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2025年08月の記事は以下のとおりです。

フェンタニル問題

6月、日本経済新聞が、フェンタニルを米国に密輸する中国組織が、日本に拠点を作っていた疑いがある、とスクープした。

同紙サイトには、米中「新アヘン戦争」の裏側、が特集されており、フェンタニル関連記事をまとめて読むことができる。

他紙はどうしているだろうか。日経を除く在京六紙では、産経新聞が、比較的、熱心か。社説も一本掲載している。フェンタニル関係の六紙社説は今のところその一本のみ。

Googleさんで、各紙のサイト限定でフェンタニルを検索してみた。期間は日経がスクープした6/26以降とした。例「フェンタニル site:sankei.com after:2025-06-26」。

以下、Googleが示した件数順に並べた。各紙のヒット上位から3本ずつ記事を選択。

産経新聞(626件、sankei.com)
米国社会むしばむ合成麻薬フェンタニル 街をさまよう「ゾンビ」(7/26)
フェンタニル問題 「最悪の麻薬」流入許すな 社説(7/16)
日本も「中国産原料が米国で蔓延」の見方強める 水際対策進める(7/11)

日本経済新聞(408件、nikkei.com)
フェンタニル密輸ルート、中国組織の日本拠点を確認 欧州調査機関(8/8)
フェンタニル密輸、名古屋経由か データの海に浮かんだ「日本のボス」(6/29)
フェンタニル輸出の日本拠点「日米協議に影響なし」 岩屋外相(6/27)

読売新聞(192件、yomiuri.co.jp)
医療者の向精神薬乱用による死亡、64%が勤務先から窃取 初報告(8/13)
フェンタニルの密輸、2010~18年に全国で4件摘発(7/30)
フェンタニル摘発 2件 合成麻薬 国内、警察庁長官発表(7/3)

朝日新聞(63件、asahi.com)
フェンタニルなどに代わる鎮痛薬を開発 依存性なし、治験開始 京大(8/5)
フェンタニル国内で17件摘発、医療用を悪用 「厳格に取り締まる」(7/26)
カナダには35%関税を通告 トランプ氏「合成麻薬対策に非協力的」(7/11)

毎日新聞(53件、mainichi.jp)
名古屋に合成麻薬の密輸拠点 中国企業が設置 欧州調査報道サイト公表(8/10)
合成麻薬「フェンタニル」対策強化へ 背景にトランプ関税への警戒(7/15)
合成麻薬フェンタニルの原料、愛知県内で違法取引なし(7/7)

東京新聞(10件、tokyo-np.co.jp)
名古屋市に合成麻薬の密輸拠点 中国企業が設置、欧州の調査報道(8/9)
合成麻薬フェンタニル巡り厳罰化 トランプ氏が法案署名(7/17)
フェンタニル「拡大の実態ない」 厚労相、取り締まり継続(7/15)

どうやら、名古屋市のフェンタニル密輸拠点は実在したようだ。それが日米の関税協議に影響しているのかしていないのか、どうだろう。

社説がいくつか出て来るかもしれない。早ければ来週あたりから。

六紙社説、フェンタニル(いずれもサイト内)。フェンタニル、日本経由か 中国組織が密輸拠点-「米中対立」巻き添えの恐れ 合成麻薬問題(日経、6/26)

べらぼう (29) (30)

この「江戸生艶気樺焼」ってのは、黄表紙っていう文芸の最高峰

と、鈴木俊幸教授(中央大学文学部)が絶賛する。NHKラジオの日曜カルチャー「蔦屋重三郎のまなざし」第3回(4/20)にて。読みは「えどうまれうわきのかばやき」。

文学史の教科書にも載り、タイトルはよく知られている。が、高校の古文では、ほとんど採り上げられない。機知に富んだ滑稽が判り難い。文章と絵の双方を併せて読み解く必要がある。それに、何と言っても、遊郭や女郎が登場する。そんな事情があって、国語科の先生には決して教えやすい題材ではないからだ。

大河ドラマ「べらぼう」第29回では、山東京伝作「江戸生艶気樺焼」が、蔦重の文芸サロンの中でどのようにして生まれて行ったかを描いていた。そのストーリーが劇中劇で再現される際、演じるは「べらぼう」本編の役者たち。それがなかなか洒落ていた。

「江戸生艶気樺焼」が刊行されたのは、天明5年(1785年)だった。

続く第30回、その「江戸生艶気樺焼」は大いに売れているようで耕書堂は大盛況。田沼意次の側近、三浦庄司(原田泰造)は、その他にも、芝全交「大悲千禄本(だいひのせんろくほん)」や、唐来参和「莫切自根金生木(きるなのねからかねのなるき)」なども人気を博していると述べていた。

ドラマの中で、蔦重は、狂歌絵本の出版に力を入れ始める。これから、益々、おもしろいことが起こりそうと思わせてくれるわけだが、鈴木教授によると、実際、狂歌や戯作などの文芸の流行は、天明5年か、6年くらいにピークを迎えるのだとか。

べらぼう鈴木俊幸(いずれもサイト内)。「蔦屋重三郎のまなざし」第3回▽日曜カルチャー(NHKラジオ第2、4/20 20時)【出演】中央大学教授…鈴木俊幸、大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第29回「江戸生蔦屋仇討」(NHK総合、8/3 20時)、第30回「人まね歌麿」(同、8/10 20時)

