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近付く引退

全盛期がないと、終えられないでしょう。

近藤正和七段インタビュー#3、その5ページ目、引退が近付いているという段落から。近藤棋士の場合、2004年度に、勝率第一位賞と連勝賞を受賞している。たいへん判りやすい全盛期であり勲章だ。

それは、プロ棋士ならではの事情だと思う。勝ち負けが明確で、対する相手はごく限られる。大相撲もそうだ。閉じた世界の中で白黒がつく。全盛期や勲章について語ることは、比較的、容易だろう。

普通はそうはいかない。多くの人は、茫漠とした世界で手探りするように生きている。時にこんなことも起こる、

ある会社を辞めようとする私に、おまえは勲章を手にすることができたのか、と問うた上司がいた。日々十分なコミュニケーションを図って来たつもりだったので、この質問には驚かされた。私が、どんな役割を認識し、何を目指し、どうやり遂げたのか、しっかり見てくれているとばかり思っていたからだ。

例えるなら、どの山に登ろうとしているのか、どのルートからアプローチしているのか、周りからは何も見えていない、そういうことなのかもしれない。山登りをしていることさえ気付かれていない、それくらいに思っておいた方が良さそうだ。それだからこそ、何をやっている、どこを目指す、今どのあたりにいる、と、自分自身で常に見極めていることが肝心なんだろう。

PCは使わず、研究会もしない アナログすぎる棋士は“藤井聡太時代”の将棋界で何を思うのか 近藤正和七段インタビュー#3(10/9)|文春オンライン「観る将棋、読む将棋」

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