棲月
- 2022/03/25 06:27
- カテゴリー:読み物
当たり前じゃないか。夢なんて簡単に叶うものじゃない。だが、望まない限り叶わないというのも事実だ。いろいろな人の夢の総和が未来なんじゃないか
今野敏著「棲月-隠蔽捜査7」(新潮社、2018年)から(p231)。
殺人事件とサイバー攻撃、ははあん、この二つは関係があるんだろうな、どんな風に繋がって来るのだろうか、という読み方になる。まったく無関係に見える複数の事件が実は、というのはこのシリーズで前にもあった。パターンの一つなのかもしれない。
主人公の竜崎は、本作を最後に警視庁大森署から神奈川県警へ異動する。新たなポジションは刑事部長。横山秀夫著「64」にこういう記述があった。「刑事部長ポストがキャリアの指定席となっている警察本部は全国で十に満たない」(p380)。どうやらその一つが神奈川のようで、地元生え抜きが、刑事部長ポストをキャリアから取り戻したことがあったけれどそれは一代限りであとは「ずっとキャリアポストだ」(p455)。次作(隠蔽捜査8)でこの辺りの事情が語られるだろうか。