昔を見てはいけない
昔は昔、今は今、折々の判断がある。引用は、秋庭道博著「ことばの切れ味-生き方を発掘する200のヒント」(東洋経済新報社、1992年)から(p71)。出典、神津カンナ著「美人女優」。
サンクコスト効果という言葉がある。これまでの投資がもったいない、払ったコストが心残りだ、と、取り返すことのできない金銭的、時間的、労力的なコストに気を取られ、合理的な判断ができなくなる心理傾向のこと。
例えば、原発政策に関する新聞の意見。福島第1原発の事故を忘れるなと、原発の活用に反対する左派系3紙(朝毎東)に対し、一紙は異を唱える(sankei.com、9/7)。「原発の活用をやめることは、福島が原発立地自治体として果たしてきた貢献をかえって無にすることにならないか」と。サンクコスト効果全開。
主にビジネスの領域で使われる用語ではあるけれど、個人の生活でも無縁ではない。もったいないから、とか、随分前に買っておいたから、というようなことは度々ある。捨てても良さそうな物をなかなか整理できないのもそうだ。センチメンタル・バリアと重なっていることが多いように思う。
# ことばの切れ味(サイト内)。埋没費用|Wikipedia、原発政策の転換 「福島の教訓忘れるな」朝毎 産読は「原発の活用を評価」▽社説検証(sankei.com、9/7)