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養殖魚サバヒー

台湾でポピュラーな魚、サバヒー。沿岸で捕獲された稚魚が池に放り込まれ大量に養殖される。庶民は、毎日のように主に朝飯で、スープや雑炊にして食べるという。中文では、虱目魚と書く。

この魚は低温にたいへん弱い。養殖池の「水温が10℃以下になると被害が出はじめ、8℃以下となるとほとんどが死んでしまう。このため、年によっては寒波の影響で養殖魚が大量に死ぬ」とWikipediaにある。かつて台湾へ頻繁に行っていた頃、現地の専門家からこんなことを聞いた、「寒波が予想されて気温が12度を下回るとなると、多くの業者は早めの出荷を検討し始める」と。小ぶりでも売れる内に売ろうというのだ。

ところで、サバヒーと言っても、台湾では通じなかった。いつの出張の時だったか、これを食べてみることにした。中国浙江省出身の同僚が一緒だった。北部の港町、基隆、その街道沿いのレストランで、メニューにはなかったけれど、サバヒーで何かつくってくれないかと店の主人に頼んだ。もちろん同僚が中国語で。ところがサバヒーが通じない。文字なら伝わるだろうかと、虱目魚と書くと、「なんだ、サムイーのことか」と主人は笑った。それは家庭料理用、店では仕入れしない、近所の魚屋までちょっと買いに行って来る、スープでいいかな、と美味しいスープをつくってくれた。

主人が言った「サムイー」、それは日本で言う「寒いー」そっくりだった。後で聞いてみると、虱目魚をシムイーもしくは塞目魚と書いてサィムイー、そんな風にも発音するようだ。今朝(1/8)の那覇はだいぶ冷え込んだ。寒波がやって来て、「寒いー」と漏らす時、あの魚のことを思い出す。

桜の便り、21年(サイト内)。サバヒー|Wikipedia

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