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USスチール買収阻止

バイデン米大統領が日本製鉄によるUSスチールの買収を阻止すると発表した。米国の安全保障を損なうと判断したからだ。しかし、USスチールの経営陣も買収に賛同し、株主総会でも承認されていた。何せ、生き残りのため他社との資本提携を模索していたほどだ。今回の買収阻止は経済合理的な判断では決してない。

在京六紙の社説がどのように書いているかざっと見てみた。

「日米関係に禍根残す買収阻止」(読1/5)「中国の鉄鋼メーカーが安価な製品の輸出攻勢をかける中で、日米の製造業を代表する企業が連携し、対抗する象徴的な枠組みになり得ただけに、損失は大きい」

「買収阻止は不当な介入だ」(経1/5)「日鉄による技術移転や投資が米国にどんな恩恵があるのか。株主や政府、労組だけでなく、もっと広く米国民の理解を得る必要がある。経営トップが顔の見える形で丁寧に説明してもらいたい」

「看過しがたい米の独善」(朝1/7)「今回の禁止命令は、日本を含む友好国に対米投資を尻込みさせかねない」

「信頼損ねる理不尽な判断」(毎1/7)「安全保障は方便に過ぎず、自国企業を守る姿勢を国内向けにアピールするのが狙いではないか」「民主党の失地回復に向けて、労組に配慮したとの見方がある」。全米鉄鋼労働組合(USW)は反対していた。

「買収阻止の再考求める」(東1/7)「日鉄は米政府を提訴したが、同様の決定が覆った例はほぼなく勝訴は難しい状況だ」。「米シンクタンクのハドソン研究所などによると、米国防総省は米鉄鋼業界からすでに十分な鉄鋼の供給を受けている、という」

「日米同盟強化と両立図れ」(産1/9)「買収実現に向け、日本政府が米政権に積極的に働きかけた跡はうかがえない」、石破氏は米トップと早急に会談し「買収計画が対中競争力を高め日米共通の安保上、経済上の利益となることを説く必要がある」。「買収阻止とそれによって生じる感情的しこりが日米関係を軋ませ、強固な同盟を犠牲にすることは決してあってはならない」

各紙とも買収阻止の判断に苦情を申し立てている。が、個人的には、日本製鉄は、そこまでやってUSスチールを救済する必要があるのか、と疑問視していたので、この判断が、同社が他に目を向ける良い機会になるのでは、と思ったりもする。

さて、1/6wの六紙社説は、そのほかに、新年展望、石破首相の年頭会見、川重が海自に便宜供与、鈴木修さん死去、袴田氏無罪検証、教員の心の病・介護職員の減少・不足する自衛官、石破首相の外遊、などを話題にした。

六紙社説(サイト内)

歌詞で読み解く昭和

茂木さん、アーティストってね、ずぅーと、フレッシュな印象じゃないとダメでしょ、それって難しいのよ

ユーミンがそんなことを語ったと茂木健一郎氏が話していた。時代をリードして来た才能豊かなアーティストにも、相応の努力や苦労があったのだろうと思わせる挿話だ。

「歌詞で読み解く昭和」と題する番組を聴いた。今年昭和100年にちなむ特別番組。

番組で流された曲を並べておこう。唯一、昭和10年代からは採られていない。日本が戦争をやっていた頃だ。誰もが口ずさんだ、ある意味、昭和を象徴するような曲が少なくなかったはずだが、意図的に外されたのだろうか。

榎本健一ら「モン・パパ」(昭和6年)
トニー谷ら「さいざんすマンボ」(昭和28年)
坂本九「上を向いて歩こう」(昭和36年)
藤原良ら「海をこえて友よきたれ」(昭和38年)
「鉄腕アトム」(昭和38年)谷川俊太郎作詞
三波春夫「世界の国からこんにちは」(昭和42年)
藤圭子「圭子の夢は夜開く」(昭和45年)
吉田拓郎「今日までそして明日から」(昭和46年)
バンバン「いちご白書をもう一度」(昭和50年)
沢田研二「TOKIO」(昭和55年)
おニャン子クラブ「セーラー服を脱がさないで」(昭和60年)
RCサクセション「サマータイム・ブルース」(昭和63年)
中島みゆき「時代」(昭和50年)

