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キーワード「戦争」の検索結果は以下のとおりです。

母の待つ里

  • 2025/10/27 06:46
  • カテゴリー:読み物

プレミアムクラブの吉野さんという担当者についてですが、もしやAIではないでしょうか

社長の永松徹は、部下の秘書にそう指摘されても「意味がわからない」。電話に応じる吉野さんは、普通に会話するし、できぱきとして感じがいい、ぐらいにしか思っていない。

浅田次郎著「母の待つ里」(新潮社、2022年)から(p252)。

物語がどこか不気味さを纏っているのは、そのオペレーターの存在も小さくない。TVドラマ版の中でも、吉野さんは、生身の人間なのか、ドロイドなのか、どっちだろうと思わせるような、風貌、演出になっていた。

AIついでに、最近目に留まった話題をいくつか並べておこう。

「詐欺電話、AIおばあちゃんが手玉に」(nikkei.com、10/2)。記事の副題は、サイバー空間で「代理戦争」幕開け。

竜王戦第2局の結果を報じる「藤井聡太竜王、持ち時間4時間弱残して佐々木勇気八段に2戦連続快勝」(スポーツ報知、10/17)。こんなコメントあり、「今はとにかくAIが全部正解を教えてくれるので、研究すればするほど覚えることが多くなり」・・・。

「AIチャットボットには無礼な態度を取る方が丁寧に接するよりも良い結果が得られるという研究結果」(Gigazine、10/17)。対話型のAI、大規模言語モデル(LLM)での検討。

母の待つ里(1)(サイト内)

社説が見た石破首相所感

石破茂首相による「戦後80年に寄せて」と題する所感(10/10)、これを在京六紙の社説はどう評価しただろうか。

表明する意義ある・ない、内容は良い・まずい、時期が悪い、など、賛否様々な意見が出ている。ざっと見てみよう。

「一人ひとりに戦争の自省促す首相所感」(日経、10/12)。「通説に沿った内容で、過ちを繰り返さない決意を政治リーダーが内外に発する意義はある」「繰り返したのは歴史に学ぶ重要性」「国民一人ひとりがあらためて戦争と平和を考える機会にしたい」

「戦後80年の首相所感 歴史から学ぶ政治の責任」(毎日、10/12)。「過去を顧みて不戦を誓う意義は大きい」。政治家に対し「無責任なポピュリズムに屈せず、大勢に流されない矜持と責任感を持つよう呼びかけた」

 「首相80年所感 言いっ放しで済ますな」(朝日、10/13)。「閣議決定した政府の正式見解ではなく、退任間際の表明であっても、首相として発したメッセージは重い」「現実の政治や社会にどう生かすか。首相は任を退いた後も大きな責任を負う」

「石破氏の所感 戦後80年には不十分だ」(東京、10/11)。「村山、小泉談話で表明されながら、安倍談話で曖昧にされた部分を埋める談話を閣議決定に基づいて出すべきではなかったか。率直に言って期待外れ」。

「戦後80年の所感 メッセージの発出に見識疑う」(読売、10/12)。「既に多くの研究者や専門家らによって分析し尽くされた話ばかり」「政局が混迷する最中に、しかも退陣間近の石破首相がわざわざ発出する必要があったのか、見識を疑いたくなる」

「戦後80年所感 平板なリポートのようだ」(産経、10/11)。「優れた見方や新しい論点に乏しい」「歴史や政治に関心を持つ人なら聞いたことのある話で、首相所感として大仰に公表した意義がよく分からない」

私自身は、一読、この所感を表明した石破首相の政治姿勢は立派だと思った。「見識を疑いたくなる」「平板なリポートのようだ」などと新聞が書くのは、たいへん残念なことだ。

さて、この一週間、六紙社説は、そのほかに、大阪万博閉幕、自維連立協議、米政権報道機関へ圧力、村山元首相死去、などを話題にした。

六紙社説、石破首相所感、戦後80年(いずれもサイト内)

帝銀事件

知らされないことに怒りはある。が、知らされないまま、権力側の発表のみを無難に報じて来たマスコミの責任は、そのマスコミが醸成した空気に乗じて一人の人間を犠牲にする世論に責任はないのか。