俳人・永田耕衣の世界

書や謡曲を愛し、大好物はうどんとあんぱん。好きな生き物は鯰だった。

ETV特集「命熱し 老いおもしろし 俳人・永田耕衣の世界」から。語りは北村和夫。

永田耕衣、俳人そして諸芸に通じる芸術家。彼と二十数年交遊関係があった詩人・高橋睦郎氏は、俳人の原風景を訪ねる旅に出る。

詩人が乗っている車両は山陽電車だとすぐに判った。ということは、私の故郷に近い辺りを旅している。降りたのは神戸市の須磨寺駅だった。実家から20キロ程だ。

永田耕衣(1900-1997)。兵庫県加古川市尾上町生まれ。工業高校卒業後、隣市の製紙工場に勤めた。定年退職後、神戸市へ転居。1995年の大震災の頃までそこに住んだ。

私にとって縁(ゆかり)のある地名が並んでいる。私の母は尾上町で生まれた。私が育った街も山陽電車の沿線だ。化学メーカーに就職して最初の配属先は、永田耕衣が勤めた製紙工場から歩いて10分くらい。神戸市にある研究所へ異動となり、大震災前の数年間は、同市内に住んだ。毎日の通勤は、須磨寺駅を通る電車に乗った。

どこかですれ違っていたかもしれない。ただ、当時、この俳人のことはまったく存じ上げなかった。今回このドキュメンタリー番組で初めて知った次第。近くにこんなユニークな芸術家がいたなんて。おのれの無知、不明を恥じなければならない。

彼にまつわるものを何か読んでみようと思う。

永田耕衣|Wikipedia、ETV特集「命熱し 老いおもしろし 俳人・永田耕衣の世界」▽おとなのEテレタイムマシン(NHK-Eテレ、7/12 22時、元は1998年2月放送)、城山三郎「部長の大晩年」

グンゼ、国内4工場閉鎖

東の片倉、西の郡是(グンゼ)

かつて並び称された、と何かで読んだ。

明治期の大日本帝国は、軍艦を買い入れるために外貨を必要とした。生糸産業は大いにそれに貢献。片倉工業や、グンゼ、生糸会社が、日本経済をリードした時代があった。

生糸を手掛けたのは、片倉、グンゼ、その二社だけではない。企業体だと、神戸生絲、近江絹糸、神栄、昭栄、そして鐘淵紡績など。当時は皆、名門と呼ばれた。

生糸の時代が去って、各社いったいどうしただろうか。

工場跡地を利用して不動産業へ乗り出した企業が少なくない。片倉工業は、確か、ホームセンターやスーパーの経営もやった。旧安田財閥系の昭栄も不動産に進出し、のちに同系列の同業ヒューリックに救済合併された。

何社かは、繊維業で横展開を図った。神戸生絲はビニロンという合成繊維で生糸需要を置き換えようとしたが完全に失敗。同社は、電機事業など多角化も試行。これも、さっぱり、上手く行かなかった。

どこもぱっとしない。社名が消えた会社もちらほら。そんな中、グンゼだけは、売上高1千億円を超える上場企業として存続している。

製糸(第一次産業)から綿の肌着(第二次産業)への転換が成功。包装材の内製から各種プラスチック製品へとさらに展開。数十年単位で業種業態の脱皮をやって来ている。

そのグンゼが、国内の4工場を2026年末までに段階的に閉鎖すると発表した。肌着などアパレル製品は国内生産では競争力を失いつつあるのだろう。グンゼが繊維製品の自社生産を止めるのはそう遠い先ではないかもしれない。

王子製紙苫小牧工場(サイト内)。グンゼ、国内4工場閉鎖 希望退職も実施(8/6)、器械製糸工場の跡地利用と痕跡

舟を編む(8)

いいんですってそれで。技術の進歩って、大抵、誰かの夢の実現じゃないですか。

開発担当の営業マンが顧客に言う。あなたの要望があればこそ新たな製品が開発されるのだと。NHKのドラマ「舟を編む」第8回(8/5)から。

理解のあるサプライヤだ。なかなかこうはいかない。

この新たな製品のためには、こういう原料が、こんなスペックで必要になるのだが、なんとかならないか、とユーザ側からサプライヤへ照会、依頼することがほとんだだった。

私の場合に限らず化学業界ではそれが一般的だろう。このドラマのようなサプライヤがいてくれたらどんなに進めやすいだろうか。なんと、原料の試作(抄造テスト)スケジュールもサプライヤが自発的に提示していた。素晴らしい。

そのサプライヤの開発担当は、自社の、研究部なのか製造の技術部なのか、技術者に対してなんとかしてくれと頭を下げる。このシーンを見て、あるある、と思った。原料のユーザ側でも、基本、同じだ。社内で頭を下げ、説得し、その気にさせ、研究開発を進める。新しいものをつくるには、サプライヤ、ユーザ、どちらの開発担当も、周りを活性化していくことが求められる。

開発担当は、矢本悠馬という役者だ。大河ドラマ「べらぼう」の方では、殿中で刃傷沙汰を起こし切腹してしまった。

舟を編む(サイト内)。ドラマ10「舟を編む~私、辞書つくります~」(8)(NHK総合、8/5 22時)、「べらぼう」(28)「佐野世直大明神」(NHK総合、7/27 20時)

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