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キーワード「松本清張」の検索結果は以下のとおりです。

赤いくじ

  • 2021/01/31 07:08
  • カテゴリー:読み物

くじ引きということはたとえ好ましくない場合でも、心に不思議な愉しみを持たせるものである。

松本清張全集35巻「短編1」(文藝春秋、1972年)に収載の「赤いくじ」から(p327)。この短編の初出は1955年。

征服者になって要求した。貢物を持って来いそうすれば皆に酷いことはしないと。今度は逆に、征服される立場になって、酷い目に遭わされないよう貢物を用意する。人の卑しさは同じだろうと想像したわけだ。貢物として差し出す人身御供を「くじ」で決め用意万端。ところが新たな征服者はジェントルマンだった。

せんそうをよむ(サイト内)。モーパッサン著「脂肪の塊」

せんそうをよむ

  • 2021/01/20 06:51
  • カテゴリー:読み物

最寄り図書館のOPACで「せんそうをよむ」と入力するとタイトル3つがヒットする。目当ての1冊だけでなく、まとめて借りて来た。以下、各々の導入部から少し抜き書きをした。3冊とも戦争の本を多数紹介している。採り上げている本に重なりはないようだ。ちらほら登場する著者はある、その一人が松本清張だ。

戦争を否定することによって欲望する平和は、時にはその戦争を生み出す原因へと変貌を遂げてしまうかもしれない

中川成美著「戦争をよむ」(岩波新書、2017年)の「まえがき」から(p x)。副題「70冊の小説案内」の通り、小説中心のガイド。松本清張著「遠い接近」が紹介されている。

八十年代以降、学術的用語としては「アジア・太平洋戦争」という表記が定着している。政府が公の場で発話する際には、「先の大戦」という極めて曖昧な表現が多い

石川巧ら編「戦争を<読む>」(ひつじ書房、2013年)の「はじめに」から(p iii)。大学の教科書。特攻や、敗戦、疎開など、15のテーマごとにテキストが選定され本文が採録されている。テーマ「引揚げ」は、松本清張著「赤いくじ」がテキスト。

次なる戦争がいかなる形態をとり、いかなる論理を装い、まったく思いもつかなかった筋道で起こってくるのか

加藤陽子著「戦争を読む」(勁草書房、2007年)の「はしがき」から(p ii)。1930年代の日本政治史を専門とする著者が紙誌に書いた書評を集めた一冊。専門書が多い。松本清張の著作、「昭和史発掘」などに触れている。

加藤陽子(サイト内検索)

たづたづし

  • 2019/09/30 06:27
  • カテゴリー:読み物

夕闇は路たづたづし月待ちて行かせわが背子その間にも見む

大きな活字で読みやすい本、松本清張自選短篇集第四巻「内なる線影」(リブリオ出版、07年)に収載の「たづたづし」から(p9)。きのう最寄り図書館へ出かけた折、老眼鏡を携行するのを忘れた。試しに、大きな活字の本が並んでいる棚に行ってみた。これであれば確かに裸眼で読める。具合が良い。その中から、タイトルに見覚えのあるこの話を読んだ。初出63(昭和38)年。

相模国愛甲郡中津村(サイト内)

図書館本、18年9月前半

  • 2018/09/22 06:36
  • カテゴリー:読み物

「火の路」松本清張全集第50巻、文藝春秋、83年
「数学の楽しみ」、テオニ・パパス、ちくま学芸文庫、07年、安原和見訳
「日本全国津々うりゃうりゃ」、宮田珠己、廣済堂出版、12年
「日本全国もっと津々うりゃうりゃ」、宮田珠己、廣済堂出版、13年
「モーツァルトは子守唄を歌わない」、森雅裕、KKベストセラーズ、97年
「決戦!関ケ原」、葉室麟ら共著、講談社、14年
「藤井聡太 名人をこす少年」、津江章二、日本文芸社、17年
「陽だまりの樹」全7巻、手塚治虫、小学館叢書、89年

# 三百坂、ポンチ絵、伊藤義教(1909-1996)

相模国愛甲郡中津村

  • 2018/05/05 07:47
  • カテゴリー:読み物

公の文書にばかり頼っているととんだ間違いが起こりやすいです。公文書ほど確かなものはないというところに歴史の罠があるのです。私から云わせると、公文書ほど都合よく作られたものはないと云いたいですな。政府といいましょうか、権力といいましょうか、絶えずそういった側のほうに都合のいいように、勝手に歪曲されているのです。

松本清張全集38(文藝春秋、74年)に収載の「相模国愛甲郡中津村」(63年)から(p147)。この相模国愛甲郡中津村の外には、小さな旅館、たづたづし、晩景、月光、粗い網版を読んだ。この38巻は全集の短篇4に当たる。

著者の長編「球形の荒野」が日本経済新聞(3/8)の記事で紹介されているのを見て、最寄りの市立図書館で借り受けて読んだ。その際、松本清張全集が収蔵されていることを知った。球形の荒野のあとは、全集で何巻かを占める短篇を読み進めている。

短篇1から、西郷札、或る小倉日記伝、菊枕、張込み、火の記憶など。短篇2から、賞、ひとりの武将、疑惑、顔、共犯者、声、地方紙を買う女、一年半待て、鬼畜など。短篇3からは、支払い過ぎた縁談、二階、拐帯行、黒字の絵、真贋の森、装飾評伝、紙の牙、空白の意匠など。

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