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2024年11月の記事は以下のとおりです。

ドイツの新右翼

  • 2024/11/07 06:06
  • カテゴリー:読み物

AfDに投票し、Pegida(ペギーダ)やアイデンティティ運動に参加するような市民であっても、自分たちがどのような思想的系譜に立っているかまで把握していることは少ないはずである。「八紘一宇」を称賛した国会議員や、それに喝采した支持者たちが、必ずしも戦前の日蓮主義とアジア主義の展開を理解しているわけでないのと同じと考えればよい。

AfDの位置付けを説明するのに、八紘一宇を持ち出す。その喩えの方が難解で、かえって話は判り難くなっている。時々そういうのを目にする。

引用は、フォルカー・ヴァイス著「ドイツの新右翼」長谷川晴生訳(新泉社、2019年)に所収の訳者著「もう一つのドイツ-保守革命から新左翼へ」から(p432)。

欧州で極右勢力の台頭が続く。第二次大戦後、ナチスとの決別を誓ったはずのドイツにもその波が押し寄せている。2017年、ドイツ連邦議会選挙において、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が得票率5%を突破して議席を確保した。今年9月には、東部テューリンゲンの州議会選で、AfDが3割超の票を得て第1党になった。

急進右派は突然現れたわけではない。彼らは、モーラー(Armin Mohler、1920-2003)が唱えた「保守革命」の後継者と自らを位置付け、シュミット(Carl Schmitt、1888-1985)が構想した秩序を目指し政策立案を進める。この二人こそ、ドイツにおける「新右翼の理論的支柱」である。

世界が「きしむ」音が聞こえる。米国の次期大統領にトランプ氏が返り咲き、その音は益々大きくなって行くのだろうか。 

独ポピュリスト政党躍進(サイト内)。ふたつの敗戦国 ドイツ さまよえる人々▽映像の世紀バタフライエフェクト(NHK総合、10/28 22時)、Erika Steinbach(1943-)、米大統領にトランプ氏 分断の深まりを憂慮する(11/7)

技能五輪に見る日本の価値

健全な資本主義に大事なことは、技術であり、現場であり、産業力である。今、経済と言えば株価と為替ばかり。マネーゲームだけに関心が向かって産業の現場に対して関心が疎かになっている。現場で活躍する者に光を当てない国になっている。

NHKラジオの番組で、寺島実郎氏が苦言を呈していた。

9月10日から15日に仏リヨンで技能五輪の国際大会が開かれた。日本のメディア、新聞はこれをまったく採り上げなかった。話題にもならない。トップを競い合っていた10年ほど前までは報道された。今回は、中国、韓国、フランス、スイスに次いで5位。「日本にとって面白くないことや不都合なことは、なるべく報道しないという空気でもあるのか」

おきなわ技能五輪(サイト内)。「2024技能五輪に見る日本の価値」寺島実郎(日本総合研究所会長)▽マイ!Biz(マイあさ!、NHKラジオ第一、11/1 6時台後半)、2028年技能五輪国際大会の開催地が日本・愛知に決定しました(9/10)、最澄「一隅を照らす、これすなわち国宝なり」

ランプシェード交換

和紙っぽい素材のランプシェードがぼろぼろになって来たので、竹で編んだシェードに交換した。取り付け部分のサイズなど情報がなく、一か八かの賭けだったが、全く問題なく付け替えることができた。国際的な標準規格でもあるのだろうか。

旧い方は、IKEA製の「REGOLIT」(#12690)。2006年に購入。直径72cmもあり、かなりの存在感。当初は真っ白だったのが茶色く変色し、破れた箇所もいくつかあって、時代劇の小道具のようになってしまった。

それを、無印良品の「ペンダントライト用シェード バンブー ラウンド」(MJ-PBR1)に置き換えた。ソケットや、電球、鉉は、IKEAのものを流用。直径は35cmほどで、だいぶ小ぶりになった。見慣れるまで時間がかかりそうだ。

7年か8年くらい前のことだと思う。ある木工作家のショールームに「REGOLIT」が置かれているのをweb上の写真で見た。またアクセスしてみたけれど、今、その写真を見付けることはできない。

