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戦地の図書館

  • 2022/08/04 06:32
  • カテゴリー:読み物

兵士を待っていたのは、苦しく、心身を疲弊させる、退屈で、恐ろしい日々だった。長い間、ただ親指をいじりながら待機することもあった。戦場では、戦闘に従事している時間よりも、待機している時間の方がはるかに長かった。もしかしたら、待つということが何よりも心身の負担になっていたのかもしれない。

モリー・グプティル・マニング著「戦地の図書館-海を越えた一億四千万冊」(東京創元社、2016年)から(p70-71)。

アメリカ政府は、副題にあるように膨大な数の本を戦地へ送った。それは、娯楽や憂さ晴らしのためだけではなかった。兵士が戦争を戦い抜く勇気や不屈の精神を鼓舞した。二次大戦後、復員兵は大学で学び、高い教養を持つ中産階級を新たに形成していく一員となる。本の力もさることながら、糧食すらろくに手配できなかった敗戦国と比べる時、国力の差を思い知らされる。

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