横尾忠則自伝
- 2019/02/12 06:30
- カテゴリー:工芸・美術
信じられないが、本物のサルバドール・ダリだ。「君かね、アーティストは?」ぼくの前で立ったまま言った。威圧されたぼくは立ち上がって挨拶するのも忘れてしまった。
スペイン政府に招かれた「日本のアーティスト」だ、ダリに会いたいのだが、とリクエストすると、なんと、その日の午後に邸へ来いと言われ、著者(ぼく)はカタルーニャ州カダケスへ訪ねて行く。現れたダリは、そのアーティストやらを自身の目で見てやろうとでも思ったのだろうか。横尾忠則著「ぼくなりの遊び方、行き方-横尾忠則自伝」(ちくま文庫、15年)から(p278)。時は1976年、サルバドール・ダリ(1904-1989)72歳、著者(1936-)40歳の頃の話だ。