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キーワード「東野圭吾」の検索結果は以下のとおりです。

仮面山荘殺人事件

  • 2019/03/17 08:16
  • カテゴリー:読み物

大抵の人間は、苦痛に耐えてまで何かを成し遂げようとはしない。辛い局面に立たされると、まず責任転嫁し、それからヤケになるか無気力になるだけだ。そして悲劇の主人公を気取るのだ。

東野圭吾著「仮面山荘殺人事件」(講談社文庫、95年)から(p62)。あるサイトでこれを東野作品のベストに推しているのを見て図書館で借りて来た。なるほど面白い。読後ざっと読み返して、「さて、これでようやく役者が揃ったな」とあるのに気付いた(p29)。導入部のこの段階で、これを文字通りに受け取ることは簡単ではない。やられた。90年にトクマ・ノベルズの一冊として刊行。

十字屋敷のピエロ

  • 2019/03/15 05:59
  • カテゴリー:読み物

パズルなんて嫌いだな。種を知ってしまったら、それでおしまい。また次のものが欲しくなるのよね。一種の麻薬よ

読み返してみると、こんな意味深長な発言が最初の方に出ていた。東野圭吾著「十字屋敷のピエロ」(講談社文庫、92年)から(p17)。人物描写が十分ではなく物語に深みが感じられない。どんでん返しを、それも複数回も、成立させるためには致し方ないことか。単行本は89年刊。

魔球

  • 2019/03/11 07:42
  • カテゴリー:読み物

自分が恨まれていることを知っている人間など、そう多くはないものだ。

東野圭吾著「魔球」(講談社文庫、91年)から(p114)。単行本は88年刊行。時代設定がなぜ昭和39(1964)年なのだろうか。ストーリー上、戦中戦後の混乱期との接点が必要だった、おそらく、そういうことだったんだろう。64年と言えば東京オリンピック。それについて語られなくもないが特にストーリーとは関係はない。

むかし僕が死んだ家

  • 2019/03/04 06:27
  • カテゴリー:読み物

一合の升には、一合の酒しか入りません。

人間の度量であり、可能性である。そうなんだろうな。120%の目標を掲げて、能力や、努力、運の幅を拡げようと足掻くけれど、それとて一合の範囲内なのかもしれない。東野圭吾著「むかし僕が死んだ家」(講談社文庫、97年)から(p174)。単行本は94年に双葉社から。

禁断の魔術

  • 2019/03/02 05:21
  • カテゴリー:読み物

わあ、大変。世界中の鏡を壊してしまわないと」秋穂は手を叩きながら、ベッドの上でけらけらと笑った。

これを読んだ瞬間、初めて、血の通った登場人物に出会ったように感じた。終盤のここに至るまで、人物像が浮かび上がって来ない、誰にも感情移入できない、このシリーズにしては凡作か、などと思っていたのだが。東野圭吾著、ガリレオシリーズ「禁断の魔術」(文春文庫、15年)から(p253)。「猛射つ(うつ)」という中編(12年)を、文庫化する際に長編へ焼き直したのだとか。

本シリーズの長編を読み進めている。既刊では「沈黙のパレード」を残すのみとなった。現在、最寄り図書館で97人待ち。

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