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キーワード「十選」の検索結果は以下のとおりです。

待ち望まれた日

政の頂にある者が人々の心をまことに掴むのは並大抵のことではない。

白居易「新楽府」を講義する場面が描かれる。大河ドラマ「光る君へ」第36回「待ち望まれた日」から。NHKプラスで観た。

一条天皇の中宮、彰子が若宮を生む。誕生50日の宴で主人公二人が歌を披露。「今はまだ50日ですが、若宮の治世はずっとずっと長く続くのでしょうね」と紫式部が詠めば、「鶴は千年生きると言う、それほどに長生きすれば、ずっと続く若宮の治世を見届けることができるだろう」と、道長が、阿吽の呼吸で返す。道長の正妻、倫子が何とも言えない表情を見せる。扮する黒木華は芸達者だ。

道長は、その一首の中で、鶴を葦田鶴(あしたづ)と詠んだ。高市黒人の鶴(たづ)の歌へ連想が繋がった。「桜田へ鶴鳴き渡る年魚市潟潮干にけらし鶴鳴き渡る」(巻3-271)。万葉集には鶴を詠んだ歌はたくさんある。中でもこれは特に有名な一首だろう。

干潟は潮が引いたので鶴は別のところへ飛んで行く、と詠んだこの歌は、もしかすると政治向きのメッセージが込められているのではなかろうか。人々はより良い場所を、つまりより良い政治を求めているものだ、と。

政(まつりごと)のリーダーは、人々の心をしっかり見つめていなければならない。

光る君へ(34)万葉の歌十選「日めくり万葉集」メモ(いずれもサイト内)。光る君へ(36)待ち望まれた日(NHK総合、9/22 20時)、自民 石破新総裁 衆院解散・総選挙「なるべく早く審判を」(9/27)

時刻が登場する音楽

  • 2024/09/20 06:03
  • カテゴリー:音楽

太田裕美に「ガラスの腕時計」という、なかなか劇的な曲がある。作詞は松本隆。作曲は筒美京平ではなく萩田光雄。1976年発表のアルバムに収録されている。

この歌詞に「午前2時57分」とある。3時ではなく、2時57分と細かに特定されている。こんな風に、分刻みの時刻を歌った曲は、ほかにあるだろうか、と考えてみたが全く思い当たらない。

5時とか12時というような時間単位の歌詞なら、いくらでもあるだろう。思い付くままに少しリストにしてみよう。

狩人「あずさ2号」(1977年)「8時ちょうどの、あずさ2号で」

麻生よう子「逃避行」(1974年)「あのひとから言われたのよ、午前5時に駅で待てと」

ユーミン「街角のペシミスト」(1981年)「8時のロッカー、袋をかかえ」

大瀧詠一「魔法の瞳」(1984年)「12時しらせる鐘が鳴るよ」

ここまでは割とすんなり出た。後が続かない。10曲くらいはすぐに並ぶだろうと思ったのだが。苦し紛れでクラシック音楽にも目を向けてみた。確かあの曲に時刻が出て来る。

ファリャ「三角帽子」。鳩時計が鳴る場面がある。調べてみると、それは午後9時だ。

時刻が登場する音楽、その内、あれもそう、これもそう、ともっと並べられるかな。

太田裕美の唄十選(サイト内)

Road to A LONG VACATION

  • 2024/09/06 06:15
  • カテゴリー:音楽

3月30日のオリコンに初めてチャートインしまして、初登場は70位でした。アルバム、カセット合わせて3万弱。チャートに入っただけでもうれしかったです。チャートの1位は中島みゆきさんの「臨月」。同じ時に「A LONG VACATION」は出ました。

大瀧詠一ご本人がそんな話を語る。名盤「A LONG VACATION」誕生秘話、その盤の40周年記念リミックス版CDを図書館で借りたら、CD2として、おまけで付いていた。2011年に制作されたようだ。引用の冒頭にある3月は、1981年3月のこと。

「臨月」は、中島みゆき8作目のアルバム。前作まではよく知っているのに、この8作目からは、ぱったり、聴かなくなった。その発売直前に高校を卒業。私は他県の大学へ行くことになり、中島みゆきのLPをずっと貸してくれていた友人に会わなくなったからだった。