ユーミン(サイト内)。特別番組「RADIO“SHOW WA”~歌詞で読み解く昭和100年」【出演】古市憲寿、茂木健一郎(TOKYO FM、1/1 20時)

コンプライアンスあの頃

先に言っときますが、まくらは、かなり、今のコンプライアンスでは、どうだ、という(内容になっている)。コンプライアンスは時代とともに、というか。

立川志の輔さんが、師匠談志の「羽団扇」を紹介する際にそんな話をする。まくらの部分も昭和44年に収録されたそのままに放送されたようで、「ホテル、和服、着替え・・・。そんなこと、今、誰が言えますか。不適切にもほどがある」と、一席のあとに話していた。

引用は、元旦に放送された落語DEデート新春スペシャルから。

番組の前半は、立川談志「羽団扇」(1969/1/6、新宿紀伊國屋ホール)、後半は、立川志の輔「御神酒徳利」(1998/12/19、神奈川県民ホール小ホール)。

志の輔さんご自身は、「御神酒徳利」のまくらで、なぜバイアグラが流行語大賞に選ばれなかったか、そんな話で笑いを取っていた。収録は1998年、平成10年。

流行語大賞と言えば、昨年末にドラマ「不適切にもほどがある!」が全話放送された。録画しておいたのでその内に見ようと思っている。

居残り佐平次文七元結モモリン(いずれもサイト内)。龍角散プレゼンツ志の輔ラジオ落語DEデート新春スペシャル(文化放送、1/1 13時)、「やかましや するにしておけ 姫始め」

紫式部の欲望

  • 2025/01/09 05:56
  • カテゴリー:読み物

源氏物語において、正妻をほとんど無視し、正妻であることの虚しさを描いたことは、紫式部の、正妻という存在に対するちょっとした復讐だったのかもしれません。

そう言えば、大河ドラマ「光る君へ」で、まひろ(紫式部)が、自身と藤原道長との不義について、道長の正妻である倫子に直接語る場面があった。訊ねられたから答えたとはいうものの、正妻を痛めつけるなかなかエグい展開だった。

引用は、酒井順子著「紫式部の欲望」(集英社、2011年)から(p165)。最寄り図書館で借りて来た。

正妻に復讐したい、頭がいいと思われたい、選択したい、娘に幸せになってほしい、乱暴に迫られたい、など、「紫式部の欲望」を彼女の著作から読み解く。なかなか面白い。

紫式部は「道長のお手つきとなったとも言われ」、「道長とのラブ・アフェアもあったようですが」、「藤原道長と一時交際があったという話ですが」と、道長の名前がちらちらと登場する。朧月夜に迫った源氏のように、道長も迫ったのかもしれない。「時の第一の権力者が、自分という女をこれほどにも強く欲しているという状態に、紫式部はうっとりしたに違いない」(p115)と著者は書いている。

光る君へユーミンの罪(いずれもサイト内)

悲しみは憶良に聞け

  • 2025/01/08 05:54
  • カテゴリー:読み物

歌ではないし、詩でもない。漢詩ですらない。全五段落からなる、長い散文です。それゆえ「国歌大観」の番号が振られておりませんが、八九六番と八九七番のあいだに載っています。

山上憶良が書いた漢文、いわゆる「沈痾自哀文」。万葉集でのその特異な位置付けが説明されている。中西進著「悲しみは憶良に聞け」(光文社、2009年)から(p76)。最寄り図書館で借りた。

その長い文章の中で、憶良はこんなことを書いている。74歳の老体で、長い間、病に伏せている。病の苦しみを背負い、命は尊く重いものということがつくづく判った。けれど、その尊さをどう表現すればいいのだろうか。思いめぐらそうとしても、思い続けることができない。「何に由りてか之を慮らむ」と。

これまで憶良が書いたものを丁寧に読んだことはなかった。この歳になって、じっくり向き合ってもいいかなと思う。この「沈痾自哀文」や「貧窮問答歌」あたりから始めるのが良いだろうか。

山上憶良(サイト内)。寺川真知夫著「沈痾自哀文と患文」|奈良県立万葉文化館

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