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キーワード「戦争」の検索結果は以下のとおりです。

何か一つ選ぶなら、22年

今年2022年、特に印象に残ったのは何だったか、ジャンル毎に一つずつ選んでおこう。このブログに書いたものもあればそうでないのもある。

音楽は、ルプーらが演奏する、モーツアルトのピアノ五重奏曲、K452(1984年)。

映画は、「今度は愛妻家」(東映、2010年)。

テレビ番組は、100カメ「青森ねぶた祭」(NHK総合、11/8 23時)。

落語は、古今亭志ん朝「唐茄子屋政談」(1976年)。

買い物は、キッチン用電子秤、タニタ製KD-321。

旅は、浦添大公園へのピクニック。往路、安里から浦添前田までゆいレールに乗った。浦添署の横から石畳の道を浦添城跡に登る。北側斜面には王たちの陵墓ようどれ。沖縄戦で破壊された石垣は復元が進められている。見応えあり。復路は徒歩。14キロの道のり、あちこち寄り道しながら歩いて帰った。

本は、小説では、古処誠二著「ルール」(集英社、2002年)。小説以外でもう一冊、松本健一著「日本の失敗」(岩波現代文庫、2006年)。

ラジオ番組は、「沖縄復帰」を今聞き直す▽マイあさ!(NHKラジオ第1、5/12)。

社説は、朝日新聞の「沖縄復帰50年 いったい日本とは何なのか」、5/15付け。

ニュースは、ロシアによるウクライナへの侵略。某国は、兵器を売りたいがために、有事になるぞと脅し軍備拡張を煽る。烏は過剰に反応し、露を刺激。そうでなくても互いに積年の恨みは骨髄に徹する。火が点いてしまい戦争になった。乗せられた当事国はいい迷惑だ。わが国も同じように乗せられないようにしないと。

安全保障について深く考える一年になった。

ルプーらの五重奏曲 K452今度は愛妻家シェアハウス、100カメ古今亭志ん朝日本の失敗ルール沖縄復帰50年と日米安保六紙社説、60年前の地図ロシア軍ウクライナ侵攻ウクライナ大統領演説(以上いずれもサイト内)。100カメ|NHK、浦添城跡で城壁の石積み見つかる 復元作業で重要な資料(12/5)、沖縄復帰50年 いったい日本とは何なのか(朝5/15)、漢詩研究の第一人者で二松学舎大元学長 石川忠久さん死去(7/21)

無思想の思想

  • 2022/12/27 06:29
  • カテゴリー:読み物

思想的民族というのが、世界にはふんだんにいます。しかしながら日本人は、それに入っていない。日本人は思想がゼロではないかといわれる。が、私にはどうもそうではなく、無思想という思想が日本人の底の底にあるのではないかと思う。

この部分がNHKの番組(2016年)で引かれているのを見て、いつか読んでみようと思っていた。司馬遼太郎著「手掘り日本史」(毎日新聞社、1976年)。引用はその中の「無思想という思想」から(p165)。

日本人には「原始的なまだ神道ということばすらなかったころのある種の宗教感情」に根差した「美意識」があって、それは、後に、仏教や、儒教、マルキシズムなど様々な思想が入り込んで来ても、変わることなく受け継がれた。

太平洋戦争の頃に皇国主義に毒されてしまった。それは「取り除いたほうがいい」「あの狂躁だけはムダだった」。その主義を残している人は不思議なことに「たいていアメリカと手をにぎりたがる」。

愛蘭土紀行保守と大東亜戦争(いずれもサイト内)。NHKスペシャル「司馬遼太郎思索紀行~この国のかたち」▽香川照之、第1集「島国ニッポンの叡智」、第2集「武士700年の遺産」(NHK総合、2016/2/13,14 21時)

防衛費増と日中関係

  • 2022/12/20 06:20
  • カテゴリー:読み物

一九八七年には両国関係がとりわけ険悪な曲がり角を迎える。経済問題や光華寮訴訟、日本の防衛費増額などを背景に、中国の指導者、鄧小平が歴史問題を持ち出し、日本の訪中代表団に「日本は中国に対して最も大きな借りを負っている国だ」と語ったのである。

1972年の日中国交正常化の時点では賠償請求はなかったが、中国がそれで満足しているわけではないと鄧小平が示した。引用は、船橋洋一編著「日本の戦争責任をどう考えるか-歴史和解ワークショップからの報告」(朝日新聞社、2001年)に所収の楊大慶著「日中両国の和解-その問題点と展望」から(p194)。

1987年の防衛費増額。これは、米レーガン政権から米製兵器購入を求められ、それに応じた日本が、防衛費をGNP比1%以上に引き上げたことを意味する。

先週の金曜日(12/16)、政府は、臨時閣議で安全保障関連3文書を決定した。防衛費GDP比2%や、米製トマホーク配備を目指すことになった。中国はもちろん黙ってはいない。日中関係は今後どのようになって行くだろうか。

