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デジタル監交代

デジタル庁の事務方トップ石倉洋子デジタル監が退任。これまでに、六紙の内、産毎の2紙が社説で採り上げた。同庁は昨年9月に発足したばかりなので、8か月足らずで辞めたことになる。なぜそんなことになってしまったのか。

「当初の役割を果たした」(毎5/19)、「次の世代に引き継ぎたい」(産5/8)と、辞めた本人の意向が伝えられた。この新たな庁は、事務方のトップが、そんな短期で、何かを果たせてしまえるような組織なのだろうか。おそらく表向きの説明なのだろう。

同庁は、官民の寄り合い所帯のため、「意思決定の仕組みが確立されておらず、責任の所在は曖昧」(産)、「組織の立ち上げに苦労」(毎)。「理想に反した業務に失望し、退職する若手職員も出ている」(産)、「喫緊の課題は、技術の進化に対応できていない官僚の意識改革」(毎)。これでは事務方トップの心労は絶えないだろう。健康な人でも病んでしまう。記事には「体調を崩すなどの事情も」と付け加えられている(産)。こちらが本当の理由ではないか。

身近で起きた騒動を思い出した。鳴り物入りで組織が刷新され新たなボスが就任した。ところが、一年もしない内にそのボスは辞めてしまう。前後して部下数人も別の部署へ移ったり転職したりした。上位組織や周りが旧態依然としていたのだ。組織は、人員補充されたものの元のレベルに戻るのにさえ数年を要し、新たなチャレンジを始めた頃に解体されてしまった。デジタル庁もそんなようにならなければ良いが。

六紙社説、デジタル庁経営者の条件(いずれもサイト内)。デジタル監交代 推進力の低下を避けよ(産5/8)、足踏みするデジタル庁 司令塔強化は政治主導で(毎5/19)

日米首脳会談、22年5月

これだけ安全保障という言葉が日米首脳会談で出たのはあまり記憶にない

前嶋和弘氏がラジオの番組でそんな風に言っていた。その日米首脳会談の翌日(5/24)六紙社説は一斉にこれを採り上げた。朝日と東京が2本ずつ書いたので計8本。その中から少し意見を拾ってみよう。

産経(5/24)。岸田首相や閣僚らは「台湾有事は日本有事」の「認識を共有し、発信していくべき」。「国民を守るため日本には核共有や独自核も含めタブーなき議論が求められる」「安全保障の基盤の核抑止は一日たりともおろそかにできない」、米軍の「核の傘の点検、強化をまず急ぎたい」

毎日(5/24)。「アジアの安定を維持するには、何よりも日本が国益を守るための独自外交を戦略的に展開する必要がある」。「経済協力や技術革新、資源外交を通じて日本の国益を確保し、世界に貢献する」「総合安全保障」を「復活させてはどうか」。「専守防衛や非核三原則などの基本方針との整合性をないがしろにしてはならない」「防衛力は、侵略を抑止し、敵を撃退する最後の手段だ。武力衝突を未然に防ぐことにこそ、心血を注がなければならない」

このように、ウクライナ危機に乗じた勇ましい主張もあれば、ちょっと冷静になろうよと好戦的雰囲気を諫める声もある。ただ、左派系の3紙(朝毎東)とて、「日米同盟が基軸で、防衛力の着実な整備が必要」(朝5/24a)などのように、日本における防衛力の整備や強化に反対はしていない。武器を手当てすることは基本OKということだ。防衛費が多いだの少ないだのと各紙色々意見があるだろうけれど。

防衛費に関連して、こういう指摘がある。「日本の防衛力増強を歓迎する大統領の姿勢からは、自国の重い軍事的負担を、日本をはじめとする同盟国や友好国に分担してほしいとの本音が透ける」(東5/24b)。

米国は、負担を軽くし日本に分担させる。つまり日本に武器を買わせる、売り付ける。自国の軍需産業が潤う。これこそ、真の「本音」ではないのか。「支持率低迷に苦しむバイデン政権」(経5/24)としては、秋の米議会中間選挙を前に、できるだけ点数を稼いでおきたい。この時期に慌ただしくアジアにやって来た気持ちが判らなくもない。

始動が表明されたインド太平洋経済枠組み(IPEF)にも触れておこう。これは、環太平洋経済連携協定(TPP)とは違って、「関税の撤廃や引き下げについては盛り込んでいない。米国内で、雇用への悪影響を懸念する声が強いためだ」(読5/24)。TPPには参加せずに、関税を考慮しないIPEFを提案。やはり米国は自国の利益を最優先に考えている。

米国にとって好都合なことばかり。そうなるように仕組まれているように見える。桶屋は儲けることを考えて、あらかじめ風を吹かせたのではないか、黒海の辺りで。

さて、5/23週の六紙社説では、そのほかに、日米豪印クアッド首脳会談、豪州新政権、国民審査巡る違憲判決、北ICBM発射、首都直下地震の想定、阿武町46百万円誤入金、訪日客の受け入れ再開、ロシアによるウクライナの港湾封鎖、補正予算案、北制裁に中露拒否権、米国の小学校乱射事件などが題材になった。

