沖縄文化の遺宝
- 2018/06/11 07:33
- カテゴリー:工芸・美術
殷元良の人物画として、確証はないが、程順則名護親方寵文画像は特筆せらるべき遺作と推定する。そしてその顔面描写において、尚敬王御後絵と同様に陰影画法を用いているところにも、互いに共通する表現を見る。(略)江南画派という。琉球においては、殷元良に至って初めてこの画風の影響を受けて光線による写照の肖像画を作るに至ったと思われる。
先日聴講した「琉球絵画の技法 - 現状と課題」での謎解き(推定)は、これだったんだな。画聖と尊重された殷元良(いんげんりょう)は、第13代王尚敬の御後絵を描いた宮廷画家として知られる。彼は、また、程順則画像の作者でもある、という推定。
引用は、鎌倉芳太郎著「沖縄文化の遺宝」(岩波書店、82年)から。二分冊、53,000円の大著。最寄り図書館の郷土コーナー、そのひっそりと静まりかえった一番奥にあった。