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キーワード「戦争」の検索結果は以下のとおりです。

終戦の日、22年

先の大戦で、日本は無謀な戦いに挑み破局に至った。無条件降伏して77年経つ今年、在京六紙の社説(8/15-17)はどう書いているだろうか、ざっと見てみた。

最も目を引いたタイトルは「岸田首相式辞 加害と反省なぜ語らぬ」(東8/16)。「日本が広島・長崎への原爆投下や各地の空襲、沖縄戦を忘れないように、日本に侵略された国も被害を忘れない。歴史をなかったことにはできない」。敗戦後の日本は「戦火を交えることなく、経済発展を遂げ、民主主義も定着させた」、それを「誇れるのも戦前への反省があってこそ」「政治には節目に当たり歴史と謙虚に向き合い、語っていく責任がある」。

「生命と自由を踏みにじる侵略戦争は最大の人権侵害だ」「権力の暴走に歯止めをかけるのは、政治の役割である」(毎8/15)。以上、左派系2紙は、政治が、と言う。

「時の政権と世論が一方向に偏り、暴走してしまう恐れは免れない。肝要なのは、戦争が招く結果を見失わぬよう自由で多様な論議を保障する民主主義の健全さ」だ(朝8/15)。「民意の支持を得た軍部は政治テロを起こして政党政治を萎縮させ、軍部主導で戦争への道を突き進んだ」、それを「防げなかった政治と民主主義の未熟さが大きな教訓」(経8/15)。この2紙も、政治が、と言っている。さらに民主主義を強調し、それを正しく守り通せなかったメディアの反省をニオわせている。

読売(8/15)は、現在の話としてこう述べる。同紙世論調査で「防衛費増額に賛成する人が約5割に達した。国民が危機感を強めていることの表れといえる」と。これは一種の煽りだろう。百年経っても、懲りずにまたそんなことをやるのか。

残る一紙、産経。同紙には驚かされることが多い。「当時の日本を侵略国と決めつけ、断罪していいものか」「人種平等や欧米植民地支配打破をめぐって、日本を評価する見方があることも知っておきたい」(産8/15)。なんと、あの侵略戦争を正当化する意見が新聞の社説欄に載る、そんなことが現代の日本で起こるんだな。ほんとにびっくりした。

この2紙の社説(読産8/15)に政治の文字は登場しない。

さて、8/15週の六紙社説は、そのほかに、韓国大統領演説や、GDPの回復、外国人技能実習制度、タリバン復権1年、杉田政務官問題などを採り上げた。もちろん旧統一教会の件も引き続き出ている。

中国がらみの話題が並ぶ。ウイグル報告書(東8/17)、中国の科学力(産8/17)、スリランカの港(読8/18)、台湾白書(産8/19)、自律致死兵器(朝8/20)、そして、近海の海底資源(読8/20)。

六紙社説、北支事変(サイト内)

ルール

  • 2022/08/17 06:06
  • カテゴリー:読み物

むしろ、統一されすぎた言語は人を容易に欺く。対象の姿を自在に欺瞞してしまうそれは諸刃の剣だ。退却を転進にし、集団自殺を玉砕にし、敗北を勝利にする。そんな偽りの言葉を必要としてしまう人間の集団など、所詮老いを化粧で誤魔化しているだけだ。

古処誠二著「ルール」(集英社、2002年)から(p284)。終戦の日に読んだ。敗戦ではなく終戦の日に。

戦争小説だとは知らなかった。と言うか忘れていた。読みたい本リストの下の方にタイトルと著者名だけがあった。図書館から借りて来て開く前にはスポーツものだろうかと思ったりもしたものだが読んで驚いた。帯に「慟哭」の文字がある。実際、そうしてしまいそうな場面がいくつかあった。

タイトルになった「ルール」という文字は一度だけ登場する(p206)。それは、尊厳や、人間的な反応、羞恥、と形を変えて繰り返し語られる。

鳴神中尉、姫山軍曹、八木沢一等兵、そしてオースティン・スミス大尉、しばらく彼らのことを考えて過ごすことになりそうだ。

文庫100冊(サイト内)