六紙社説(サイト内)。政界地獄耳「バイデン大統領、なぜ羽田でなく横田基地に来るのか」(日刊スポーツ、5/24)、「日米首脳会談・重要ポイントは?」前嶋和弘▽マイあさ!(NHKラジオ第1、5/24 7時台)

沖縄復帰50年と日米安保

沖縄県は国土面積のわずか0.6%を占めるに過ぎない。その島々に在日米軍基地の約7割が集中している。復帰の日の新聞は、この件について何と言っているだろうか。六紙社説の意見を見てみよう。7割集中をどう認識し、どうせよと述べているか。また辺野古での新基地建設についてどう主張しているか。

毎日(5/15)。「7割が集中し続ける状態は、異常だ」。「沖縄だけが過重な基地負担を引き受ける不条理をこれ以上、放置してはならない。日米安保体制の安定性、持続性を考えても、適切な政策判断とは言えない」「グアムなど海外へのローテーション配備をさらに進めたり、本土への移転を検討したりすべき」。国は「民意を無視し」「辺野古沖で工事を強行している」。

朝日(5/15)。「7割が集まる異様な姿」。米軍が「大規模な基地に依存」から「分散配置」へ戦略の転換を進めている今、県の有識者会議は「米軍を県外に移転させることは可能とする報告書をまとめた」、それを果たす「責任は本土の側にある」。国は「脱法的な手法も駆使して異議申し立てを抑え込む。辺野古の海の埋め立てを」進めている。

東京の社説は、二日にわたって復帰50年を採り上げた。県民が望む「基地のない平和の島はかなわず」、今も「約70%が残ります」。「多くの米軍基地が残り」「沖縄は本当に復帰したと言えるのか」(5/15)。「辺野古での米軍新基地建設」は「当事者である沖縄抜きで決められてきました」(5/16)。

日経(5/15)。「7割が沖縄に偏在」。「安全保障上、米軍基地の存在はある程度理解してほしい。これが私たちの思いだ」「沖縄では自衛隊も増強されている。本土はもっと基地負担を引き受けたい」。「辺野古移設は進めざるを得ない」。

読売(5/15)。「約7割がなお沖縄にある」。「アジアの安全保障環境が厳しさを増すなか、基地の重要性が改めて認識されている」、「この地域に米軍が存在していることは、日本の安全保障体制の土台である。日米同盟の抑止力を強化し、有事への備えを万全にしておく」。「辺野古への移設を巡り、国と県が不毛な対立」「早期に打開すべき」。

産経は、7割云々への言及はない(5/15)。「自衛隊と米軍は平和を守る抑止力だ。基地負担軽減は、沖縄を含む日本の安全保障確保の努力と両立させなければならない」(沖縄の基地はそのままに本土に米軍の基地を増やし、沖縄の負担を相対的に下げよ、という意味だろうか)。県は、辺野古への「移設を容認すべき」。

こうやってピックアップしてみて気付いた。各紙、米軍基地が日本にあることに、つまり日米安保体制に、疑問を呈しているわけではない。朝日と東京の2紙は、今回は明言していないけれど、日米安保を否定していないことを別の日の社説で確認した。偏重は「7割」どころか100%だ。

在日米軍には、平時駐留を終え、お引き取りいただく。日本は独立国として国の防衛については自分たちで考える。その上で自衛隊(国防軍)を持ち続けるとなれば、沖縄含め各地への配備はどの程度が適切かを検討する。1紙ぐらい、そう唱えてもバチは当たらないと思うけれど、六紙の社説には見当たらない。なぜだろう。所謂、忖度だろうか。それとも、もっと露骨に、政府や同盟国から圧力がかかっているのだろうか。

と考えると、朝日の社説(5/15)にある謎の言葉「いったい、日本とは何なのか」は、沖縄ばかりか日本の国全体が未だ米国の統治下にあって真の独立を果たせていない、それが実態ではないか、と問うているように読める。事情があってストレートには書けない、察してくれよ、と社説は言っているのかもしれない。

さて、5/16週の六紙社説では、そのほかに、北欧2国NATO加盟申請や、企業収益好調、コロナ検証会議、北朝鮮コロナ感染急拡大、熱海土石流の報告書、GDPマイナス、福島原発の処理水放出了承、米韓首脳会談などが題材になった。

六紙社説、なぜ日本に米軍基地が尖閣戦争(いずれもサイト内)。沖縄復帰50年 いったい日本とは何なのか(朝5/15)

経済安保推進法成立

経済安全保障推進法が11日の参院本会議で可決、成立した。今国会の最重要法案とされる同法は、供給網の強化や、基幹インフラの安全確保、先端技術での官民協力推進、特許の非公開が4本柱。中露との取引を念頭に、物資の安定供給を図り、企業活動を監視し、技術流出を防ぐ。

