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キーワード「六紙社説」の検索結果は以下のとおりです。

道警のヤジ排除は違法

2019年参院選の際、安倍晋三首相(当時)の街頭演説にヤジを飛ばし、北海道警に現場から排除された聴衆二人が起こした訴訟で、札幌地裁は表現の自由の侵害を認め、道に賠償金の支払いを命じた。

左派3紙(朝毎東)が社説に書いた、「警察の言論制限を戒めた」(毎3/29)、「許されぬ憲法の軽視」(朝3/29)、「警察は言論を奪うな」(東3/30)。しんぶん赤旗も黙ってはいない、「表現の自由封じた警察を断罪」(3/31)。

在京六紙の内ほかの3紙(経読産)は、今のところ社説では採り上げていない。表現の自由はメディアにとっても生命線だろうに。この判決に意見しないのは何か都合が悪いことでもあるのだろうか。

安倍首相は、2017年の都議選では、政権批判する人たちを選挙カー上から指差し「こんな人たちに負けるわけにはいかない」などと言い放った。2019年の参院選では日程を明かさないステルス遊説。「批判の声を表に出さない戦略だったとされる。道警のヤジ排除は同じ思考回路でできていたのではないか」「道警は首相に忖度したのか」(東3/30)。

政界地獄耳(日刊スポーツ、4/2)が、人間関係の機微を教えてくれている。「当時の警察庁警備局長・大石吉彦(現警視総監)は局長に就くまで安倍の首相秘書官を長く務めた。当時の北海道警本部長・山岸直人は大石と同期入庁。組織内で幹部同士の忖度があったかもしれない」。北海道以外でも似たような事態が、複数、起きたようで、ヤジ排除すべきと警察内で「組織の通達があったことは容易に想像がつく」とも同紙は書いている。

さて、3/28週の六紙社説、ウクライナ情勢がらみの本数は激減、前週の半分にも達しない。停戦合意が近いのだろうか。とにかく関心は薄らいで来ているようだ。

そのほかに複数紙が話題にしたのは、上に書いたヤジ排除裁判や、急激な円安、高校教科書検定、濱口作品に米アカデミー賞、5千円バラマキ一転白紙に、プラごみ新法、新型コロナ第7波へ、中国の感染拡大、ミャンマー軍増長、米核戦略見直し、18歳で成人に、こども家庭庁設置などだった。

六紙社説(サイト内)。前週28本今週11本

ウクライナ大統領演説

他国への侵攻は許されない行為だ。人命が危機に晒されるなら尚のこと。ただちに停戦すべき。当事者どうしで折り合いがつかないのなら、第三国は、最大限、仲介に奔走しなければならない。武器の提供はもとより参戦など以ての外。死者を増やすだけだ。と基本的な考えを述べた上で、日曜恒例、社説の話に移ろう。

ウクライナのゼレンスキー大統領が、23日、日本の国会でオンライン演説した。それに対して六紙社説はどんな反応を示しただろうか。

当事者の一方だけじゃなく、ロシアのプーチン大統領にも演説してもらうべき、と1紙ぐらいは書くだろうと思いつつ読み進めたけれど見当たらなかった。我が国は民主主義国家ではなかったのか。

各紙の意見を少し拾ってみた。ロシアへの「圧力をかけ続ける必要がある」(毎3/24)、ロシアに影響力のある中印などに「率先して外交力を発揮すべき」(経3/24)。どんな支援ができるのか「検討を急がねばならない」(読3/24)、戦災復興など「日本らしさで応えたい」(東3/25)、日本は、国連改革の「論議を主導する責任がある」、避難民を「国内へも受け入れ」よ(朝3/25)。

こんな問い掛けもある。我が国のリーダーたちはゼレンスキー氏のように「日本と国民のために命を賭して働けるか」。「その覚悟があるなら」日本の抑止力を強化せよ(産3/24)。

とにかくロシア制裁とウクライナ支援に正義あり、と言わんばかりだ。在京六紙がこうなんだからテレビも主要メディアは皆そうなのだろう。揃って同じ方を見ている。アブないニオいがする。

今回の侵攻に関連して思うところを少し並べてみよう。

ウクライナの指導者は何かを間違ったのではないか。日本も、ロシアの隣国で領土問題を抱えている点で同じ状況にある。では、北海道がロシアに攻め込まれるだろうか。そんなこと起こりはしないと誰しも思っている。外交努力によってロシアとの関係はそれなりに維持されているからだ。であれば、ウクライナはその努力を怠った可能性がある。