米下院議長、台湾訪問

アジア歴訪中のペロシ米下院議長が、電撃的に台湾を訪問し、蔡英文総統と会談した。在京六紙が一斉に社説で採り上げた。いずれも8月4日付け。

偶発的な衝突から戦争に発展したらどうするんだ、人騒がせなおば(あ)さんだ。さぞ社説も激しく非難しているだろうと思いきや、そんなもの一つもない。松野官房長官がこの訪台に対し「日本政府としてコメントする立場にない」と述べた(産)、その安保音痴ぶりに六紙も倣っているのか、それともどっかから圧力があったのか。

各紙社説の主旨は、報復で軍事演習をすべきでないと中国側に注文する(毎経読)か、せいぜい米中双方に自制を促す(朝東)程度だ。もう一紙は、あろうことか、今回の下院議長訪台を称賛している。これには驚いた。

もし今回訪問していなければ「米国は圧力に弱い国として中国に付け入られる隙を与えかねず、自由主義の盟主としての国際社会の信頼も失うことになった」。「中国に対する毅然とした姿勢が揺らぐようなことがあってはならない」。「日本を含む民主主義国は米国と歩調を合わせるべきである」(産)

弱いとか強いとか、あっちの主義こっちの主義と、そう対立を煽るなよ。随分と好戦的な雰囲気をリードしたいんだな。とばっちり受けたらどするんだ。言わんこっちゃない、5発ものミサイルを日本のEEZにぶち込まれたじゃないか。

ところで、下院議長、何しにやって来たんだ。台湾や日本を危険にさらしてまで来なければならない余程の理由があったんだろうけれど、納得のいく説明は見当たらない。まさか、冥途の土産にアジア遊山じゃないだろうな。

さて、8/1週の六紙社説は、そのほかに、概算要求基準、NPTで首相演説、KDDI大規模障害の教訓、最低賃金アップ、臨時国会、関電起訴相当、外国人技能実習制度、原爆忌、日野自動車不正、中国の軍事演習などを話題にした。

旧統一教会に関する社説が何本かあり、産経もあった。7/9以降、左派系3紙以外では初。

六紙社説(サイト内)。シンガポール、マレーシア、台湾、韓国、日本。社説「米下院議長の訪台 これ以上波風を立てるな」(琉球新報、8/4)、政界地獄耳「訪台は米外交の真骨頂 中国のけん制を米国は無視」(日刊スポーツ、8/4)、The New York Times「82歳のペロシ下院議長が台湾訪問「強行」した訳」(東洋経済、8/3)

戦地の図書館

  • 2022/08/04 06:32
  • カテゴリー:読み物

兵士を待っていたのは、苦しく、心身を疲弊させる、退屈で、恐ろしい日々だった。長い間、ただ親指をいじりながら待機することもあった。戦場では、戦闘に従事している時間よりも、待機している時間の方がはるかに長かった。もしかしたら、待つということが何よりも心身の負担になっていたのかもしれない。

モリー・グプティル・マニング著「戦地の図書館-海を越えた一億四千万冊」(東京創元社、2016年)から(p70-71)。

アメリカ政府は、副題にあるように膨大な数の本を戦地へ送った。それは、娯楽や憂さ晴らしのためだけではなかった。兵士が戦争を戦い抜く勇気や不屈の精神を鼓舞した。二次大戦後、復員兵は大学で学び、高い教養を持つ中産階級を新たに形成していく一員となる。本の力もさることながら、糧食すらろくに手配できなかった敗戦国と比べる時、国力の差を思い知らされる。

知りすぎたマルコ

  • 2022/08/02 06:26
  • カテゴリー:読み物

ラクダに乗っているつもりが、ラクダに乗せられていることもある

アサドの喩え話にはラクダがよく登場する。引用は、ユッシ・エーズラ・オールスン著「特捜部Q-知りすぎたマルコ」吉田薫訳(早川書房、2014年)から(p325)。全561ページ2段組。日数かけて丁寧に読んだ。

アフリカから刺客が送り込まれる。そのビジネスは「平和を望まない人間たち、すなわち平和になると収入が脅かされる人間たち」(p341)がいる限り成立する。戦争や紛争が絶えないのも同じ理由だ。

シリーズ第5作。カールとアサドは、毎回、死にそうな目に遭うが今回それはなかった。

特捜部Q(サイト内)。バタフライ効果(p419)、ノキア(p524)

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