メトロノームでジャズ
- 2018/11/08 19:20
- カテゴリー:音楽
確か1990年だったと思う。ジャズの番組を聴いていると、新譜の紹介で "Blues on Time" という曲がかかった。ソロはハーモニカ。バックは、なんと一台のメトロームという演奏。無伴奏ではなく、この融通の利かない器械を相手にした方が却って、いい味が出ている。早速レコード屋に行って、そのアルバム "Footprints" を買い求めた。それが、ジャズ・ハーモニカの巨匠トゥーツ・シールマンス(Jean "Toots" Thielemans, 1922 - 2016年)との出会いだった。
以来、"Footprints" は愛聴している。2012年だったか、ベルギー人の同僚と飲んでいるときにジャズの話になった。彼は当然のようにシールマンスのことを語り始める。そのときに教えてもらったのだが、そのハーモニカ吹きはブリュッセル出身かつベルギー貴族なのだ。何と言っても "Footprints" が一番いい、と彼は宣言した。おれもその CD を持っていると言ったら、随分と喜んでくれたものだった。おれは、シールマンスはその一枚しか持ってなかったのだが。
先日、試しに図書館のサイトで検索すると何枚かヒットした。その内、"The Best of Toots Thielemans"(POCJ-1653)を借りて来た。この中のシールマンス自作 "You're My Blues Machine" もメトロノームをバックにした演奏だ。ハーモニカとメトロノームは、彼お気に入りの編成(笑)だったのかもしれない。