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キーワード「謙虚」の検索結果は以下のとおりです。

役所広司▽私の人生手帖

想像力だけではなかなか上手くいかない

録音しておいたインタビュー番組を二つ続けて聴いた。引用は、謙虚な姿勢が強く印象に残った、役所広司さんのお話から。

再生を止めてしばし考えた。基本を身につけると、応用が利くようになる、未経験のことも想像力でカバーできるようになる、はずだ。想像力だけでは上手くいかないとは、いったいどういうことだろう。「忘れようとしても思い出せない」の類いだろうか。奥が深い。

役者という商売について、「満足しないで当たり前だなあと思う。まあ、後悔してるぐらいがいいのかなあ。次やると上手くいくかもしれない」、そう思うからこそ長く続けられている、そんな風にも語っていた。

# 佐藤浩市▽インタビュー(NHKラジオ深夜便、5/27 23時台)、役所広司▽私の人生手帖(同、5/28 4時台)

明治天皇という人

  • 2022/04/29 06:29
  • カテゴリー:読み物

明治天皇のもとでおこなわれた日清・日露の戦いは、上から下まで、「文明」の戦争をたたかうという意識が強かった。

近代西洋がつくったルールに則り、戦いを進め、戦後は賠償金や領土割譲を交渉する。松本健一著「明治天皇という人」(毎日新聞社、2010年)、見出し「山縣有朋の国際法意識」の部分から(p384)。

台湾出兵問題(明治7年、1874年)では、大久保利通が国際公法を重要視したことが述べられる(p178)。引用にある日露は、明治37(1904)年から翌年にかけての戦いだった。明治の日本は、世界の強国=文明国を目指し、国際ルールの遵守を徹底していた。ところが大正になるとその遵法精神があやしくなる。

大隈重信が、第二次内閣を組織した折、対支二十一か条要求(大正4年、1915年)を強行する。その辺りをスタート点として、日本は、増長して行く。その無茶な要求から十数年を経て、満州事変(昭和6年、1931年)での一方的な国際法違反に到る。

明治天皇は、大隈のことを嫌っていたという。「策士あるいは策謀を弄す政略家」「金づかいの荒い浪費家」という印象をもっていたようだ(p329)。これは、謙虚と質素を旨とした西郷隆盛が大隈を嫌ったことが影響している。その西郷は、大隈のことを、小人であり有徳の人ではないと評した(p332)。重職を任せると必ず国家の危機をもたらす、上位に置いてはならぬと。その大隈が首相になった時期があったのだ。

大正時代のことで興味深い記述がある。明治憲法に規定されている統治権の欠陥に気付いた原敬が、将来の天皇が「統帥権云々を振り回したりしないようにとの配慮から」、皇太子の英国外遊(大正10年)を計画した(p255)。国の統治を先進国で実見してもらう。その原は、元老山縣有朋のお気に入りだった(p414)。山縣の「人事や戦略にはあまり誤りがなかった」(p316)。

松本健一乃木伝説の思想(いずれもサイト内)

大延長

  • 2022/01/26 06:22
  • カテゴリー:読み物

卑屈と謙虚は違う。謙虚さを忘れたら人は駄目になるが、卑屈になったらもっと駄目になる

堂場瞬一著「大延長」(実業之日本社、2007年)から(p41)。舞台は、高校野球夏の甲子園。決勝戦が15回で決着がつかず翌日再試合となる。それもまた延長戦にもつれ込む。

投手は一年前に右膝の半月板を手術して再びマウンドに戻って来た。決戦の土壇場になってその古傷が彼を苦しめる。初場所の照ノ富士も似たような状況にあったようだ。12日目に土俵下に転落し古傷を痛めてしまう。左の膝だ。「今後の事を考えると、とても相撲が取れる状態ではなかった」と北の富士さんは記している。投手はその夏の怪我で選手生命に幕を閉じた。横綱はどうだろう。何事も無かったようにまた土俵に戻って来るだろうか。

チーム(サイト内)。相撲の神様は時に意地の悪いことをする 照ノ富士は膝をしっかり治して(1/24)|北の富士コラム

元慰安婦訴訟

当時の安倍首相が謙虚な態度を見せないことなどが韓国側を硬化させる一因となった

朝日新聞の社説(1/9)から。2015年の日韓合意は何だったのか。約束を踏みにじる文在寅政権の姿勢を、朝日含め各紙社説が批判する中、引用したこの記載は目を引いた。

  • 慰安婦判決 合意を礎に解決模索を(朝日、1/9)
  • 韓国の元慰安婦訴訟 対立深刻化させる判決だ(毎日、1/9)
  • 元慰安婦訴訟 「主権免除」認めぬ不当判決だ(読売、1/9)
  • 「慰安婦」賠償命令 歴史歪める判決を許すな(産経、1/9)
  • 国際慣例に反し理解しがたい慰安婦判決(日経、1/9)
  • 元慰安婦訴訟 外交通じた問題解決を(東京、1/12)

前首相の態度や、日韓関係、今回の訴訟についてここで何か言おうとは思わない。ただ、一般論で、あっちが悪いと皆が声を揃える時、そんなに一方的なのか、と冷静に全体を眺めてみることが大切だと思う。深い考察、充実した議論、そして、より良い結論が得られる。皆の声が偏見や錯誤に基づく場合は尚更のこと。

働き方2.0vs4.0(サイト内)

木工教室10の効用

教室でいつも楽し気に作業しているEさんがこんなことを言った、色々教えてもらって、自分の好きなものを作れるんですよ、ラッキーですよね、と。なるほど。教室に通うことには、どんな良いことがあるだろうか。自分なりに10の項目にまとめてみた。月末ごろに書いている〇〇十選の代わり。

  • 「制作」。まずはこれだ、Eさんも言っている。既製品では手に入らない、自分の好きな家具を作ることができる。デザインや、風合い、サイズ、すべて自分の考え通りに、先生の指導の下で。
  • 「習得」。基本技術を教えてもらえる。何度か通う内に、鋸鑿鉋など手道具やその作業に親しんでいく。刃物の研ぎも。
  • 「道具」。プロ仕様の道具をふんだんに使うことができる。鉋は色々揃っているしクランプもたっぷり、質、量ともに充実。横切り、昇降盤、ルータなど機械もあり。
  • 「材料」。材料選びのアドバイスを受けられる。基本在庫あり。材木屋へ買い出しに、先生に連れてってもらったこともある。
  • 「場所」。自宅作業での悩みは作業場所の確保、教室だとその心配なし。幅1.8mの大物も何とかなった。塗装部屋もある。
  • 「設計」。強度や作業性などの点からアドバイスをもらいながら、仕口や部分の形状を検討し図面化する。
  • 「資料」。豊富にある専門書。こんな本、あんな資料、ないですかと訊ねると、たいがい出して来てもらえる。
  • 「コツ」。段取り、作業の手順。木取りの際の木目の方向や流れ。ミスった箇所を修正する裏技。などなど、ちょっとしたコツの数々は初学者にはありがたい。
  • 「水準」。その筋の人はどこを見ているのか、この領域での当たり前とは、もし公募展に出せばどう評価されそうか、など、プロの判断基準に触れることができる。
  • 「修練」。未経験の領域で指導を受ける、それによって、謙虚でない面は謙虚に、謙虚な部分はさらに謙虚に。

書いてみて、他のものづくりの教室や習い事全般に共通していることが多そうだと思った。なお、今週末と次回、コロナウイルス対策で教室はお休みになった。

家具職人を目指したり、木工を本格的に学びたい時の選択肢とは!?

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