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奇想曲24番、パガニーニ

  • 2025/03/27 05:55
  • カテゴリー:音楽

NHK-FMを点けると、懐かしい曲が流れて来た。パガニーニ作曲「24の奇想曲」、その第24番イ短調。マイケル・レビンによる独奏と紹介された。1958年のモノラル録音。

随分昔、所属していたオケで、ブルッフのバイオリン協奏曲を演った。その折、招いたソリストがアンコールに選んだのが24番イ短調だった。その時、初めてその曲を聴いた。

圧巻のパガニーニだった。あとでオケのメンバーに色んなLPを借りて聴いてみたけれど、アンコールで聴いた以上のものには出会えなかった。それ程までに、その奏者の力量が秀でていた。ブルッフも素晴らしかった。しばしソロに聴き惚れて、自分が吹くところを忘れそうになったりしたものだ。

あのソリスト、当時、芸大の学生だった。その後どんな活躍をしたのだろうか。一度テレビで見かけたことがある。ただし、それはN響のVnパートの中で弾く姿だった。エキストラだろう。あれだけの腕前だ。世界のメジャー・オケとの共演もあり得たはず。

webで調べてみると、どうやら大学の先生になったようだ。懸命な選択だと思う。

ソリストで食べて行く、第一級の音楽家になる、それを目指した人すべてが思いを遂げることはできない。世界広しと言えど、そんなに沢山のコンサート・ソリストは必要とされない中、トップに登り詰めるのは、ほんの一握りの逸材だ。

その一握りの逸材ではなかった場合いったいどうする。どうやって食って行く。

もし音楽系の大学で先生になれるのなら、入り込まない手はない。何よりも毎月毎月の俸給が得られる。安定した生活の中で音楽ができる。研鑽を積みレベルを維持する。高望みしなければ、そこそこのオケがソロに呼んでくれる、かもしれない。それに、自分が果たすことができなかった夢を学生に託すこともできる。

パガニーニを聴いたのをきっかけに、そんなことを考えた。

一流奏者の需要おまえの家田中一村(いずれもサイト内)。特集「ワタシノイチオシ」髙木凜々子(Vn)を迎えて▽クラシックの庭(NHK-FM、3/24 7:25)[再]

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