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暴力の人類史

  • 2025/04/15 05:46
  • カテゴリー:読み物

私たちが今日ある平和を享受できるのは、過去の世代の人びとが暴力の蔓延する状況に戦慄し、なんとかそれを減らそうと努力したからであり、だからこそ私たちは今日も残る暴力を減らすために努めなければならない。

引用は、スティーブン・ピンカー著「暴力の人類史」(上巻)幾島幸子・塩原通緒訳(青土社、2015年)から(p20)。最寄り図書館で分厚い上下二冊を借りて来た。

歴史的に見て暴力は確実に減少している。本書では以下の視点でそのことが語られる。

6つの背景。1) 農耕社会への移行、2) 中央集権制、3) 系統的な平和主義、4) 先進国の多くが戦争を避けるようになった、5) 冷戦の終結、6) マイノリティ権利擁護。

5つの悪。1) 略奪や捕食、2) 支配欲、3) 報復や復讐、4) サディズム、5) イデオロギーによる暴力の正当化。

4つの善。1) 同情、2) 自制、3) 道徳心、4) 理性。

5つの社会的変化。1) 司法制度、2) 比較優位に基づく通商、3) 女性の尊重、4) 異人への共感、5) エスカレートする理性。

最終章では、「囚人のジレンマ」ならぬ「平和主義者のジレンマ」の四象限マトリクスを用いて総合的な考察がなされている。

治安は悪化しているのか(サイト内)。「磔刑はペルシャで考案」「暴力はおおむね男性の気晴らし」

遠い道のりを一歩ずつ

ここ一週間、在京六紙の社説はどんな話題を採り上げたろうか。この期間に全部で70本ほどあった(4/7-12付け朝刊)。

トランプさんの関税がらみがやたらと多い。22本もある。「報復合戦」や「貿易戦争」という文言までタイトルに登場し大騒ぎの様相。

そのほかに、複数紙が書いた話題は、ETC大規模障害(5)、両陛下硫黄島訪問(4)、大阪万博開幕へ(3)、中国軍の演習(2)、ガザ侵攻再開(2)、増加続く児童虐待(2)、オンラインカジノ(2)、そして、日鉄USスチール買収再審査(2)。( )内は本数。

あとは、一紙のみが採り上げた単発の話題。全体の約1/3。「企業献金」や、「南海トラフ地震」「サイバー法案」「東電再建計画」など、前週から続くテーマもあれば、「警視庁新公安3課」や、「介護離職」など、目新しい題材もある。

単発の話題に、「森下九段が千勝 『無冠の帝王』の大記録」というタイトルがあった。東京新聞の9日付け。

将棋の森下卓九段(58歳)が公式戦通算千勝を達成。史上12人目。これまでの11人は皆タイトル獲得経験者ばかり。タイトル戦に勝利したことのない棋士による千勝は初。

一歩一歩、着実に進んでいけば、ずいぶん遠くまで行ける

そう教えてくれる大記録、と社説は書いている。いい言葉だ。社説もネガティブな話題が多い昨今、一条の光を見る思いがする。

六紙社説(サイト内)

ラジオと総動員帝国

マスメディアは需要に合わせて供給が行われるような面があるので、国民が求めていることを伝えるということが、どうしても起きやすい。どんどん需要と供給が相互に作用することによって、一つの見方しかできなくなる。

牧野邦昭教授(慶應義塾大学経済学部)がそう語る。NHKの放送100年特集「ラジオと総動員帝国~旧満州の放送音源が問いかける教訓」後編(3/20)から。

満州事変は国際法違反である、という説は、日本放送協会(NHK)のラジオ放送で伝えられることは一切なかった。当時、協会は逓信省の傘下にあったため、当然、国に都合の悪い説は流さない。しかし、それだけではなかったのだ。

満州を手放せという国際社会からの圧力に抵抗する国民感情があった。ロシアなどとの戦争で多くの犠牲を払って獲得した満州だ。そこは血で贖った土地だ。易々と手放すようなことができるはずない。英霊に申し訳ない。

国民がそういう物語を求めていた。ラジオはその需要に応えて、満州で多くの犠牲を払ったと繰り返し伝える。満州を手放したくない国民の気持ちは、益々、高まって行く。

そういうお話だった。のだが、それもこれも国や軍部が書いたシナリオではなかったのかと邪推してしまう。満州は日本のものだと、直接、語りかけるだけでなく、じわりじわりと国民の気持ちをそっちの方へ向けさせて行く、そんな高等なテクニックを駆使することを誰かが考えたのではなかろうか。

