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キーワード「戦争」の検索結果は以下のとおりです。

明治維新とは何だったのか

  • 2021/03/04 06:52
  • カテゴリー:読み物

薩摩の西郷や大久保、あるいは長州の木戸孝允といった人たちは、開国というこれからの国策は理解したものの、この際やっぱり関ヶ原の恨みは晴らさないといけない、と考えた。せっかく徳川幕府が弱っているのだから

御一新は薩長による「暴力革命」だった。半藤一利、出口治明著「明治維新とは何だったのか-世界史から考える」(祥伝社、2018年)から(p70)。薩英戦争や馬関戦争の敗戦で、薩長は、攘夷は到底無理と思い知る。一方、幕府は列強へ賠償金を払うはめになり疲弊する。250年前の恨みを忘れてはいない薩長、尊皇攘夷を本音の倒幕へと切り替えていく。

ペリーの目的は「太平洋航路の開拓」だった。▽開国、富国強兵の「グランドデザイン」を描いたのは、老中首座の安部正弘。それを実現したのは大久保利通。▽軍国主義の下地「統帥権の独立」は、西南戦争(1877年)を起源として山県有朋が発案した。▽維新三傑を継いだ「かなり程度がおちる」二人、山県有朋と伊藤博文は、革命を正当化するために中国の古典から「維新」の言葉を探し出し、自身の権威づけに「大した人物ではない」吉田松陰の名を利用した。

# 安部正弘(1819-1857)、西郷隆盛(1827-1877)、大久保利通(1830-1878)、木戸孝允(1833-1877)、山県有朋(1838-1922)、伊藤博文(1841-1909)

東京の戦争

  • 2021/02/20 07:22
  • カテゴリー:読み物

釘は使わず、板と板がきっちりと組み合わされ、やがて鉋がきれいにかけられた見事な柩が出来上がった。しかし、長年茶箪笥づくりをしてきた癖で、四隅が丸くけずられていて、優美ではあるものの奇妙な感じであった。

著者の父親が病死したのは終戦後すぐのこと。極端な物不足の折、柩が手に入らない。材料を用意して、近所の家具職人に柩づくりを頼んだのだった。吉村昭著「東京の戦争」(筑摩書房、2001年)から(p64)。不謹慎だとは思いつつも、角が丁寧に面取りされた棺桶を想像して笑ってしまった。

せんそうをよむ(サイト内)

詩と反詩

  • 2021/02/15 06:33
  • カテゴリー:読み物

それは何処でもない私たちの国の、私たちの土地のおくに見えていたもので(略)、破滅的な農村恐慌と兇作の底に沈んでいる十五年戦争の入口の日本の村のイメージなのである。

著者にとっての戦争のイメージは「何よりこんな風」だった。「詩と反詩」黒田喜夫全詩集・全評論集(勁草書房、1968年)に収載の「わが内なる戦争と戦後」から(p124)。この小篇が発表されたのは、「週刊読書人」1967年8月号。

東北地方の貧しい村々は、凶作に次ぐ凶作で飢饉に喘いでいた。1929年、世界恐慌に伴い生糸と米の価格下落。1931年、満州事変。冷害により東北で大凶作。1933年、三陸津波で東北沿岸部に甚大な被害。1934年、記録的な大凶作。1935年、全国の小作争議件数がピークに。1937年、盧溝橋事件、日中戦争始まる。国が戦争に動き出した時、農民たちは、貧困から逃げるようにして、兵役に就き、また満蒙開拓に志願したのだった。

黒田喜夫昭和農業恐慌|Wikipedia、小作人組合数および小作争議件数

尖閣戦争

  • 2021/02/03 07:09
  • カテゴリー:読み物

たとえば北朝鮮の核実験があったときに、日本も核武装を行うべきだと、故中川昭一さんが発言されました。そうしたらライス国務長官(当時)があわてて日本に飛んできた。日米安保があるからそんな心配は無用だとなだめにきたのです。

西尾幹二、青木直人著「尖閣戦争-米中はさみ撃ちにあった日本」(祥伝社新書、2010年)から(p31)。この極東の島国が百年前に何をしたか、世界は忘れてはいない。

安保条約第五条では、アメリカは「自国の憲法上の規定及び手続きに従って」行動すると定められている。それは「議会の意向に従う」ことを意味し、議会での審議は、その結果がどうなるかわからないし、時間もかかる(p59)。今は日本が実効支配しているけれど、もし中国が電撃的に占領し実効支配してしまったら、その時アメリカは中立を守り「今度は中国領として認める」だろう(p56)。

尖閣(サイト内検索)。実効支配(千島列島:ロシア、竹島:韓国)

せんそうをよむ

  • 2021/01/20 06:51
  • カテゴリー:読み物

最寄り図書館のOPACで「せんそうをよむ」と入力するとタイトル3つがヒットする。目当ての1冊だけでなく、まとめて借りて来た。以下、各々の導入部から少し抜き書きをした。3冊とも戦争の本を多数紹介している。採り上げている本に重なりはないようだ。ちらほら登場する著者はある、その一人が松本清張だ。

戦争を否定することによって欲望する平和は、時にはその戦争を生み出す原因へと変貌を遂げてしまうかもしれない

中川成美著「戦争をよむ」(岩波新書、2017年)の「まえがき」から(p x)。副題「70冊の小説案内」の通り、小説中心のガイド。松本清張著「遠い接近」が紹介されている。

八十年代以降、学術的用語としては「アジア・太平洋戦争」という表記が定着している。政府が公の場で発話する際には、「先の大戦」という極めて曖昧な表現が多い

石川巧ら編「戦争を<読む>」(ひつじ書房、2013年)の「はじめに」から(p iii)。大学の教科書。特攻や、敗戦、疎開など、15のテーマごとにテキストが選定され本文が採録されている。テーマ「引揚げ」は、松本清張著「赤いくじ」がテキスト。

次なる戦争がいかなる形態をとり、いかなる論理を装い、まったく思いもつかなかった筋道で起こってくるのか

加藤陽子著「戦争を読む」(勁草書房、2007年)の「はしがき」から(p ii)。1930年代の日本政治史を専門とする著者が紙誌に書いた書評を集めた一冊。専門書が多い。松本清張の著作、「昭和史発掘」などに触れている。

加藤陽子(サイト内検索)

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