台風6号とW杯
- 2018/06/16 08:55
- カテゴリー:興行・放送
雨風の音で目が覚めた。台風6号が近付いている。スマホで時刻を見るついでにニュースのヘッドラインを眺めると、イランがモロッコに勝ったとあった。それも、試合終了間際のオウンゴールで1対0と。床を出て、録画しておいたそのゲームを見た。実力伯仲とでも言えば良いだろうか、緊張度の高いしっかりしたシブいゲームだ。追加時間になってからのオウンゴールはモロッコには気の毒なことだった。
そういえば、この両国は、イスラムを国教としている。特に他意はなく、あくまでも客観的な事実としてだが。手元のマイペディア97(日立デジタル平凡社)で見ると、各々の宗教は、イランが、イスラム(シーア派十二イマーム派が国教)98%、一方のモロッコは、イスラム(スンナ派,国教)、とある。
ついでに参加32か国の宗教と言語を調べた。W杯は、大陸では欧州と南米の戦いとよく言われる。実際、今回の32か国を FIFA ランキングで並べて試しに前半分の16か国を見ると、その二大陸以外ではメキシコ一国が含まれるに過ぎない。大陸ではなく、宗教と言語に視点を置くと果たしてどうなるか。ランキング・トップのドイツから順に同じ事典で検索。結果を、表にして眺めてみた。
宗教では、大半の国はキリスト教だ。それには、カトリックやプロテスタント、正教も含む。ランキングの下の方に、イスラム教7か国、仏教2か国、が現れる。
言語では、スペイン語を公用語とする国が圧倒的に多い。8か国。それに、七割がた同じと言われるポルトガル語も加えると計10か国になる。16世紀スペイン大帝国の版図を思い出さずにはいられない。あらためて言うまでもないが、スペイン代表チームの(日本での)通称「無敵艦隊」は、あの時代にフェリペ二世が擁した大西洋艦隊の呼称だった。
参加国の公用語からは、かつてのスペイン大帝国以外にも、宗主国と従属国だった頃の関係が見えて来る。フランスとセネガル、イングランドと豪州やナイジェリアがそうだ。
それと、言語で特筆すべきは、ドイツ語が通じる国々が比較的上位にあること。ランキング最上位のドイツはもちろん、ベルギー、スイス、そして前二者ほどではないがデンマーク。
旧ユーゴの2か国がクロアチア語とセルビア語。これらは同じと考えて良いのかな、よく判らない。少なくとも、よく近いと言われるイタリア語とスペイン語との類似性以上に近いはず。
大雑把な傾向はそんなところか。下の方はどうなっているだろうか、ランキング最下位から数えて5か国は次のようになっている。
- 55、パナマ、カトリック93%,プロテスタント6%、スペイン語(公用語)が大部分
- 57、韓国、仏教19%,キリスト教17%,シャマニズム,天道教など、韓国語(公用語)
- 61、日本、仏教,神道,キリスト教など、日本語(公用語)
- 67、サウジアラビア、イスラム(国教,大部分はワッハーブ派)、アラビア語(公用語)
- 70、ロシア、ロシア正教が大半,ほかにイスラムなど、ロシア語(公用語),各民族語
客観的な事実として眺めていて他意はないことを、念のため、繰り返し書いておく。