「A LONG VACATION」のLPは、大学に入って親しくなった人から、誕生日のプレゼントにもらった。二つ年上の彼女は画家志望。オーケストラ中心の生活で、いわゆるクラシック音楽ばかりだった私に、こういうのも聴いてみたら、ということだったろう。その人からはもう一枚、ユーミンの「流線形'80」も。

人との出会いは、音楽との出逢い。

# 大瀧詠一(1948-2013)、すすめられたアルバム十選(いずれもサイト内)。1981年の音楽|Wikipedia、大滝詠一が『A LONG VACATION』40周年でやりたかったこと、聴かせたかったもの[前編](2021/4/2)、[後編](同/4/3)

フィレンツェの思い出

  • 2024/08/26 06:00
  • カテゴリー:音楽

30年ほど前のこと。あるバイオリン弾きとの会話。最近、何やってるの、と尋ねると、彼女は曲名を答える代わりに弾いて聞かせてくれた。「フィレンツェの思い出」第一楽章の冒頭だった。「チャイコの六重奏か」。「そう。今度、弦楽合奏版でやることになった。なかなか手ごわくてね」。

その少し前にアントルモン指揮の弦楽合奏版を聴いて、それが素晴らしい演奏で、6人の室内楽より合奏の方が、断然、良いと思っていたところだった。この曲、それとシェーンベルクの「浄められた夜」どちらも六重奏でも演奏できるけれど、基本的に分厚い響きの方が合うようだ。「弦楽合奏か、そりゃ懸命だ」。本番の日程を知らせてくれた。都合が合わず聴きには行かなかった。

ラジオの聴き逃しにあった「フィレンツェの思い出」を聴いて、そんな昔のことを思い出した。ラジオの方は、今夏の音楽祭で録音された六重奏版。熱心に弾いているのは伝わってくるけれど今一つぱっとしない、残念ながら。

弦楽合奏版を聴き直そうとアントルモンのNaxos版を探したのだがどこかへ行ってしまったのか手元に見当たらない。

浄められた夜弦楽器の曲十選(いずれもサイト内)。Tchaikovsky*, Vienna Chamber Orchestra*, Philippe Entremont – Serenade For Strings / Souvenir De Florence|Discogs、「ヨーロッパ夏の音楽祭」▽第1夜アウグスブルク・モーツァルト音楽祭(NHK-FM、8/19 19時半)【曲目】弦楽六重奏曲 作品10(コルンゴルト)弦楽六重奏曲 作品70「フィレンツェの思い出」(チャイコフスキー)【収録】スモール・ゴールデン・ホール(ドイツ アウグスブルク、6/12)

R.シュトラウスと山下達郎

  • 2024/08/09 06:17
  • カテゴリー:音楽

ジャニーズ問題に関連して、友人とやり取りする中で以下のようなことを書いた。

ドイツに、リヒャルト・シュトラウスという作曲家がいた。有名な作品は、例えば「ツァラトゥストラはかく語りき」、映画「2001年宇宙の旅」の冒頭のあれ。そのほかにも色々と書いており、現代のオーケストラにとって重要なレパートリーになっている。

が、この人、戦時中はナチスに協力した音楽家として知られている。そんじょそこらの犯罪者どころではない。大量殺戮を指示したあのヒトラーらと仲良くしていたのだ。

二次大戦後は、当然、干された。少しは謙虚に殊勝にしていたかと思いきや、元々傲岸不遜な性格は改まることはなく、自身の作品は、演りたければ演ればいい、聞きたければ聞けば良い、と、人を見下した横柄な姿勢は死ぬまで続いたらしい。

今、リヒャルト・シュトラウスの作品を、ナチスと結び付けて、忌避する傾向は感じられない。芸術的な価値が認められているからだろう。山下達郎の場合はどうだろう。誰を擁護したか、どんな発言をしたか、そんなこととは関係なく、果たして彼の作品は、将来、末永く聴かれることになるだろうか。

ジャニーズ性的虐待問題山下達郎の音楽十選Re: 二重小協奏曲ヘ長調(いずれもサイト内)

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