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キーワード「万葉集」の検索結果は以下のとおりです。

食卓のない家

  • 2019/06/01 22:04
  • カテゴリー:読み物

学問だ芸術だって高邁ぶることはない。所詮は人間の創造した自己救済の方便の一種じゃないか。

円地文子著「食卓のない家」(新潮文庫、82年、単行本79年刊)から(p193)。この原作を読み、85年に観た映画は、そうそうこういう筋だった、と思い返した。細かいところはすっかり忘れてしまった中で、印象に残っているシーンがある。連行される犯人たち一人一人がカメラに映し出される。ここは、報道フィルムを使いドキュメンタリー風なのだが、残念ながら、中井貴一扮する乙彦のところだけ微妙に色が違い整合していない。待てよ、もしかすると、敢えて、別に撮ったことが判るように配慮したのかもしれない、そう思ったりもする。

# 七ツ下りの雨は晴らない(p184)、立ちて思ひ居てもぞ思ふくれなゐの赤裳垂れ引き去にし姿を(p435、万葉集巻11-2550)

3月末の取材キャンセル

NHK は、新元号の決定を前に中西さんに取材を行い、新元号の発表後にインタビューをする予定になっていました。

がしかし、取材対象のご本人(中西進氏、万葉学者)から、理由は言えないが取材は受けられなくなったと、3月末になって、断りの連絡があったとのこと。NHKジャーナル(ラジオ第1、4/2 22時)がそんな話を伝えた。

NHK は、その取材を申し込んだ時点で、新元号の典拠が万葉集になることを知っていたわけではないだろう。国書典拠になる可能性もあると見当をつけた。それならば万葉学者に声をかけておこう、外にも、記紀は誰それ、平安初期の漢詩は誰それ、以下続く、と唾をつけておく、そう取材方針を立てたのだろう。すると、先月末、取材の断りが出た。それは、中西氏一人だったか、複数だったか。その段階で、NHK は、ある程度、新元号の典拠を絞り込めていたのかもしれない。

安倍首相「令和は国書典拠」自慢の間抜け!絶対ない、とは言いきれない…「超愛国的」元号候補を考えてみた

海行かば

国民みんなが知っている万葉の歌があった。軍歌だよ。

酒宴で、ある方がそんなことを言った。おれがまだ会社の研究所に勤めていた頃のこと。その軍歌のタイトルが「海行かば」だと聞いて、それ知っていると思った、確か映画で軍艦が沈没するときに流れる音楽だ。その曲には歌詞が付いていてそれが万葉集の歌から採られていると言うのだ。日を置かずに調べてみた。大伴家持が詠んだ長歌の一部だった。

先の大戦から遠く離れた今の時代、万葉集と聞いて軍歌「海行かば」を思い浮かべる人はどのくらいいるだろうか。首相が、談話(4/1)の中で、古代の兵士である「防人」のことを口にするのを聞いて、やっぱりねと思った人はどのくらいいたろうか。

海行かば【安倍首相談話全文】

令和、典拠は万葉集

現政権の右寄り傾向を思うと、国書を典拠とすることは十分あり得ることだった。引かれるとしたら、嵯峨天皇の漢詩集あたりだろうか、とぼんやり思っていた。万葉集は意外だった。

元号が大和言葉だと長くなるので、漢文風の文章で書かれた序文から引用したことに今回の特色がある

これは、歌人、岡野弘彦氏のコメント。昨夜のNHKジャーナル(ラジオ第1、4/1 22時)が紹介していた。今回、元号の考案者の中には、大和言葉や訓読みの案を検討した方もあったのではないだろうか。結局は、万葉集という国書を典拠とはするものの、引用にあるように、大和言葉で詠まれ万葉仮名で記された歌(本文)からではなく、添え書きの漢文から取る、という折衷になった。それならば、いっそ、重箱読みの元号にして折衷の度合いを上げても良かったのでは。

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