果たしてウクライナは清く正しい国なのか。北朝鮮がミサイルの試射を続けている。先日も米本土をも射程に収める新型ICBMをぶっ放し、いよいよ好戦的だ。あの国のミサイル開発はウクライナ企業の技術が元になっている、と何年か前にドキュメンタリー番組で暴かれていた。国は関与を否定していたが本当だろうか。それとウクライナの親中もよく知られているところ。

もう一点。今回の騒ぎ、誰かが裏で糸を引いているように思えてならない。戦争が起きると儲けるやつが必ずいる。まず思い浮かぶのは軍需を主要な産業にしている国。それと今回の場合は産油国。両方に重なるのは、ロシアを除くと、米、英か。そう言えば、シェールの増産が報じられていた、景気刺激策で時々戦争をやりたがるあの国での増産だ。

さて、3/21週の六紙社説では、そのほかに、高松塚壁画発見50年や、電力逼迫警報、ロシア北方領土交渉中断、春闘満額回答相次ぐ、北のICBM発射、公示地価上昇、東芝分割案否決、G7首脳会議、サッカーW杯出場決定などが題材になった。

注目の話題が登場、「自民京都府連 資金配布 明快に説明を」(朝3/23)。六紙社説では初めてだと思う。しんぶん赤旗の主張(社説)では初旬に採り上げられた、「組織的買収は濃厚 解明不可欠」(3/2)。

六紙社説、ロシア軍ウクライナ侵攻(いずれもサイト内)。「金正恩の野望」シリーズ第3集「核・ミサイル 隠された真意」(NHKスペシャル、2018/4/22)

なぜ高速炉開発協力

高速炉開発の日米技術協力に関して、日経がようやく社説で採り上げた。「戦略欠く高速炉の開発協力」(3/17)。米エネルギー省とテラパワー社が進める次世代の高速炉開発に、日本原子力研究開発機構や三菱重工業などが参画する。日本は、原型炉「もんじゅ」で得た技術やデータを提供。新たな知見は両国で共有することになっている。

「日本が原子力を重要電源と位置づける以上、先進技術を維持し国際協力を進めるのは大切である」と一旦持ち上げて、「足元では既存の軽水炉の再稼働が進まず、運転や維持管理の人材育成もおぼつかない。新増設の議論も避けたままで、次世代炉の構想を描いても現実味はない」(経3/17)と冷やかに突き落とす。同紙のパターンだ。

他紙の社説は年明けから意見を述べていた。「高速炉への協力は好機」(産1/7)、「国際協力で日本の技術生かせ」(読1/15)。「実用化が見通せない新技術で、いまの原子力政策の問題点を覆い隠すのはやめるべき」(朝1/28)。

「今回の協力には疑問が多い」(毎2/5)。日本が長年検討して来たのは、使用済み燃料からプルトニウムを抽出する核燃料サイクル。ところが、米国の開発では濃縮ウランを使用し燃料リサイクルは想定していない。技術協力と見せかけて、実は、別の理由があるのではないか。「もんじゅ」の頓挫で行き詰った「サイクル政策の延命」を図ろうとしているなら問題だ。

政府は既に破綻状態にある核燃料サイクル政策を検証すべき。なぜそれをしない。何か不都合な点でもあるのか。社説にはぜひそこまで踏み込んで意見してもらいたいものだ。

さて、3/14週の六紙社説が揃って書いたのは、ウクライナ情勢、重点措置解除、そして東北震度6強だった。ほかには、北京パラリンピック閉幕、自民党大会、強制不妊判決、広島県議ら34人一転起訴、ふるさと納税訴訟、年金受給者に5千円案、3年ぶりFRB利上げ、春闘集中回答、ヒアリ対策などが題材になった。

六紙社説、プルトニウム(いずれもサイト内)

ホンダとソニーの提携

ホンダとソニーがEV事業の提携で合意。日本経済新聞はこれを社説で採り上げた。「自動車産業の転換を象徴する」この提携は「ホンダが持ちかけたという」(経3/9)。

今年1月、ソニーがEVへ参入することを発表した。同社が手掛ける6つの事業、エレクトロニクス、半導体、ゲーム、音楽、映画、金融(保険)は、バラバラに見えて、実は「いずれもが自動車と関わりを持っている」。既存の自動車メーカーには、どれもが、さぞ魅力的なモジュールに映っただろう。「ソニーと組むのはどこか」と業界は鵜の目鷹の目。二か月経ち、ホンダが射止めたことが判明したわけだ。

