わが母なるロージー
- 2022/02/19 06:27
- カテゴリー:読み物
人間ってのは誰かのことを知っているつもりでも、じつはまったく知らないんだ。
このシリーズではこれがテーマの一つなのだろうか。似たような表現が一度ならず出て来る。ピエール・ルメートル著「わが母なるロージー」橘明美訳(文春文庫、2019年)から(p164)。カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズの中編である本書は、時期的には第二作と第三作の間にあるようだ(第2.5作)。
そう言えば円紫さんが何か言っていた。正確に覚えていない。HDD内を検索してメモを見付け出した。「内に何かを秘めない人はいません。何をどれぐらい表にし裏にするかは人によって違います。どんなにしてもいえないことというのは誰にでもあるのです。ある意味では、その割合こそが、動かしようのないその人らしさを作るのでしょう」。北村薫著「夜の蝉」(1991年)に所収の「六月の花」から。
# ピエール・ルメートル、北村薫(いずれもサイト内)