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害虫殲滅工場

  • 2018/06/08 10:42
  • カテゴリー:読み物

水、小麦の麬、ビール酵母、大豆から油を絞り取った後に残る大豆粕、砂糖、安息香酸ナトリウムという防腐剤、そして3.5パーセントの塩酸を加え餌となる培地をつくった。

その培地は、ウリミバエの幼虫用だ。ハエの幼虫とはつまりウジ虫。引用は、小林照幸著「害虫殲滅工場―ミバエ根絶に勝利した沖縄の奇蹟」(中央公論新社、99年)から(p106)。この本は、最寄り図書館の郷土コーナーにあった。

かつて、イエバエを飼っていたことがあった。農学部の学生だった頃のこと。所属していた研究室では、農薬の研究のために、様々な害虫を継代培養していた。簡単に言うと、飼っていたのだ。誰しも、先輩から、最低一つ、虫の培養を受け継いだ。中には、口にする(言う)のもおぞましい虫もあった。おれはイエバエを担当することになった。

人手不足で教授ご自身がお忙しい中イエバエをやっていた。それを受け継いだ。由緒正しいイエバエということだった。培地は、イエバエの場合、麬と大豆粕、二つを水で練り合わせた。その他には何も加えなかった。そのことをこの引用部分を見て思い出した。説明を受けた当初、麬(ふすま)と聞いて、へぇ、襖障子の襖がこんな粉状になるのか、と思ったものだ。30年以上も前の遠い昔の話だ。

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