大地の子米製兵器を買わされる日本(いずれもサイト内)。安全保障関連3文書 政府が閣議決定 国内外の反応は(12/16)、光華寮訴訟|Wikipedia

専守防衛を放棄するのか

安全保障に関連した社説を見返してみた。この一か月弱の間(11/23-12/18)に在京六紙で合計42本。以下は行ごとに、トピックス(社説掲載日)[各紙の本数]。

  • 有識者会議が防衛力強化を提言(11/23-27)[朝2 毎1 東1 読1 産1 経1]
  • 防衛費GDP比2%を首相指示(11/30-12/2)[朝1 毎1 東1 読0 産1 経1]
  • 敵基地攻撃能力を自民公明合意(12/2-6)[朝1 毎1 東1 読0 産1 経1]
  • 増税による防衛費財源の確保(12/7-18)[朝3 毎2 東4 読0 産2 経1]
  • 安全保障関連3文書を閣議決定(12/17)[朝1 毎1 東1 読1 産1 経1]
  • その他、武器輸出3原則等(11/28-12/18)[朝1 毎1 東1 読3 産1 経0]

国の防衛に関するデリケートな事案が矢継ぎ早に繰り出された。それがサッカーW杯で日本代表チームが戦っている時期(11/23-12/7)と重なっていたのは偶然だろうか。

国民やメディアがサッカーに気を取られている間に、敵基地攻撃能力の保有を自民公明両党が合意。日本チームの戦いが終わってみると、話題は既に防衛費の財源へ移っている。敵基地攻撃云々の議論は済んだ事にして、人々の関心を増税するしないへ誘導。これは偶然ではなく誰かが書いた筋書きではないのか。よく練られたシナリオだ。

臨時国会は10日に閉幕。その終盤は、旧統一教会がらみの被害者救済法案一色だった。これもそのシナリオの一部か。何せ、憲法を改正せずに、専守防衛の理念を放棄し安保政策を大きく転換するのだ、国民の目を逸らすためには何だって動員する。サッカーも、旧統一教会問題も。もしかして安倍氏殺害もそうなのか。

メディアの世論調査は筋書きに彩を添える。どの社がいつ調査するかを把握している。この期間では12日発表のNHK。その結果、防衛費の増額に賛成51%と出た。数字が操作されたかのように、際どく過半すれすれ。よし、世論誘導は上々、強気に進められる、首相による説明は予定通り16日だ、とシナリオの残り数日を締め括った。

スタートは2021年3月。米インド太平洋軍デービッドソン司令官(当時)が、「6年以内に中国が台湾を侵攻する可能性がある」と、米上院軍事委員会の公聴会で証言した。それを受けシナリオが始動。自前で作成したのか、それとも米国から指導を受けたのか。いずれにせよ、様々な不確定要因を掻き分けて、今回の安保政策転換へ漕ぎ着けた、その手腕は際立っている。お見事。

一連の流れの中で、公明党の変節ぶりには驚かされた。まさか敵基地攻撃能力の保有に合意するとは。平和の党という看板や、親中の方針を、あっさり捨てた。弱みに付け込まれたんだな。旧統一教会の問題が、党の支持母体である宗教団体へ飛び火することを、心底、恐れている。ほとぼりが冷めるまで、息を潜めるように大人しくして、政府や自民党に背かず何にでもはいはいと言っておこう。魂を売っても、中国とのチャンネルを失っても、今はとにかく保身。術中にはまったな。お気の毒。

上の社説のリストを見ていて、あることに気が付いた。主要な3つの項目で読売だけが落ちている。同紙は、有識者云々は書いたが、その後、GDP比2%や、自公合意、防衛費財源については無し。政治面で政府や与党の動きを客観的事実として伝え、社説では敢えて意見しない。そのことによって、強烈なメッセージを放つ、政府・与党を支持しますと。晴れて安保関連3文書決定。「国力を結集し防衛体制強めよ」(読12/17)とぶち上げた。政府広報紙と見紛うばかりだな。ご立派。

集団的自衛権行使を容認した際もそうだった。その筋の官僚が、米政府のジャパン・ハンドラーと結託して物事を動かす。シナリオを構想する。平和憲法を骨抜きにする。日本政府の首脳は手先として働くに過ぎない。メディアは、リベラルにせよ保守にせよ、わあわあ騒ぐだけ。国民にはホントのことは何も知らされない。桑原桑原。

さて、12/12週の六紙社説は、安保関連のほかに、学術会議改革、広島賢人会議、月着陸船打ち上げ、知床事故報告書、地方議員の不足、かかりつけ医制度、米利上げ減速、刑務官の暴行、税制改正大綱などを話題にした。

