再選を目指していたバイデン大統領が撤退を表明したのは7月下旬のこと。後継候補にはハリス氏が選ばれた。そのあたり以降、在京六紙の社説がどんなことを書いて来たか、タイトルを追ってみよう。
●民主党候補はハリス氏に
「政策を堂々と競い合え」(経8/4)、「政策論争を仕切り直せ」(朝8/7)、「うそや差別は許さない」(東8/8)、「短期決戦だからこそ政策語れ」(読8/8)、「民主党は米国覆う難題に処方箋を示せ」(経8/8)、「多様性の価値示す論戦を」(毎8/9)
●ハリス氏指名受諾演説
「政策で大統領の資質を示せ」(経8/24)、「ガラスの天井破れるか」(東8/24)、「彼女ならできるを示せるか」(読8/24)、「自らの言葉で安保を語れ」(産8/24)、「協調の視点忘れぬ論戦を」(毎8/26)、「外交指針を明確に語れ」(朝9/2)
●テレビ討論会、トランプvsハリス
「これで論戦終わらせるな」(経9/12)、「討論会をさらに重ねて」(東9/12)、「批判合戦から新局面の論争へ」(読9/12)、「世界で果たす役割見えず」(毎9/12)、「再度の機会で対中議論を」(産9/12)、「政策論議の低調を憂う」(朝9/13)
●投票一か月前
「投開票の混乱回避重要だ」(産10/6)、「混乱断固避けよ」(経10/5)、「最終盤で誰に何を訴えるのか」(読10/6)、「大統領選は新南北戦争か」(東10/13)
●もう少しで投票
「超大国にふさわしい米大統領選だったか」(経11/3)、「人気取りの米大統領選は債務膨張を招く」(経10/24)、「分断の政治 絶つ審判を」(朝10/30)、「再び混乱なら信頼を失う」(毎11/4)
●トランプ氏当選
「分断の深まりを憂慮する」(毎11/7)、「分断と憎悪の激化を憂う」(東11/7)、「自国第一の拡散に歯止めを」(朝11/7)、「同盟重視し国際秩序守れ 内向きに終始してはならない」(産11/7)、「トランプ再登場でどう変わる」(読11/7)、「トランプ次期米大統領は世界の安定脅かすな」(経11/7)
●これから
「米民主主義の信頼保つ円滑な政権移行を」(経11/8)、「二つの戦争と米国 取引外交に宿る危うさ」(毎11/8)、「米国第一の経済政策に危うさ」(経11/9)、「米国第一への備え万全に」(産11/8)、「問われる日本の主体性」(朝11/10)、「強まる保護主義 世界を揺るがす貿易戦争」(毎11/10)、「自動車産業は逆風に備えを」(経11/10)
この3か月、二人は、政策論議ではなく別の面で戦ったようだ。最終盤には「超大国にふさわしい米大統領選だったか」(経11/3)と問われる始末。特に、ハリス氏は、「自らの言葉で安保を語れ」(産8/24)と書かれてしまう程に、語れない人だったのかも。彼女に対して使われた「資質を示せ」(経8/24)という表現が、選挙の行方を示唆していたように見えたりする。もちろん、後知恵なのだけれど。
さて、11/4週の六紙社説は、そのほかに、北朝鮮ICBM、自転車の酒気帯びにも罰則、外苑の樹木伐採、同性婚判決、103万円の壁、自公国の政策協議、女川原発稼働、女性差別で国連委勧告、東証の時間延長、F1デブリ取り出し、公明代表交代、などを話題にした。
# 六紙社説、トランプさんの評判、リーダーの引き際(いずれもサイト内)