正月恒例、将来を展望する社説。元日はもちろんその後数日に渡って様々なテーマで意見が披露される。在京六紙からピックアップしてみると28本あった(1/1-9)。1紙あたり平均4.7本。
どのようなテーマが語られているだろうか、ざっと仕分けした。[ ]内は本数、順不同。経済の再生[4]、民主主義の復権[2]、資本主義の見直し[4]、岸田政権の課題[4]、エネルギー環境[3]、人権尊重[2]、安全保障[3]、社会保障[1]、人材[2]、憲法[2]、そして、総花的な社説「災厄越え次の一歩踏み出そう」(読1/1)を加えて計28本。
これだけテーマが分散しているのであれば、「教育」もありそうなものだけれどタイトルからそれと判るものは一本もない。記事の中身を読めば多少は出ているだろう。例えば、読売のその総花的社説にも登場する。新しい社会づくりのために「人作りの教育」へ投資することが提唱されている。
「人材」なら2本あった。まず、「輝く人材を育てる企業と社会に」(経1/6)。育成ばかりでない、「労働市場の流動化を促すべき」とも説く。もう一本は、「官僚たちの劣化を問う 年のはじめに考える」(東1/4)。官僚人材の深刻な話。特に東読の2紙が注視しているようで、昨年、社説が2本ずつあった。
「劣化」した、骨抜きにされてしまった、それは、何も官僚機構だけではない。司法もあやしいし、大手紙含むメディアだってそうだ。新しい首相になってもまだ忖度し続けるのだろうか。民主主義の復権や人権尊重を唱えるのなら、メディアの奮起を展望する社説があっても良さそうなものだ。が、自浄作用を期待するのは無い物ねだりというものか。
1/3週の六紙社説、複数紙が採り上げたトピックスには、北朝鮮弾道ミサイル発射や、米露英仏中が核戦争回避の共同声明、コロナ第6波と「蔓延防止」、日米2+2(日米安全保障協議委員会)などがあった。
# 国家公務員離れ 人材獲得へ総合的検証が要る(読21/5/10)、霞が関離れ 組織の体質正す好機に(東21/5/13)、国家公務員離れ 総合的見地で働き方改革せよ(読21/8/11)、官僚たちの「熱」よ再び 衆院選の公示を前に(東21/10/18)。