旧統一教会に解散命令Re: 中居氏問題でフジ会見明治天皇という人(いずれもサイト内)。コンコルド効果(sunk cost effect)、放送100年特集「ラジオと総動員帝国~旧満州の放送音源が問いかける“教訓”~」前後編(NHKラジオ第一、3/20 21:05-)【アナウンサー】野村優夫【語り】柴田祐規子

狂気の11月戦争

オウム真理教は、疑似国家を目指していたと言っていいと思います

国内でのクーデターを企てていた。と、意外な人物がコメントした。北村滋氏だ。NHKスペシャル「オウム真理教 狂気の“11月戦争”」(3/20)から。

その人は、安倍政権時に特定秘密保護法などの策定に携わった。それでその名前を覚えている。内閣情報官などの要職にあった方だ。その頃から十数年前遡った1995年3月、地下鉄サリン事件当時は、警察庁の警備局外事課理事官で、「オウム関連の情報を収集」に関与していたことをこの番組で知った。

同じ日、19時のニュースでもそのクーデター計画を採り上げていた。ここでインタビューに応えていたのは、「警察庁」のその人ではなく、当時「警視庁」トップとして捜査指揮した井上幸彦元警視総監だった。

捜査対象のその宗教団体は、事件の何年か前の衆院選に多くの候補を擁立していた。正しいやり方で政治への進出を狙っていたわけだ。その一方でパソコンを売ってもいた。日本橋駅の階段を出た辺りでパソコン帽子を被ったお兄さんがビラを配っていたことを覚えている。いったいどういう組織なんだ、と思ったものだ。が、まさか化学テロで我が国の政権を転覆させようとしていたなんて・・・。

あれから○○年、25年3月官邸官僚(いずれもサイト内)。NHKスペシャル「オウム真理教 狂気の“11月戦争”」(NHK総合、3/20 21:30)、NHKニュース7▽地下鉄サリン事件30年 今も続く苦しみ、オウム国家転覆“11月戦争”計画(NHK総合、3/20 19:00)

あれから○○年、25年3月

この一週間、在京六紙の社説を見ていると、あれから何年という話題が多い。地下鉄サリン事件や東京大空襲など。前の週には大震災のこともあった。

各紙の社説タイトルから引用して並べてみよう。

●東日本大震災14年
「問われる復興のあるべき姿」(読3/11)、「教訓を次に生かす決意を 早期避難が津波防災の鉄則だ」(産3/11)、「東北の復興に今こそ目を向けよう」(経3/11)、「命守るつながり深めたい」(毎3/11)、「原発災害の忘却にあらがう」(朝3/11)、「原発回帰を回避せよ」(東3/11)、「原発止める、故郷への責任」(東3/12)

●地下鉄サリン事件30年
「次世代に惨禍を語り継げ 後継団体の逃げ得は許されぬ」(産3/20)、「教訓共有し、語り継ぐ大切さ」(朝3/20)、「教訓と向き合い続けたい」(毎3/20)、「サリン事件が問う教訓はいまも重い」(経3/21)、「第二のオウム生まぬために」(読3/21)、「陰謀論に勝る理性こそ」(東3/20)

●東京大空襲80年
「空襲被害者救済 戦後80年、法整備急げ」(東3/19)「放置された空襲被害 救済へ政治が決断する時」(毎3/9)、「惨禍の記憶を語り継ぎたい」(読3/9)、「地上の犠牲、無念を心に刻め」(朝3/17)、「惨禍許さぬ誓いと対策を」(産3/9)

●その他
「新型コロナ5年を教訓に平時から備えを」(経3/17)、「ベトナム戦争終結50年 うそを暴く報道の気概」(東3/21)

あれから○○年。キーワードは、名詞なら「記憶」「教訓」、動詞なら「語り継ぐ」と「備える」と言ったところだろうか。

さて、3/17週の六紙社説は、そのほかに、学術会議改組、N党立花氏襲われる、東電旧経営陣が無罪に、ガザ戦闘再開、公示地価の上昇、ウクライナ部分停戦、兵庫第三者委が斎藤知事のパワハラを認定、自民党の商品券配布問題、日産の経営刷新、日中韓外相会談、などを話題にした。

六紙社説(サイト内)

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