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ようこそ、わが家へ

  • 2019/11/07 06:26
  • カテゴリー:読み物

銀行員というのは数字を見ているようでいて、結局は人を見る商売なのだ。(略)対峙する相手の感情の揺れひとつが、数字以上に重要な判断要因になることも少なくなかった。

相手の顔に浮かぶ一瞬の狼狽を目にする。何かあると確信する瞬間だ。考えるに、人を見るのは、銀行員に限ったことではなく、またビジネスの場面に限ったことでもない。日々ごく普通に誰でも行っている。表情や声の変化ばかりか、ちょっとした仕種にも、何らかの情報が含まれているものだ。引用は、池井戸潤著「ようこそ、わが家へ」(小学館文庫、13年)から(p88)。「七つの会議」が面白かったので、web の評判を見て、同著者のこれを借りて来た。

タイトルはどういう意味か、それは明示されていない。何に対してようこそと言っているのか。名も無いストーカーに対してか、傷ついたネコに対してか、主人公やその家族の身に起こった厄災すべてに対してか、それとも、それらが解消したあとにやって来る何か、例えば気付きや安堵、に対してだろうか。

七つの会議(サイト内)

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