ドラマ編の中で、松本清張(大沢たかお)が言う。NHKスペシャル「未解決事件-松本清張と帝銀事件」第1部(10/3)から。初回放送は、2022年12月。

米国占領下の時代、GHQの陰謀ではないかと疑われる事件が多々あった。12人が毒殺された帝銀事件(1948年)もその一つ。

事件の真相は、圧力によって秘され、「知らされない」。

メディアは、深く追求することもなく、当局の発表する通り、まんまと犯罪者に仕立て上げられた人物を犯人として報じて行く。

人身御供を欲している世の人たちは、それに大いに満足する。

暗黙の了解で、メディアと世の人たちの取り引きが成立する。その根底にあるのは、他人の不幸は蜜の味、か。

「あの戦争」へのメディアの責任について記された本などをいくつか読んで来た。メディアが及ぼす悪い影響は、決してそれに限らない。メディアは、いつ何時も、売れるもの、つまり我々受け手が欲するもの、を報じる、提供する。よく肝に銘じておかねばならない。

帝銀事件の謎戦時下の宰相たち石破首相所感、戦後80年論点別 昭和史(いずれもサイト内)。NHKスペシャル選「未解決事件-松本清張と帝銀事件」第1部ドラマ「事件と清張の闘い」(NHK総合、10/3 23:45-)

論点別 昭和史

  • 2025/10/13 06:41
  • カテゴリー:読み物

権力による一方的な被害者ではない。そうかといって権力に追従する加害者でもない。

メディアは、今も昔も、双方向性を持つ。受け手が何を知りたいか、メディアはそれに応えて報道する。

井上寿一著「論点別 昭和史」(講談社現代新書、2019年)、第Ⅲ章「メディア-新聞・ラジオに戦争責任はなかったのか?」から(p73)。

第X章(p226)にこういう指摘がある。「アジア地域に『指導国』原理を持ち込むと、国際秩序は崩壊する」。日本の敗戦にはそういう意味があった。もし、これから、戦時中の日本のように「中国が『指導国』になろうとすると、国際秩序は不安定化する」と。

戦後80年のこの夏、新書本をいくつか読んだ。なぜ日本は戦争への道を歩んだのか、戦争責任はどこに(誰に)あるのか、を改めて考えようと思って選んだ。それも、この「論点別 昭和史」で一旦終わり。

石破首相所感、戦後80年避けられた戦争戦争調査会戦時下の宰相たち(いずれもサイト内)

石破首相所感、戦後80年

政府が誤った判断をせぬよう、歯止めの役割を果たすのが議会とメディアです。

あの戦争を避けられなかったのは、政府が誤った判断をしたからだ。引用は、石破茂首相が読み上げた「戦後80年に寄せて」と題する所感(10/10)から。

議会とメディア、これらはいったい何だろうか。

議会は、選挙によって選ばれた議員で構成される。民意がもろに反映されている。メディアは人々が望むものを報道する。この所感にも、戦争報道は「売れた」とある。国民が買うからメディアは戦争を報じた、煽った。つまり、議会もメディアも、どちらも国民の姿や気持ちを映し出している。

議会とメディアが戦争の歯止めとなるのであれば、それは、取りも直さず、我々国民次第ということになる。もし、国民が、戦争を望めば、好戦的な議員を議会へ送り、メディアは皆の気持ちを汲み、開戦支持の世論を固めて行く。戦争への道を突き進む。

石破首相は、今回、所感の終盤でこう述べている。「国民一人一人が先の大戦や平和のありようについて能動的に考え、将来に生かしていくことで、平和国家としての礎が一層強化されていく」と。重いメッセージだ。

平和を維持するのか、戦争で荒廃するのか、国の将来は、突き詰めれば、我々国民の意向によって決まる。一人一人が、我が事として、しっかり考えねばならない。

避けられた戦争「国策の誤り」戦後80年首相談話(いずれもサイト内)。石破茂首相が所感「戦後80年に寄せて」表明 「過去を直視する勇気と誠実さを持ったリベラリズムが大切」(10/10)、戦後80年所感 平板なリポートのようだ(10/11)、石破氏の所感 戦後80年には不十分だ(10/11)

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