ソニーのEV参入と同じ頃に、別のモジュールに関する記事を読んだ。大手銀が「銀行機能はモジュールになる」と宣言。楽天など今時のプラットフォーマーにとって、銀行はモジュールの一つに過ぎない。大手銀も負けじと対抗する。しかし銀行の場合、「外部の事業者と組んで価値を生み出せるか」どうかが勝負どころ。果たして、ソニーとホンダのように、耳目をひく協業は成立するだろうか。

さて、3/7週の六紙社説は、依然、ウクライナ情勢に多くの本数が割かれた。そのほかに複数紙が話題にしたのは、SMBC日興証券による相場操縦、日野自動車データ改竄、国際女性デー、日産ゴーン被告報酬隠し事件判決、東京大空襲77年、気候変動報告書、北方領土問題、韓国の次期大統領に尹氏、中国全人代閉幕、そして、東日本大震災から11年。

六紙社説、アジアのEV化(いずれもサイト内)。新しい車の価値を問うホンダとソニー(経3/9)、ソニーのEV参入が示す自動車の変貌(経1/11)、衝撃のソニー・カー 4つのキーワードで斬る(1/13)、「銀行機能はモジュールになる」三菱UFJFG亀澤社長(1/12)

サイバー対策

トヨタ自動車が、1日、国内の全14工場28生産ラインで操業停止に追い込まれた。Tier1の小島プレス工業がサイバー攻撃に遭い、部品調達に支障が生じたためだ。身代金要求型のランサムウェアによって受発注の基幹システムが麻痺させられたと報じられている。

「現時点で誰が攻撃者かは不明」(経3/2)。露中や北など「国家の関与が疑われる事例も多発」「政府はサイバー対策の強化を呼びかけていた」(毎3/3)。「厳しい経済制裁」に対して露から「報復を受ける可能性は十分ある」(産3/2)。「今回の攻撃にロシアが関与していたかどうか。」「警戒レベルをさらに引き上げる必要がある」(読3/2)。

時も時、来月サイバー捜査隊が警察庁に新設される予定だ。国境を超えたサイバー攻撃などへの対応が期待されている。ただし、国際的な刑事責任の追及は「国家間の深刻な摩擦や亀裂の種」になる、とか、警察庁が直接、逮捕などの権限を持つため「中央集権的な警察」いわゆる国家警察が復活するのでは、など懸念が指摘されている(朝2/6、東2/17)。

そんな懸念など、今回トヨタが重大な事態に陥ったことで吹き飛んでしまい、サイバー捜査隊創設に対する国民の理解が得られやすくなった。都合良くこのタイミングでサイバー攻撃が起こったものだ。それも我が国の稼ぎ頭が防備の弱い系列会社を突かれるなんて、まるで模擬訓練のようだ。誰かの狂言犯罪だったのでは、と勘繰りたくなる。

2/28週の六紙社説は、引き続き、ウクライナ危機が話題の中心だった。全81本中29本。侵攻への抗議、スポーツ界からも、国際決済網SWIFT排除などロシアへの経済制裁、露大統領の核発言、石油メジャー事業撤退、米一般教書演説での言及、国連総会ロシア非難決議、そして、原子力発電所へ砲撃。

そのほかに、上述のサイバー攻撃や、安倍氏の核共有発言、虐待死、水平社宣言100年、温暖化報告書、北京冬季パラリンピック開幕、コロナ重点措置延長、燃料電池車FCVへの支援見直し、東芝社長交代、中国全人代開幕などが社説の題材になった。

六紙社説(サイト内)。「サイバー警察局発足 警察権限のあり方は」大屋雄裕(三宅民夫のマイあさ!、NHKラジオ第1、2/21 7時)。サイバー捜査 警察庁が担う重い課題(朝2/6)、サイバー捜査隊 「国家警察」化への懸念(東2/17)、サイバー攻撃へ警戒強めよ(経3/2)、トヨタ工場停止 供給網のサイバー対策強めよ(読3/2)、トヨタ操業停止 全力でサイバー攻撃防げ(産3/2)、トヨタの全工場停止 サイバー防御の徹底急務(毎3/3)

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