験なき物を思はずは
- 2024/04/02 05:55
- カテゴリー:読み物
験なき物を思はずは一坏の濁れる酒を飲むべくあるらし
万葉集の巻3、第338番。「考えても仕方ない物思いをしないで、一杯の濁り洒を飲むのがよいらしい」。作者の大伴旅人は、妻を想う、死んでしまって二度と逢えない妻を。
今の心情にぴったり来る歌はないものかと、万葉集だったりユーミンの古い曲だったり色々と眺めている。昨夜は旅人が詠んだこの歌を胸に酒を飲んだのだった。
考えても仕方ない物思いか、そうなんだよな。そんなことに想いを巡らせているくらいなら酒を飲んで酔っぱらってしまう方が良い。ほんとそう思う。そう思って酒を飲むのだけれど益々物思いに沈むことになったりする。
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