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べらぼう(16)

いいできになったじゃん。恩が恩を呼ぶ、めでてぇいい噺だよ。ともに考えててくれた人もきっと喜んでくれると思うよ。

と、戯作者、道蛇楼麻阿(尾美としのり)が言う。ははぁんと思った。蔦重(横浜流星)そして姿をくらました瀬川(小芝風花)、二人が一緒に考えた物語が本になるのだと。

引用は、NHKの大河ドラマ「べらぼう」第16回「さらば源内、見立は蓬莱」から。

その新作の題は「伊達模様見立蓬莱」。これで検索すると、やはりそうだった。番組の時代考証を担当した方がYahooに書いている。助けた亀が恩返しに花魁を身請けする云々という噺らしい。前々回、二人は一つ布団の中で亀の恩返しのことを語り合った。

この「伊達模様見立蓬莱」については、鈴木俊幸教授(中央大学)も語っていた。注目すべき点は、蔦重が初めて手掛ける黄表紙(挿絵付き小説)だったこと。安永9年正月、黄表紙など新作10冊を一挙に刊行する。見立蓬莱はそのシリーズの一冊。

それと、その巻末には、シリーズの広告を掲載。芝居の幕が開くと、桜の木の枝に短冊がぶら下がっている、そんな絵になっている。短冊各々には新作の題が記入されている趣向。例えば、威氣千代牟物語、うそ八百萬八傳、龍都四国噂などなど。

鈴木教授は、絵に描かれている、幕引きの男に関心を寄せる。背中に紋が見える。富士山形に喜ぶという文字、これ、当時の蔦屋重三郎のマーク。広告に自身を登場させ、「自分の黄表紙商売の幕開けを表現している」。なかなかのセンスだ、と。

番組の途中、蔦重は「伊達模様見立蓬莱」の挿絵を、北尾重政(橋本淳)に頼んでいた。そして、最後に実際に刷り上がった広告ページを蔦重は満足そうに眺める。のだが、そのすぐ直前に、蔦重が口上を述べ、芝居の幕が開くシーンがあった(44分頃)。それは彼の夢想なのだろう。

べらぼう(サイト内)。ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」(16)さらば源内、見立は蓬莱(NHK総合、4/20 20時)、【今日の蔦屋重三郎】蔦重と瀬川が夢見た「伊達模様見立蓬莱」とは~大河「べらぼう」の時代考証者が語る、日曜カルチャー「蔦屋重三郎のまなざし」第2回(NHKラジオ第2、4/13 20時)【出演】中央大学教授…鈴木俊幸

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