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キーワード「パロディ」の検索結果は以下のとおりです。

べらぼう(15)

売れる売れないはどうでもいいのよ。こんなもんは遊びなんだから、楽しけりゃそれでね。で、誰とやるのが一番楽しいか、って言われたら、そりゃ、おまえさんなんだよ。

戯作者、道蛇楼麻阿(尾美としのり)が言う。彼にはちょっと下心がある。のだが、このセリフを聞いて、誰をバスに乗せるか、の話を思い返した。何かを始めようとする際、仲間選びこそ重要で、何をするかなんてことは後回しで良い、という事業開発の秘訣。

引用は、NHKの大河ドラマ「べらぼう」第15回「死を呼ぶ手袋」から。

この回、始まってすぐに(55秒あたり)、蔦重(横浜流星)が新たに構えた店に並ぶ本が何冊か映った。題簽が、はっきり読めたのは「娼妃地理記」。著者は道蛇楼麻阿。

この本は、鈴木俊幸教授(中央大学文学部)によると、日本国ならぬ月本国の地理書(のパロディ)。女郎屋を郡に、遊女を名所に、各々見立てた、遊女評判記なのだとか。そういえば、前回だったか前々回だったか、蔦重と麻阿がそんな本のアイデアを出し合う様子が描かれていた。それが具体化された。

著者の道蛇楼麻阿、どうだろう、まあ。人を喰ったようなネーミングだ。この人、色々な名前を持っている。その一つ、朋誠堂喜三二は、干せど気散じ、つまり、懐はさびしいが遊び暮らす、というような意味らしい。狂歌を詠む際には、手柄岡持や、浅黄裏成の号を用いたのだとか。実は、どこかの藩の江戸留守居役、平沢というお侍。

言葉遊びがなかなか気が利いている。「娼妃地理記」も「笙、篳篥」の駄洒落になっていると鈴木教授が話していた。

「娼妃地理記」が出版されたのは安永6年。西暦では1777年。モーツアルトが名作をどんどん書き始める頃。ディベルティメント第15番(K287)はその年の作曲と言われる。

べらぼうフレームワーク十選(いずれもサイト内)。大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」(15)死を呼ぶ手袋(NHK総合、4/13 20時)、日曜カルチャー「蔦屋重三郎のまなざし」第2回(NHKラジオ第2、4/13 20時)【出演】中央大学教授…鈴木俊幸、「旭縁起那須野俤」、平沢常富(朋誠堂喜三二、道蛇楼麻阿、1735-1813)

朕、惟フニ

  • 2025/01/07 05:48
  • カテゴリー:読み物

朕、惟フニ屁ヲ垂レテ、汝、臣民、臭カロウ、国家ノタメナラ我慢セヨ

源氏物語を読んだ一条天皇が、「これは朕への当て付けか」などと人間臭いことを言うのを聞いて、このパロディを思い出した。

この教育勅語のパロディは、月刊誌「面白半分」で見た、と思う。中・高の頃、ナンセンスを教えてくれたのは、ほかには考え難い。当時、熱心にページを繰ったものだ。

「海行かば」の替え歌も同じ頃に知った。おそらく「面白半分」で。「海にカバ、水漬くカバね、山にカバ、草むすカバね、おお、君の屁にこそ死なめ」。これにも屁が登場。

元の詞は大伴家持の長歌(万葉集、巻18-4094)からの抜粋であることを(再)認識したのは随分あとになってからのことだった。

光る君へ海軍めしたき物語(いずれもサイト内)。鵜野祐介著「アジア太平洋戦争中の日本の子どもの替え唄-笠木透の替え唄研究」前編後編巻18-4094|万葉百科 奈良県立万葉文化館

光る君へ(34)

幼いあの日から、恋しいあの人のそばで、ずっとずっと、一緒に生きていられたら、いったい、どんな人生だっただろう

主人公まひろ(紫式部)に扮する吉高由里子が語る。なかなかいい声だ。大河ドラマ「光る君へ」第34回「目覚め」から。

100カメでこの第34回の撮影風景を採り上げていた。すぐさまNHKプラスで本編を観たのだった。

今年の大河ドラマは、観るのはこれが初めてなら、オープニングのテーマ曲を聴くのもこれが初めて。いい曲だと思う。難点を言えば、余りにも、ラフマニノフっぽいことだろう。そんな風に聞こえるよう意図して書かれたのなら、それはそれでいいと思う。こういうのを、オマージュと言うのかな。

