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キーワード「文庫100冊」の検索結果は以下のとおりです。

キジ殺し

  • 2022/06/13 06:22
  • カテゴリー:読み物

手がかりが少ないときに、「~だと聞きました」と言ってみれば、何かをつかめることがある。「ためしに言ってみる価値はある」というわけだ。自分の引き出しの中に持っている方便のひとつだ。

口からの出まかせが重要な物証の発見につながる。ユッシ・エーズラ・オールスン著「特捜部Q-キジ殺し」吉田薫・福原美穂子訳(早川書房、2011年)から(p238)。シリーズ第2作。部下が一人増えた。

映画「時計じかけのオレンジ」のことが何度か語られる。ワルの6人組は「数え切れないほど何度も観ていた」(p113)。あの映画に心酔し感化されていた。それを思うだけで不気味さが倍増する。

特捜部Qシリーズは勢古浩爾氏の著作で知った。この「キジ殺し」は「後味の悪いこと、おびただしい」「これははずれ」と低評価(「定年後に読みたい文庫100冊」p344)。次の第3作「Pからのメッセージ」がおもしろいとか。借りて来よう。

特捜部Q映画十選文庫100冊(いずれもサイト内)。まるで水銀をつかむ(p92)

[ 朝刊休刊日 ]

解錠師

  • 2022/05/24 06:29
  • カテゴリー:読み物

まちがった相手に対して自分が有能だといったん証明してしまったら、二度と自由にはなれない

主人公マイクは、どんな金庫でも開くことが出来る才能の持ち主。悪い奴らにいいように使われる。引用は、スティーヴ・ハミルトン著「解錠師」越前敏弥訳(ハヤカワ・ミステリ文庫、2012年)から(p343)。

訳者があとがきにこう記す。「ふたつの時間を行き来しながら描かれる」「終盤になってふたつの時間が近接してきてからのスピード感は格別」。ほんとそう思う。

脇役のハリントン・バンクス、いったい何者なのかマイクは気付いている(p375)。その人物が、5つのポケットベルの内3つまでその番号を知るに至る(p401)。なぜ知ることができたのか、想像を掻き立てられる。

文庫100冊(サイト内)

檻の中の女

  • 2022/05/20 06:21
  • カテゴリー:読み物

意識の中に過去と通じるトンネルがあるとしたら、それを開通させることは可能だろうか。意識の深いところに手がかりが埋もれていて、誰かに正しいボタンを押してもらうのを待っているのだろうか。

もしかしたら事件を解くヒントになるかもしれない。主人公カールは何かを感じて、部下のアサドに資料をかき集めるよう命じる。引用は、ユッシ・エーズラ・オールスン著「特捜部Q-檻の中の女」吉田奈保子訳(早川書房、2011年)から(p157)。シリーズ第1弾。既に第8作まで出ている。次を借りて来よう。

ラース・ヘンリク・イェンスン、それはデンマーク人のカールには「なんて平凡な名前」と映る。一方、シリア人のアサドは「変な名前ですね。そんな名前の人はあまりいないでしょう」と言いながら捜査資料の中にあったある名を思い出す。

舞台となったデンマークには行ったことがある、マドリードへ向かう途中に。往路、コペンハーゲンからの乗り継ぎ便が翌朝だったため空港ビルのホテルに泊まった。夜、数キロ向こうの首都の街へ行ってみようかとも考えたけれど、そうするにはあまりにも疲れていた。結局、乗り換えで立ち寄っただけになった。

2009/10/11 11:40 NRT-CPH SK984 A340-300 OY-KBC
2009/10/12 09:15 CPH-MAD SK581 MD82 SE-DIR
2009/10/17 11:10 MAD-CPH JK27 A320-200 EC-HRP
2009/10/17 15:45 CPH-NRT SK983 A340-300 LN-RKF

文庫100冊(サイト内)。プットガルテン港(p65)、イケア(p387)、ノボ(p391)

かけおちる

  • 2022/05/02 06:12
  • カテゴリー:読み物

自分はなにも見えていない。己の目で見ている気になっているが、実は見ているつもりで終わっているのだ。あるいは見たいものだけを見て、見たくないものには目を向けようとしない。

小藩の執政、阿部重秀は、60歳を前にして、そのことに気付く。家族が一度ならず出奔した、その本当の理由を今知ろうとしている。引用は、青山文平著「かけおちる」(文春文庫、2015年)から(p235)

重秀の娘婿、長英は留守居役助(すけ)として江戸に詰めている。仕事は「興産掛」。現代風に言うと事業開発担当になるだろうか。建議(テーマ提案)の材料をぽつぽつ国元へ送るのだが、どれ一つ陽の目を見ることはない。「力足らずが骨身に沁みる」。他人事とは思えない。身につまされる。

事業の開発には時間がかかる。成功した時に提案者の自分がそこにいるとは限らない。あなたのテーマが事業化されました、と転職先で連絡を受けたこともあった。長英の場合も、そこにいなかった。提案したサケ事業が上手く行き始めていることを知らずに命を絶ってしまうのだ。墓前で誰かが報告するのを、あの世で聞くのだろうか。

文庫100冊(サイト内)

見残しの塔

  • 2022/04/22 06:34
  • カテゴリー:読み物

師匠は、古い書物と同じだ。大工の家には、技を伝える書きものは何もない。息子や弟子に口移しで伝わるだけだ。常に話し合わねばならん。遠慮せず師匠にものを言わねばならぬ。新しい言葉で、古い書物を変えていかねばならぬ。

久木綾子著「見残しの塔-周防国五重塔縁起」(新宿書房、2008年)から(p152)。宮大工の物語とは知らずに読んだ。香積寺の五重塔を建てる。その寺は、今、瑠璃光寺になっている。

何年か前にこの塔を訪ねた。羽田-宇部、往復JAL便で。「三日間晴れ。1) 錦帯橋、安芸の宮島、広島お好み村、宇品泊。2) 平和記念公園、津和野、萩城下、反射炉、萩泊。3) 松下村塾、津和野、西周旧宅、瑠璃光寺五重塔。往きの便で、副総理の姿を見かけた」(「中国地方旅行、17年5月」2017/05/27 07:24)

Wikipediaによると、国宝の五重塔は11ある。瑠璃光寺を訪ね、「見残し」は、海住山寺と明王院、2つとなった。重文は14。こちらは佐渡の妙宣寺など5つ残している。これから先いくつ訪ねることができるだろうか。

文庫100冊(サイト内)。五重塔|Wikipedia

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