六紙社説の意見を見てみよう。東京のみ先月の衆院通過後に先んじて出ていた。

まず、前向きなタイトルの3紙。「効果的運用で備え強化を」(産5/12)、「官民の連携で産業と技術守れ」(読5/12)、「企業の活力そがずに経済安保の強化を」(経5/12)。

今後の運用について少なからず注文が出ている。「肝心なのは、来春から施行される同法の運用である。詳細な規制対象などは今後」(産5/12)。「国家の民間活動への介入は慎重に対象を絞るべき」「市場経済をゆがめない透明で賢明な運用を求めたい」(経5/12)。「審査の基準や考え方があいまいで」は困る、「ルールを明確に定めて丁寧に周知することが不可欠」(読5/12)。

一方、左派系の3紙は、タイトルで今後の運用への憂慮を表現した。「乱用防止へ国会が監視を」(毎5/14)、「懸念残した国会審議」(朝5/13)、「恣意的な運用避けねば」(東4/8)。

ただし、内容を見ると、今回の法整備について肯定的だったことが判る。「国際環境や技術の変化を踏まえた政策対応の必要性は認め」(朝5/13)、「資源を輸入に頼る日本の経済基盤や技術を守る措置は必要」(毎5/14)、「経済安保という概念の背景に、米中対立の激化があることは否定できない。ハイテク分野での中国の著しい台頭を考慮すれば一定の警戒はやむを得ない」(東4/8)。

というわけで、六紙とも大雑把には主張は同じ。この立法は基本的にOK、今後の運用が注視されるべき、と。国会でも立憲民主など多くの野党も賛成に回ったとか。共産党は反対した。経済や科学を「軍事と一体化させて統制を強める」法律であると(赤旗5/13)。

さて、5/9週の六紙社説では、そのほかに、ロシア産石油禁輸や、ロシア戦勝式典プーチン氏演説、韓国新政権発足、マルコス次期大統領、香港行政長官選、侮辱罪の厳罰化、部活動指導者の暴力、知床観光船事故その後などが話題になった。

今朝(5/15)の六紙社説は、一斉に、沖縄本土復帰50年を採り上げた。

六紙社説(サイト内)

憲法記念日、22年

六紙社説は揃って憲法施行75年を採り上げ、憲法第9条について触れている。ウクライナがロシアに攻め込まれ、国家の主権が容易く侵害されてしまう現実を目の当たりにした。わが国は大丈夫だろうか。憲法の定めで、果たして、平和と安全を守り通すことができるだろうか。各紙の主張を見てみよう。

「前文や9条の改正は、憲法改正問題の一丁目一番地であるべきだ。戦力の不保持を定めた9条2項を削除し、軍の保持を認める本格改正が求められる」(産5/3)

「憲法改正の最大の焦点は、国の安全保障を担う自衛隊をどう位置づけるかだ」「自民党は2018年、9条を維持したまま、自衛隊の根拠規定を追加することを提案した」「各党はこれをたたき台にしてはどうか」(読5/3)

「憲法9条が定める戦争の放棄、戦力および交戦権の否認の考え方と、日本の安全を守るための防衛力強化の整合性が問われている。国会での冷静かつ丁寧な議論を通じ、国民のより幅広い理解を得ながら結論を導いていくべきだ」(経5/3)

産経と読売の2紙は改正派。日経は、議論を求める。意見が割れる場合に同紙はそう書くことが多いように思う。続いては、護憲の3紙。いずれも防衛の備えを持つことには反対はしていない。どんな表現をしているだろうか。

「東アジア情勢を踏まえ、憲法の枠内で防衛力を見直すことは必要」(毎5/3)、「他国に脅威を与えない範囲内で防衛力を整備する」「日米安全保障体制の信頼性を高める」「憲法にのっとった、こんな抑制的な対応」(東5/4)、「自衛のための必要最小限度の防衛力」その「着実な整備が必要」(朝5/3)

この3紙は、第9条とは書かずに第9条を語っている。主権国家が自衛権を有することは自明であり憲法に書くまでもない、かつ、自衛のための必要最小限度の防衛力は戦力ではなく、第9条2項の戦力不保持との整合性はとれている、との解釈に依っているのだろう。

また3紙は、専守防衛が日本の基本方針であると改めて説く。他国へ攻め込まないということだ。侵略する側にならない、それは、侵略される事態を防ぐ、と併せて議論される必要があるだろう。20世紀前半に日本が何をしたか、世界は忘れてはいない。

さて、5/2週の六紙社説では、そのほかに、ウクライナ情勢や、北ミサイル発射、デジタル規制改革、こどもの日、米大幅利上げ、首相欧州歴訪などが題材になった。

六紙社説、コロナ下の憲法記念日(いずれもサイト内)。「ウクライナ情勢と日本の安全保障」田中秀征▽聞きたい(マイあさ!、NHKラジオ第1、5/5 7時台)、憲法9条解釈のポイント(政府解釈を前提として)|衆議院

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