次の第35回も観た。一つ二つ観たぐらいでは、誰が誰だかさっぱりだし、人間関係もまだまだよく判らない。その分、想像力が掻き立てられる。ずるずる観てしまいそうだ。

交響的舞曲パロディ(いずれもサイト内)。100カメ 「光る君へ」 平安の雅を生み出す舞台裏(NHK総合、9/12 19時半)、光る君へ(34)目覚め(NHK総合、9/8 20時)、光る君へ(35)中宮の涙(NHK総合、9/15 20時)

悪人

今まで生きとるかも死んどるかも、よお分からんかった。

祐一(妻夫木聡)が吐き出すように言う。李相日監督の映画「悪人」(2010年)から。吉田修一著原作。いい役者が揃った、特に光代に扮する深津絵里がたいへん良い。

色んな人が「悪」を口にする。舞台となった九州の言葉で。「おまえは悪なか」「あんたが悪かわけじゃなか」「わたしのせいね」「悪かことしたと思とるさ」「太か(悪か)人間に育ててくれたよ」「あまえが悪いって言うたがありゃ間違えとった」「あの人、悪か人じゃなかと」「うちが悪かと」「あの人は悪人なんですよね」。

各々の自覚もあれば、他人からの評もある。誰一人として清廉潔白な者はいない。一人一人の小さな悪意が積み重なって、知らず知らずの内に大きな「悪」に育って行く。それがいつかどこかで姿を現す。

日の出を見る最後のシーンでも流れる音楽はオリジナルだろうか。何かに似ているような気がする。そうそう、ブラ4(ブラームス作曲交響曲第4番)だ。第1楽章の第1主題。この映画の音楽担当者を確認した。ああ、その人か。他人の作品に取材したとしても不思議じゃない。ここにも小さな悪意が潜んでいるかもしれない。

ABEMA(サイト内)。悪人 (小説)|Wikipedia、オマージュ・パロディー・パクリ、五島市福江島の大瀬崎灯台、クライバー(WPh、1980年)、ラトル(BPh、2008年)

ア・ピース・オブ・警句

  • 2022/07/18 06:23
  • カテゴリー:読み物

七重八重 花は咲けども 山口のヒモつきの客のみぞ悲しき

言うまでもなくパロディだ。元は、太田道灌の故事で有名なあのヤマブキの古歌。小田嶋隆著コラム集「ア・ピース・オブ・警句」(日経BP、2020年)から(p349)。本書の副題は、5年間の「空気の研究」2015-2019。nikkei.comにコラム連載時は、世間に転がる意味不明、という副題が付いていた。

引用した歌は、コラム「今年の桜はどんな気持ちで見るだろう」の中のイラストに添えられている(イラストも著者によるものなのだろうか)。コラムは、2019年11月15日に掲載され、その年に表面化した「桜を見る会」の醜聞を採り上げている。

あの会が、仕事の中に紛れ込んで来たことがあった。もう5年も前のことになる。

プロジェクトのあるメンバーが、次のミーティングに出席できないと言って来た。またしても我が儘か。ほとほと閉口した。数日前に日程調整して、皆が都合つく日を選んだばかりじゃないか、いったい何があるのだ、と問うと、総理大臣が主催する花見に招待されたと言う。何となく聞いたことがあった「桜を見る会」を、この時、はっきり認識した。安倍さんやその事務所によるスキャンダルが暴かれる以前の2017年春のことだった。

そういえば、その3年前、プロジェクトに着手する頃にも安倍さんを少し意識するような場面があった。そのテーマは、政府のあるお役人との雑談にヒントを得てスタートした。背景などを調べていて一枚の写真が目に留まった。そのお役人が長になった組織の、いわゆる看板掛けのセレモニーをとらえていた。彼や当時の担当大臣ら何人かが写っていたけれど、写真の主人公は、看板に手を掛けた安倍さんだったのだ。

その後のことを書いておこう。プロジェクトは成功し発展的に解消した。私はその成果を見るよりもだいぶ前に、そうそう、あのメンバーの我が儘な発言がきっかけとなってプロジェクトを抜けた。「桜を見る会」の問題はモリカケ等とともに忘れ去られてはいない。安倍さんの死がそれらにどう影響するだろうか。あのお役人は、桜とは別の不祥事が露見して役所を去った。それと、2017年春の招待には応じたのだったかなぁ、記憶にない。彼女はあの宴に参加したのだろうか。

# 七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき(後拾遺和歌集19巻1154)。桜を見る会問題|Wikipedia、小田嶋隆さん死去 コラムニスト(6/24)、安倍元首相が死去、67歳 最長政権樹立、非業の死 アベノミクス、安保法制を推進(7/8)

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