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キーワード「角幡唯介」の検索結果は以下のとおりです。

旅人の表現術

  • 2020/11/16 06:35
  • カテゴリー:読み物

他社を〈抜く〉ことがどれだけ快感で、他社に〈抜かれる〉ことがどれだけ悔しいことかは、記者を経験したものでなければ分からないだろう。記事が読者に有用かどうか、そんなことは記者にとってはどうでもよいことである。抜いたかどうかだけに記事の価値はあるのだ。

ノンフィクション作家・探検家の著者が、かつて自身が新聞記者だった頃の思い出話を語る。角幡唯介著「旅人の表現術」(集英社、16年)に収載の「『影の地帯』と黒部の強盗」から(p338)。

沢木耕太郎氏が、著者との対談でこんなことを言っている(p40)、「探検と冒険を区別するのは、たった一点だと思う。探検はアウトプットを必要とする。冒険はアウトプットを最終的な目的としない」。整理と整頓、方向と向きなど、違いを知っておいた方が良い言葉のリストに加えておこう。

極夜行(サイト内)。開高健「ベトナム戦記」、本多勝一「極限の民族」、ドミニク・ラピエールら「さもなくば喪服を」、夢枕獏「神々の山嶺」、服部文祥「百年前の山を旅する」、三浦しをん「神去なあなあ日常」

極夜行

  • 2020/10/24 06:37
  • カテゴリー:読み物

月は太陽とちがって動きが複雑で、毎日同じ時刻に南中するわけではない。南中時刻は毎日、ほぼ一時間ずつうしろにずれていく。(略)月に支配された極夜世界は一日は二十四時間ではなく二十五時間で運行されている

角幡唯介著「極夜行」(文藝春秋、18年)から(p80)。登山家が書く紀行文ではなく、作家が書く自身の冒険譚なので、安心して文章を読み進めることができる。ただ、それが過ぎて、あざといと感じる箇所もある。著者自身、「まさにこのノンフィクションとは思えない展開」(p257)と書いているのは、予防線を張っていると読めないこともない。

随分前に読んだ、リチャード・M・コールマン著「午前3時に目がパッチリ-眠らない人と眠れない人」(日経サイエンス社、88年)で紹介されていた実験結果を思い出した。ヒトは、時間の手がかりがまったくない閉鎖空間にしばらく暮らすと、起きて活動して眠ってという生活を25時間サイクルで行うようになる。その理由をコールマンは記していなかったと記憶するが、上の引用部分にある月の運行に関係しているんじゃないだろうか。

漂流(サイト内)。材料としての漂流木(p159)、35歳から40歳という特別な時期(p183)。「睡眠と体内時計の謎に迫る」(1)▽カルチャーラジオ科学と人間(NHKラジオ第2、10/9 20:30-21:00)

漂流

  • 2019/08/22 06:10
  • カテゴリー:読み物

思うかもしれんけどね。ちがう、恥ずかしい。本当、自分のミスだもん。自分がミスをおこしている。座礁しても自分のミス、火事をおこしても自分のミス。だからあんなのはあんまり聞かんほうが。本人がまた怒るから

漁師が遭難して37日間の漂流後に生還を果たす。英雄的壮挙だ、と称賛する著者に対して、漁師の友人がそんな風に答える。角幡唯介著「漂流」(新潮社、16年)から(p383)。ラジオ(NHK第1)で紹介されていたこの本を図書館で借りて来て読んだ。開けてみて沖縄の話と知りびっくりした。

その遭難や周辺事情について、漁師仲間や関係者、多くの方々が証言している。おれの知り合い、元船長 S さんも出て来るんじゃなかろうかと読み進めた。確か1943年(昭和18年)の生まれ、水産高校卒、大型船の乗組員を経て19トン級マグロ漁船の船長としてグアムでも操業した。ただし、彼は沖縄本島出身。話は、宮古の佐良浜漁師中心に進む。残念ながら、S さんは登場しない。なお、その生還した漁師は、8年後、また海で行方不明になってしまって戻らない。

# 「密貿易、ダイナマイト密漁、沈船爆破」そして行方不明船(p136)。那覇では大型船のあと49トン級が一時流行りそして「十九トンブーム」がやって来た(p218)。日本人漁師は60代が主力、50代では大変な若手、70代で現役船長をつづけているのもめずらしくない(p282)。

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