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2024年05月の記事は以下のとおりです。

フジコ・ヘミングさん死去

一つ一つに魂が入っているようなさ。

一つ一つ、一音一音、とピアノの蓋を、パラパラパラと、指で打つ。「あまりに完全で機械みたいなのは嫌い」と吐き捨てるように言う。

ETV特集「フジコ~あるピアニストの軌跡」から。追悼で昔の番組が再放送された。「おとなのEテレタイムマシン」(Eテレ、5/4 22時)。初回放送1999年2月11日。

Lubuntuマシンのファイル更新のついでにNHKプラスにアクセスしたら、この番組が、ドキュメンタリーのリストにあった。噂には聞いていたけれど観るのは今回が初めて。

フジ子・ヘミングの奇蹟(サイト内)。ピアニストのフジコ・ヘミングさん死去「奇蹟のカンパネラ」(5/2)、Fuzjko Hemming(1931-2024)

硫黄鳥島

  • 2024/05/10 06:07
  • カテゴリー:読み物

鹿児島県最南端より北にある沖縄県最北端の島

西村まさゆき著「地図でめぐる日本の県境100」(天夢人、2023年)から(p144)。県立図書館の新着本コーナーにあるのを借りた。

かつて硫黄鳥島は、琉球王府が直轄した。硫黄が採掘できたからだ。硫黄は明などへの重要な朝貢品となった。琉球が島津藩に占領された際、薩摩に編入されなかったこの島は、現在、沖縄県にある。飢饉や火山の噴火のために無人の島となった。住民の多くは久米島へ移ったため、硫黄鳥島は久米島町に所属している。

沖縄県の県域(サイト内)

SNS投稿で裁判官罷免

SNSに殺人事件の遺族を傷つける投稿をしたなどとして訴追された仙台高裁の岡口基一判事に対し、先月、国会議員からなる裁判官弾劾裁判所が罷免の判決を言い渡した。

過去、弾劾裁判にかけられ、罷免されたのは、児童買春やストーカー、盗撮で刑事責任を問われたり、職務怠慢があったりした場合だった。SNSでの不適切な発言で、弾劾裁判で処分するのは行き過ぎではないか、そんな意見もあるようだが、どうだろうか。

岡口氏は、問題発言を繰り返して来た。口頭での厳重注意、文章での厳重注意でも改めず、最高裁から2度の戒告を受けた。裁判所内部ではこれ以上打つ手がなくなり今回の弾劾裁判となった。現職の裁判官からは特殊な事例として受け止められるのではないか。

NHKのラジオ番組で、慶應大の大屋雄裕教授がそんなコメントをしていた。

在京六紙の社説でも意見が割れていた。「自らが招いた必然の帰結」(読4/6)、「国民常識にかなう判断」(産4/5)、「制裁が苛烈に過ぎる」(東4/4)、「表現の自由や司法の独立にも絡む、重い課題」(経4/5)、「微妙なケース」(朝4/4)、「司法の発信考える契機に」(毎4/6)。

六紙社説(サイト内)。マイあさ!▽けさの“聞きたい”「SNS投稿で異例の罷免 裁判官のあり方を問う」大屋雄裕(慶應義塾大学教授)(NHKラジオ第一、5/1 7時台)

国際秩序のこれから

米国は、イラク戦争のように、力に任せて正しくない政策を追求していくことが往々にしてある。多国間の枠組みの中で米国の方針を変えさせる、それが一番できるのは日本だと思う。それに、これからの最大の課題は中国。中国にどう向き合うか、それが世界の分断や2つの戦争がどうなるかを決めて行く。中国に最も近い民主主義大国の日本には米国を先導して行く役割が期待されている。

日本総研の田中均氏がそんなコメントをしていた。果たして、わが国は上手く立ち回ることができるだろうか。

特集番組「戦争に揺らぐ世界」第2回「国際秩序のこれから」(4/30)は、前回に続いて興味深い話で溢れていた。

この第2回の冒頭、同志社大の吉田徹氏がこんな風に言っていた。自然は空白を嫌う。米国のヘゲモニーが衰退しつつある今、新しいアクターがそれを埋めようとして国際情勢の液状化に拍車をかける。米国主導でつくって来た戦後という時代の賞味期限がそろそろ切れ始めているとも言える。

寄らば大樹の陰とばかり、日本は、米国への忠誠度があまりにも高い。さあどうする。

終わらない戦争(サイト内)。特集番組「戦争に揺らぐ世界」第2回「国際秩序のこれから」(NHKラジオ第一、4/30 21:05-21:55)

暖流

  • 2024/05/07 05:51
  • カテゴリー:読み物

仕事の面白みは、なんとしても、大会社の庶務課長より、小さくとも独立した事業を一人で切り廻すことにある

主人公の日疋祐三は、製薬会社のポストを袖にして、落ちぶれた病院の再建に挑む。岸田国士著「暖流」から(p23)。岸田国士全集13巻小説6(岩波書店、1991年)。

何度か、映画化、ドラマ化されている。なるほどそうさせるだけの魅力がこの原作にはあるのだろう、借りて来て放っておいたのだけれど、読み始めると一気に読んだ。

日疋についてこう書かれている(p112)。「記憶のすばらしさ、熟慮断行といふ言葉が実によくあてはまるやうな万事の処理のしかた、相手との微妙な関係を即座に読み取つて、抜きさしならぬ応対の呼吸を見出す勘、かういふ特徴をあげればいくらでもありさう」

「たとへ言葉では素気なく拒まれようと、彼の身近に自分を感じる一つ時さえ得られるなら幸福の道は決して閉ざされてはゐない」、いじらしい石渡ぎんはそう思う(p193)。ドラマ化されたこの物語が強く記憶に留まっているのは彼女の存在が大きい。昔観たドラマでぎんに扮したのは中田喜子だった。

「暖流」を読んでみよう(サイト内)。「誠実であろうとすることと、誠実であることとの隔たり」(p196)

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