六紙社説、米製兵器を買わされる日本いったいどこに反撃する平和は槍で得るものなのか米下院議長、台湾訪問銃乱射事件と世界平和(いずれもサイト内)。「中国は6年以内に台湾侵攻の可能性」 米軍司令官証言の現実味(2021/3/27)、岸田内閣「支持」3ポイント上がり36% 「不支持」44%(12/12)、「戦争をしないことが住民を守る一番の政治的手段」玉城沖縄知事、反撃能力巡り強調(12/15)

サッカー日本、戦い終えて

W杯カタール大会を話題にした社説をざっと見た。開幕から8強が出揃うまでに在京六紙では計10本。4紙は複数本書き、2紙はゼロだった(朝2、毎2、東0、読3、産3、経0)。

前回のロシア大会では、クリミア半島への侵略や、元スパイ暗殺未遂、性的少数者の人権などダークな面が取り沙汰された。今大会も、負けず劣らず色々あって、人権に敏感なドイツは参加をボイコットする、そんな噂も流れた。

朝日がその色々について比較的多くを語る(朝11/21)。「招致の買収疑惑」や、競技場などの「工事で多数の外国人労働者の犠牲」、「性的少数者への理解が低い」、「施設の後利用や環境への負荷など、大会後への懸念」と列挙。「公共性が厳しく問われる」と非難するものの、日本代表チームよ参加を見合わせよ、とまでは言わない。せいぜいFIFAとカタール政府に「改善に取り組み、説明責任を果た」せと求めるだけ。朝日の社説がその程度。他紙はもっと鈍感だ。

蓋を開けてみると、ドイツ含め32か国皆揃った。大会が始まってしまうと毎度のように大いに盛り上がる。メディアは、公共性云々そっち退けで、はしゃぐ。日本が初戦に勝ってからは益々過熱。

日本は、結局、今回も8強には届かなかった。が、社説には称賛こそあれ辛口コメントは見当たらない。「サッカー大国のドイツとスペインを後半の逆転で破り、世界に衝撃を与え、興奮を呼んだ」「カタール大会前半の主役」(産12/7)、「強豪を相次いで打ち破った森保ジャパンの奮闘は、日本のサッカー史に確かな足跡を残した」(読12/7)、「日本のレベルは着実に一段階上がった」(毎12/4)、「層の厚さと経験値を上げた今回の姿は新しい日本代表と呼べる進化があった」(朝12/7)と、手放しで讃える。

水を差すようで悪いけれど、思うところを、二三、書いておこう。もちろん「これってわたしの感想です」。

酷暑を避けて異例の11月開幕で「コンディション調整も難しい大会」(毎11/21)。欧州は直前までリーグ戦が行われており、各国代表は、短い準備期間でW杯に向け最良の状態に整えねばならなかった。所謂ピーキングだ。今回2つの強豪はそれに失敗した。日本に敗れたスペインとドイツだ。前者はモロッコにも勝てなかった。後者は人権云々という政治的なプレッシャーも負わされていた。

「二つの大金星を挙げた試合では、それぞれ布陣を変更して前半の猛攻に耐え、後半から攻撃力のある選手を前線に投入して少ないチャンスをものにした」(読12/7)。奇策でしか勝てない。お国自慢の桶狭間や真珠湾はもう忘れよう。真っ向勝負ができる王道サッカーをぜひ目指して欲しい。

「個々とチームが試合を通じて五分に渡り合えなければ8強やそれ以上に勝ち進むことが難しいことを示す大会でもあった」(産12/7)。分かり切ったこと。世界ランキングで20番くらいなんだから、8強はどう見ても無理がある。そもそもの目標設定は、4年おきの大会での8強ではなく、世界ランキングで常に一桁(1-9位)の方が納得感がある。

さて、12/5週の六紙社説は、W杯のほかに、原発建て替え問題、かかりつけ医制度、電力カルテル、園児虐待、地方議員の不足、NHK会長人事、防衛予算増額、辺野古判決、杉田政務官が発言撤回、ファスト映画賠償命令、献金被害の救済法成立、臨時国会閉幕などを題材に採り上げた。

1941年の太平洋戦争開戦については東京新聞が書いた。「戦争の足音が聞こえる 開戦の日に考える」(東12/8)。

六紙社説、優勝ならず、アジア杯「五輪 中止の決断を」(いずれもサイト内)。ひろゆき氏の「それってあなたの感想ですよね」小学生の流行語1位(12/1)、ジェンダーギャップ指数2022|内閣府男女共同参画局、ワールドカップ “差別反対”でドイツ連盟が改めて抗議の意思(11/24)

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