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キーワード「坂の上の雲」の検索結果は以下のとおりです。

日露戦争の世界史

  • 2021/07/14 06:31
  • カテゴリー:読み物

日露戦後の日本の優先課題は、先ずこのような報復と圧力を回避することであった。日本としては韓国の《保護》を《併合》にするためにもこれは必ず解決しなければならない緊急の課題だった。このことは、列強は常に満州と韓半島を同じ枠のなかで考えていたということでもある。

露による「報復」であり、満州の門戸開放を要求する英米による「圧力」だった。それこそ既成事実あるいは時間の問題とされた韓国併合までに、日露戦争(1904-05年)後、5年もの年月を要した理由はこれだった。引用は、崔文衡著「日露戦争の世界史」朴菖煕訳(藤原書店、2004年)から(p261)。原著韓国版タイトルの直訳は「国際関係史から見た日露戦争と日本の韓国併合」。

米国の「フィリピン占領政策と中国門戸開放政策とは表裏一体」であった(p48)。1898年から翌年にかけてこれら政策が成立する。この辺りが「アメリカ世界戦略の出発点」と見れば良いだろうか。同時期にハワイ併合も済ませている。

訳者が、あとがきで、「日露戦争の目的の核心といえる日本の朝鮮併合」はまともに研究されておらず、司馬遼太郎「坂の上の雲」でさえ、「韓国(朝鮮)問題は出ていない」と指摘している(p408)。まともに研究されているかどうかは判らないけれど、少なくとも「坂の上の雲」には出ていたように思う。

坂の上の雲 (3)(サイト内)

第91期棋聖戦第3局

作戦が当たったところはあるんで、勝ち方の部類としてはあんまり、それはいいものではない

渡辺棋聖は謙遜してそう言っているのだろうか。敵の出方を予測して立てた策が奏功した。これほど立派な戦勝はないように思う。平素の鍛錬によって戦う前に勝っていたわけだ。引用は、王者渡辺明棋聖(36)完璧な指し回しで藤井聡太七段(17)を降しカド番をしのいで1勝目 棋聖戦第3局(7/9)から。

坂の上の雲第6部(サイト内)

坂の上の雲第6部

  • 2020/07/03 06:07
  • カテゴリー:読み物

神明はただ平素の鍛錬に力(つと)め戦わずしてすでに勝てる者に勝利の栄冠を授くると同時に、一勝に満足して治平に安んずる者よりただちにこれをうばふ。古人曰く、勝つて兜の緒を締めよ、と

秋山真之が書いた連合艦隊解散ノ辞はそう終わる。司馬遼太郎全集第26巻(文藝春秋、73年)「坂の上の雲」第六部から。明治期に入って甚だしく混乱した文章日本語が「いくらかの型に整理されてゆくについては規範となるべき天才的な文章を必要とした」。漱石や子規の独創的な仕事がそうであり、真之の文章もまたその役目を果たした(p496)。

「坂の上の雲」全6部を読み終えて考えた、これは果たして歴史小説なのだろうかと。「百パーセントに近い」事実をベースとしている。新たな物語が紡ぎ出されているわけじゃない。歴史小説とは、ちょっと違うように感じる。著者の意図は、歴史上の事実や定説を紹介しそれらを評価することにあるようだ。それならば、いっそ、評伝、正岡子規や秋山兄弟の評伝、と捉える方が余程しっくり来る。

坂の上の雲(サイト内検索)。日本の新聞はむしろ流行を代表する(p284)、天気晴朗ナレド浪高シは天気予報から流用(p368)、準備に5年ほど執筆に4年三カ月(p510)

戦争まで

  • 2020/06/28 06:34
  • カテゴリー:読み物

自らの利益の最大化を図りつつも、他のものもその道に仮託することで利益が得られるように配慮すること、そのような行為を、普遍的な理念の具体化、という

日本は、先の大戦で、この普遍的理念を掲げることができなかった。理念を掲げる、ビジョンを描く、その手の行為は、我々日本人にとって鬼門なのかもしれない。引用は、加藤陽子著「戦争まで」(朝日出版社、16年)から(p443)。この本、一読の価値ある。

本書の副題は、歴史を決めた交渉と日本の失敗。また、表紙には、かつて日本は、世界から「どちらを選ぶか」と三度、問われた。より良き道を選べなかったのはなぜか。日本近現代史の最前線。とある。

アダム・スミス著「国富論」(1776年)でのアメリカ独立の議論(p87)。リットン報告書(1932年)が示した「世界の道」(p130)。軍事同盟の三要素、仮想敵国、援助義務、そして勢力圏(p216)。判断し、選択するための「時間」は、あまねく公平に与えられている(p301)。米国は真珠湾に第一打が来ることを知っていた、はウソ(p415)。宣戦の最後通告をぎりぎりまで出さないよう陸海軍統帥部が図った(p412)。

北支事変坂の上の雲第5部単なる復興ではないコロナ後(いずれもサイト内)

坂の上の雲第5部

  • 2020/06/25 07:07
  • カテゴリー:読み物

新聞の水準は、その国の民度と国力の反映であろう。

当時世界最強とも言われたロシア軍が日露戦争に負けた。なぜそんなことになったのか、戦後、日本の新聞は、冷静な分析を一行たりとも載せなかった。日本国民は、交戦国における暴政や革命機運を知らされなかったばかりか、さらに、日本軍隊の絶対的優越性という迷信を持つに至る。司馬遼太郎全集第26巻(文藝春秋、73年)「坂の上の雲」第五部(p80)から。それから百年経った現在、日本において、情報を出す側、受け取る側、各々の水準はどんなもんだろうか。

坂の上の雲(サイト内検索)

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