二人が歌を披露。「今はまだ50日ですが、若宮の治世はずっとずっと長く続くのでしょうね」と紫式部が詠めば、「鶴は千年生きると言う、それほどに長生きすれば、ずっと続く若宮の治世を見届けることができるだろう」と、道長が、阿吽の呼吸で返す。道長の正妻、倫子が何とも言えない表情を見せる。扮する黒木華は芸達者だ。

道長は、その一首の中で、鶴を葦田鶴(あしたづ)と詠んだ。高市黒人の鶴(たづ)の歌へ連想が繋がった。「桜田へ鶴鳴き渡る年魚市潟潮干にけらし鶴鳴き渡る」(巻3-271)。万葉集には鶴を詠んだ歌はたくさんある。中でもこれは特に有名な一首だろう。

干潟は潮が引いたので鶴は別のところへ飛んで行く、と詠んだこの歌は、もしかすると政治向きのメッセージが込められているのではなかろうか。人々はより良い場所を、つまりより良い政治を求めているものだ、と。

政(まつりごと)のリーダーは、人々の心をしっかり見つめていなければならない。

光る君へ(34)万葉の歌十選「日めくり万葉集」メモ(いずれもサイト内)。光る君へ(36)待ち望まれた日(NHK総合、9/22 20時)、自民 石破新総裁 衆院解散・総選挙「なるべく早く審判を」(9/27)

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