米中戦争前夜
- 2023/07/12 06:08
- カテゴリー:読み物
なにより重要なのは、両国のリーダーと一般市民の双方が、これまでの態度と行動を根本的に変えることだ。トゥキディデスの罠を逃れるためには、考えられないことを考え、想像できないことを想像しなければならない。
グレアム・アリソン著、藤原朝子訳「米中戦争前夜-新旧大国を衝突させる歴史の法則と回避のシナリオ」(ダイヤモンド社、2017年)から(p12)。
「アテネの台頭とスパルタの不安」、これがペロポネソス戦争の本質だと、トゥキディデスは見抜いた。台頭する新興国は、自分たちに敬意を払うよう周囲に求め、既存の序列を変えるべきと思い始める。一方、覇権国は勢力均衡を維持することは当然の論理だと考える。ここに巨大な構造的ストレスが生じ、ちょっとした偶発的衝突や経済的ないざこざが戦争の引き金になり得る。
ギリシャの昔から歴史はこれを繰り返して来た。今、舞台の上には米国と中国がいる。果たして米中両国は戦争を避けることができるだろうか。
# 米中戦争を避けるために、焦るアメリカ(いずれもサイト内)。「同盟国を増やすことに夢中になり」(p79)、トゥキュディデスの罠|Wikipedia