村上春樹の100曲
- 2019/04/25 18:49
- カテゴリー:読み物
「ナット・キング・コールが「国境の南」を歌う」という描写そのものがある種の世界の不可能性を表している。
実は、彼はその曲をレコーディングしていないのだとか。栗原裕一郎編著「村上春樹の100曲」(立東舎、18年)から(p128)。村上春樹の著作でどれか一つとなると、躊躇うことなく、「国境の南、太陽の西」(92年)を選ぶ。その話の中に何度か登場する「国境の南」を、これまで、探し出して聴くことはなかった。まさか、ナット・キング・コールが録音を残していないとは思いもしないことだった。フランク・シナトラとビリー・メイによる収録(54年)が有名だそうだ。