改憲論議、24年8月
- 2024/08/11 06:18
- カテゴリー:時の話題
岸田文雄首相は、7日、自民党の憲法改正実現本部総会に出席。来年11月の自民結党70年に言及し、「大きな節目に向けて党是である憲法改正の議論」を進めよと語った。自衛隊明記と緊急政令の規定について今月中に論点整理を行うよう指示。
在京六紙の内、産経と東京2紙は、8日、本件を社説で採り上げた。
「自衛隊明記や緊急事態条項創設を初回の憲法改正で実現しようという姿勢は妥当」。「だが進め方が緩慢」で「及び腰」。公明党や、維新の会、国民民主党など「憲法改正に前向きな政党」「の同意を得るよう、積極的に働きかけるときだ」(産8/8)
改憲に賛成する立場。かつ岸田首相が言う論点にも賛同。「南海トラフ地震などの大規模災害、台湾有事に伴う日本有事の懸念が高まっている」今、一定の支持を得るだろう。
「改憲の必要性がないにもかかわらず、強引に改憲を主張するのは、改憲の自己目的化にほかならない」。「憲法改正は、改憲しなければ国民生活に著しい影響が生じる場合に限られるという原点に立ち戻るべき」(東8/8)
改憲に反対する立場。社説のタイトルは「岸田首相と改憲 自らの延命に使うとは」。首相発言の裏の意図も暴く。首相交代論が公然と語られる中、「総裁再選を支持しない議員でも改憲には反対しづらいという事情を逆手にとって、改憲を持ち出すことで求心力回復を図ろうとするのは改憲の政治利用にほかならない」。
他の4紙も意見するだろうか。と昨日ここまで書いておいた。今朝、読売が「自衛隊の明記 国会中に表明すべきだった」(読8/11)を掲載した。基本的に改憲に賛成なのだが、今回の「首相の唐突な表明」には苦言を呈している。改憲論議に混乱を招きかねないと。
さて、8/5週の六紙社説は、そのほかに、原爆の日、基礎的財政収支、株価の乱高下、バングラデシュ政変、ベネズエラ選挙混乱、ふるさと納税1兆円超、変わる高校野球、米大統領候補、南海トラフ地震と臨時情報、自民党総裁選と立憲民主党代表選、東京女子医大の不正経理処理などを話題にした。
# 六紙社説、憲法施行77年、憲法記念日とセブン50年(いずれもサイト内)。「岸田おろし」いよいよ本格化へ…なぜ“超低空飛行”でも延命できた?外れた3つの制約、うごめき始めた有力者たち(7/16)