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キーワード「ユーミン」の検索結果は以下のとおりです。

青春のリグレット

  • 2024/06/12 06:04
  • カテゴリー:音楽

友人とのやり取りの中でユーミンのことが話題になった。「最近頭に浮かんで来るユーミンは青春のリグレット」とある。あらためてこの曲を聴き直してみた。

彼は彼女と一緒になることを本気で夢見たのに、彼女はそれを「はぐらかした」。彼との恋愛の延長線上にある結婚を選ばず、彼女は、別の人と「普通に結婚」する。

それを女の視線から歌っている。「今でもあなただけが青春のリグレット」、別の人を選んだのに、「精一杯愛した」あなたのことが今でも心にある。大いに後悔する。

「普通に結婚」、これはなかなか微妙な表現だ。手放しで惚れた腫れたではなく、かつてよく言った三高とかで結婚相手を選ぶことを意味するのかも。現実的な大人の選択だ。以前ここにも書いたように、ユーミンの唄には時々登場する。「幸せはあなたへの復讐」や「よそゆき顔で」、たぶん「Wanderers」や「心ほどいて」もそうだろう。

現実的な選択で別の人と結婚するものの、心にはあなたがある。「私を許さないで憎んでも覚えてて」、あなたから離れて行った私のことを、許さず憎んでもいい、けれど、忘れず覚えていて。それって、いったい、どういうことだろう。その気持ちは計り知れない。

ユーミン(サイト内)

石見相聞歌

恋人が住む場所であれば、どんなところであっても素晴らしい。他人が何と言おうと最高だ

PCでNHKらじる★らじるにアクセスすると、万葉集の歌を解説していた。それは、柿本人麻呂が詠んだ「石見相聞歌」だった。一首目の長歌、巻2-131。

石見には、良い浦(入り江)はない、良い潟(浅瀬)もない、と他人は見るかもしれないけれど、そんなことはいいんだ、と人麻呂は詠む。風景描写に妹(恋人)を掛けている。現地に置いて来た妹のことを他人は良くは言わないかもしれないが、自分にとっては愛しくてしようがない女だと。

上で引用した解説を聞いて、ユーミンの「夕闇にひとり」に少し通じるものがあるように感じた。その歌は「あの人の噂が聞ける街なら私は流れて行くわ」と始まる。

験なき物を思はずは(サイト内)。こころをよむ「万葉びと、その生と死と」(4)「愛と別れと」、【出演】國學院大學文学部教授・上野誠(NHKラジオ第2、5/4 17:45)

WANDERERS

  • 2024/04/24 06:08
  • カテゴリー:音楽

きみのために替えたタイヤと心は試せなくなった

ユーミンのアルバム「LOVE WARS」(1989年)に収録の「WANDERERS」から。男は心を入れ替えて女と一緒に暮らすことを考えていた。

男はオートバイを乗り回すカッコいいやつなんだろう。女はそんな男に惚れてしまう。彼のバイクの後ろに乗って二人で街を飛ばす。

が、そんなことやっている時期はずっとは続かない。女の気持ちが離れて行く。ほかの曲でユーミンは唄う。例えば「よそゆき顔で」の「かたい仕事」を持った人。例えば「幸せはあなたへの復讐」の「仕事が出来るおとなの彼」。女は現実的な選択をするものだと。

それとも男に失望したのだろうか。バイクを乗り回して気ままな生き方をしている、そこにこそ彼の魅力を感じているのに、男は変心して「少し未来の幸せ」を考え始める。そんな所帯染みた気持ちは要らない。この男はさよならね。

いずれにせよ、すれ違いが語られる。曲は、ドッドドッドと大きな排気量のエンジン音を思わせるドラムで疾走感を漂わせ、男と女、二人のさまよう気持ちを綴っている。

ダイソーの500円イヤホン(サイト内)。Jake H. Concepcion(1936-2017)

ダイソーの500円イヤホン

  • 2024/04/22 06:02
  • カテゴリー:音楽

木工教室への道中、イヤホン(RP-HJE150)が断線した。帰りにダイソーに立ち寄って間に合わせで一つ購入。ハイレゾ対応と銘打った500円イヤホン(#6088)を選んだ。スマホも音源もハイレゾ対応ではないものの、もしかしたら、そこそこいい音を鳴らすのではと期待して。ダイナミック型10mmドライバ、20~40,000Hz。

さっそく帰り道で聴いてみた。まず驚いたのは低音が異様に鳴ること。オルガン曲が合うに違いないと、バッハのパッサカリアとフーガ(BWV582)に切り替えた。なんだこれは、ペダルの下のCの音が鳴る鳴る。こりゃスゴい。次に、ヴィヴァルディの協奏曲。Benkocsのファゴットで。解像度や音場の広がり、特に支障は感じられない。

ただ、刺さるような高音が気になる。ポップスを聴くと、案の定、よろしくない。低音も強いので、いわゆるドンシャリだ。これはイコライザーで中音寄りに設定すると、だいぶ改善される。試しに聴いたのは、山下達郎「風の回廊」や、ユーミン「Wanderers」、A・ハモンド「カルフォルニアの青い空」、麻生よう子「逃避行」など。悪くない。

マイクが付いているので、今度、電話で話す時も使ってみようと思う。

イヤホンが断線(サイト内)。十二平均律の周波数一覧表

ユーミンの罪

  • 2024/04/16 05:55
  • カテゴリー:読み物

刹那を切り取り、積み重ねていくことで、永遠を目指す。そんな意識が込められているような気がする、ユーミンのごく初期の歌。

刹那の輝きと、永遠の魔力。両者を手に入れとようとするユーミンの姿勢は、後々もずっと生き続けている気がしてならないと著者は言う。酒井順子著「ユーミンの罪」(講談社現代新書、2013年)から(p17)。

「読んだらすぐに理解できるタイプの散文ばかり書いている」著者が、デビューアルバムまで遡って、「わけのわからないところからじんわりイメージが滲み出てくる」歌詞を読み解く。雑誌連載時のタイトルは「文学としてのユーミン」。

引用部分の「ごく初期の歌」とは、デビューアルバム「ひこうき雲」(1973年)に収録された「空と海の輝きに向けて」。歌詞に散りばめられた「月」「門出」「海原」は、威勢のいい「熟田津に船乗りせむと月待てば~」(万葉集、巻1-8)を彷彿とさせる。けれど、続く「ただひとり帆を上げる」「命の舵を取ろう」からは、長く険しい人生行路への覚悟が読み取れる。「雲帆を挂けて滄海を済らん」と詠む、李白の「行路難」のようだ。

ユーミン(サイト内)。ウィリアム・ブレイク「無垢の予兆」

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