IKEA(サイト内)。REGOLIT 12690|IKEA、ペンダントライト用シェード MJ-PBR1|無印良品、工房通信悠悠

無理ゲー社会

  • 2024/11/04 05:42
  • カテゴリー:読み物

あらゆる生き物は、損失=苦痛を避けて利益=報酬を獲得する強力なエンジン(モチベーション)を脳(中枢神経系)に埋め込まれている。意識しているかどうかにかかわらず、わたしたちは、自分より恵まれたものを妬んでその地位から引きずり下ろそうとし、劣った者を蔑んでいい気分になろうとするよう進化の過程で「設計」されている。あらゆる社会問題の根底に、この生物学的メカニズムがあるのだろう。

橘玲著「無理ゲー社会」(小学館新書、2021年)から(p263)。

ヒトもその「強力なエンジン」を載せている。社会に様々な格差が生まれる根本理由はそこにあるのだろう。経済格差が拡大すると多くの人が憂いている。が、「ここに希望がないわけではない」と著者は書く。

経済格差は、お金の分配の不均衡のこと。国家が、集めたお金を公正に再分配すれば経済格差の問題は解消する。はずなのだが・・・

橘玲再分配(いずれもサイト内)。財源なきトンデモ社会保障論、正論いわぬ与党にも責任(11/3)

少数与党の政権運営

衆院選で惨敗し少数与党に転落した自民・公明両党は、政権を担い続けるため、野党第3党となった国民民主党との協議に乗り出した。同党は、比較的、与党と政策が近い。

国民民主党は「年収の壁」を103万円から178万円に引き上げることを最重視する。自公は政権維持のために、つまり特別国会での首相指名選挙で石破氏が選ばれるために、この主張を受け入れることになるのだろうか。

在京六紙の社説がどう書いているか見てみよう。

「衆院選で示されたのは、抜本的な政治改革を求める有権者の声」だ。「躍進した野党第1党の立憲民主党をはじめ各党と対話を進めるのが筋」(毎11/1)

民意は「与野党伯仲を望」んだ。「幅広い党派の意見、とりわけ野党第1党の主張を取り入れることが不可欠だ。自民党が野党第3党にまっ先に触手を伸ばしたのは、議会制民主主義の王道とは言い難い」(東11/1)。

「まず選挙で敗れた首相が責任を取って身を処し、後継の自民党総裁の下で、新たな連立の枠組みを模索するのが筋」。国民民主党は、「首相の延命に手を貸し、有権者の理解が得られるのか」(読11/2)

国民民主党が主張する引上げ幅(103→178万円)は、「明らかに過大だ」「7兆~8兆円の減税になり、財政に大穴があく」「財源に背を向け、打ち出の小づちのように大盤振る舞いをアピールするのは責任を欠く」「妥当性や財源を厳しく吟味」せよ(朝11/2)

その引上げなど「個別政策を切り離して交渉した場合、他の政策とバランスが取れなくなる恐れがある」。国民民主党は「自党の政策実現だけを目指すのではなく」、例えば「防衛力の抜本的強化」などでも「責任ある姿勢を示す必要がある」(産11/2)

「衆院選での立民や国民民主の大幅な議席増は、中道保守の考え方への支持の表れ」「与野党の議席が接近したいまだからこそ、熟議で解決できる課題は多いはず」(経10/29)

今回の衆院選は一言で言うと、裏金問題を抱える自民党が嫌われた、ということだ。その結果、与党として過半数の議席を維持できなかった。

あんたたち(だけ)に引き続き政権を任せるわけにはいかない、野党ともよく議論して政権運営せよ、そのあたりが、示された民意ということになるだろうか。政権交代までは望んでないように感じられる。依然、比較第一党は自民党となったので。

とりあえず国民民主党のご機嫌を窺って石破首相は続けられることになっても、野党、特にその第一党の立憲民主党、との議論に真摯に向き合わねば、不信任を突き付けられることになり政権は転覆しかねない。

来年度予算の審議は荒れるだろう。夏には参院選もある。さあどうなる。

さて、10/28週の六紙社説は、そのほかに、検事正が部下に性暴力、一票の不平等、女性当選最多、秋の読書月間、女川原発再稼働、同性婚高裁判決、不登校調査、文化の日(憲法公布の日)、兵庫県知事選、などを話題にした。

六紙社説、「現役世代」(いずれもサイト内)。自民党191、立憲民主党148、日本維新の会38、国民民主党28、公明党24、れいわ新選組9、共産党8、参政党3、日本保守党3、社民党1、無所属12、計465(過半数233)

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