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キーワード「戦争」の検索結果は以下のとおりです。

雪中の奇跡

  • 2021/10/05 06:31
  • カテゴリー:読み物

このフィンランドのスキーのストックは日本から輸入された竹でできていた

梅本弘著「雪中の奇跡」(大日本絵画、1994年、新装版)から(p39)。1939年11月から翌年3月まで続いた冬戦争(talvisota、第一次ソ芬戦争)の記録。

遠い国の戦いに多少なりとも日本の産物が関係していた。竹のストックばかりか、三八式の歩兵銃や15cm榴弾砲、「呉海軍造幣廠で明治三十一年に製作」のアームストロング沿岸砲も登場する。驚いた。

# 芬蘭、フィンランドを意味する旧い表記。「雪の進軍」、「フィンランディア」

戦略の未来

  • 2021/08/27 06:25
  • カテゴリー:読み物

ただ自分がよく知っていることをやるだけだ、という話になってしまう。しかも切迫した状況では、彼らは自分たちの想像した範囲でしか行動できなくなる。兵士というのはいざ戦闘が始まると、そのほとんどの時間を「戦術レベル」の、潜在的な危険に囲まれた世界で過ごすことになる。彼らは自動的に作戦や戦略に導かれ、戦略的に意味のある目標の達成に向かって動くわけではないのだ。

だから、戦略が、作り込まれ、説かれなければならない。コリン・グレイ著「戦略の未来」奥山真司訳(勁草書房、2018年)から(p62)。同著者の「現代の戦略」よりは、だいぶ取っ付きやすい。

その戦略とはいったい何なのか(p41-56)。「実に多くの意味がある」

  • 一つのプロジェクトを成功させるために選ばれた指針(一般論)
  • 誰もが好むアイデア(拡大解釈)
  • 最も重要なもの、長射程のもの、とくに注目すべきもの(誤用か)
  • パワーを創造するアート(フリードマン)
  • 戦争の目的を達成するために戦闘を使用すること(クラウゼヴィッツ)
  • 政策の目的と軍事的手段を橋渡しする方策(本書)

コリン・グレイ(サイト内)。SDI, START。23の格言によって構成される「戦略の一般理論」(p75)

現代の戦略

  • 2021/08/26 06:26
  • カテゴリー:読み物

もちろん最大の問題は、「起こらなかったこと」を十分に説明できる証拠を見つけることの難しさにあり、この難しさは永遠に残るのだ。

冷戦時代、核戦争をせずに済んだ。それは戦略の勝利だったのか、それとも、たまたまだったのか。コリン・グレイ著「現代の戦略」奥山真司訳(中央公論新社、2015年)から(p437)。

訳者あとがき(p523)から。本書での四つの論点、1) 戦略は、政策と戦術の架け橋、2) 戦争の文法は変わるがその論理は不変、3) 戦争の普遍性、4) 実践重視の議論。それと、本書の難点、「冗長」「繰り返し」。クラウゼヴィッツ本の「注釈書」だとも。

やらなかったことコリン・グレイ(いずれもサイト内)

タリバンの今後

反政府側のタリバンが勝った。勝ったには勝った理由があって、やはり、かなりの国民の支持がないと戦争はできないし勝つこともできない。正確な世論調査はできないけれど、まずそれが大きな前提。

国際政治学者・高橋和夫氏のコメント。昨日の「伊集院光とらじおとニュースと」(TBS、8/24 9時台)にて。政権をとる以上は、テロの温床にならないよう「変な言い方だけれど、タリバンにはしっかりやって欲しいなとは思う」と締め括っていた。

【地球コラム】アフガンはどうなるのか?(8/19)、タリバンが米兵器入手 軍事力増強、アルカイダに流出も(8/24)、G7首脳、アフガン安全退避で緊密連携 タリバン、米軍撤収延期を拒否(8/25)

タリバン復権か

今年4月、六紙は揃って、米軍アフガン撤収を社説で採り上げた(4/16-20)。その後、撤収が進むにつれて、反政府勢力タリバンが復活し、支配地域を急速に広げていることが伝えられて来た。この容易ならざる事態について、最近、社説はどう書いているだろうか見てみよう。本数は多くない。ここ一か月でわずか4本。

  • 米アフガン撤退 後始末が残されている(東京、7/20)
  • アフガン混迷 米中ロの協調が必要だ(朝日、7/25)
  • アフガン情勢 タリバンの復権を許すのか(読売、8/3)
  • アフガン情勢 タリバンの復権は悪夢だ(産経、8/12)

なぜ撤収するのか。介入の目的はテロ組織の掃討だった、「タリバンは米国との合意でテロ組織との関係を断つことを確約した」(産経)。「同時テロ20年の節目に米史上最長の戦争を終わらせる」(読売)。米国は、「アフガン問題よりも最重要課題である中国との競争に注力したい」(産経)

何が起きる。「タリバン復権とイスラム過激派の伸長は、中露にとっても、自国や周辺国へのテロの脅威を増す要因になる可能性が大きい」(読売)。いやいや、「タリバン復活でアフガンがテロの温床になるとの見方は早計」「懸念すべきは米軍の撤退に伴う混乱だ。米軍協力者はもとより、反タリバン系住民の難民化と国外流出が案じられる」(東京)

どうせよと。「今日の事態は軍事介入が失敗だったことを示している」「米国には介入の後始末を済ませる責務が課せられている」(東京)。米国は、中露に対し、「アフガニスタンを「共通の関心のもとで協力できる分野の一つ」と呼びかけている。その実行の時だ」(朝日)。中国は、タリバンと会談し、和平や復興について話し合った、「反政府勢力を一国の代表であるかのように遇して肩入れするのはおかしい。今は、戦闘をやめさせることが急務であるはず」(産経)。「中露はタリバンに対する影響力を米国との覇権争いの道具にするのではなく、地域の安定のために使わなければならない」(読売)。タリバンと関係の深いパキスタンや、イラン、トルコは、「いずれも米国との関係はぎくしゃくしているが、中ロは外交や経済面でパイプがある。国連などを通じて協調の枠組みをつくることも検討に値する」(朝日)

日本の役割については一切語られない。遠い国の出来事でしかないのだろうか。

8/9週の六紙社説は、東京五輪閉幕、IPCC報告書、入管収容者死亡、コロナ自宅療養増加、ニクソンショック50年、終戦の日などが題材になった。

「90日以内にアフガン首都陥落も」米政権分析か(8/12)、タリバン、首都カブールを包囲 北部要衝も攻撃(8/14)

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