石田検事の怪死
- 2021/02/18 06:48
- カテゴリー:読み物
石田検事を殺したのは徹頭徹尾「政治」であった。
松本清張著「昭和史発掘」の一篇「石田検事の怪死」(1964年)から。松本清張全集第32巻(文藝春秋、1973年)のp41。「直願事件及ビ陸軍機密費事件ニ対スル捜査ノ進展ヲ恐ルルノ余リ、石田検事ノ存在ヲ以テ政友会組閣ノ一大障害ナリトシ、遂ニ石田検事殺害ヲ決行シタルモノニアラザルカ」(p35)。政治家は、自身に捜査の手が伸びることを妨害しようと圧力をかけて「もみ消し」を図る。それが難しいとなると、担当の検事を消すことを目論むのだった。
下山事件(1949年)における類似性を著者は指摘している。
# 石田基(1883-1926)。河井案里被告、議員辞職、麻雀辞任その真相は(いずれもサイト内)。松本清張、久原房之助|Wikipedia