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ぼくと、ぼくらの夏

  • 2019/06/28 07:15
  • カテゴリー:読み物

どっちかっていえば、弱いやつも強いやつにいじめられないで、両方とものんびり生きていける社会が好きだ。そういう社会が嫌いなやつもいるが、俺としては、そういうやつにはちょっと我慢してもらいたい。みんながちょっとずつ我慢する。暴力的なやつには暴力をふるうのを我慢してもらう。権力のあるやつには権力の無理おしを我慢してもらう。

主人公の父親が社会秩序について語るくだり。樋口有介著「ぼくと、ぼくらの夏」(文春文庫、07年、新装版)から(p141)。最寄り図書館の書棚を眺めていて目に留まったので借りて来た。かつて読んだことがある、91年、まだ学生気分が抜け切らない頃だ。再読してみると、今のおれの年齢に比較的近い、親の世代の言動や行動が気になる。当然と言えば当然か。例えば、小峰元著「アルキメデスは手を汚さない」などを今読むとどんな風に感じるだろうか。

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