赤いくじ
- 2021/01/31 07:08
- カテゴリー:読み物
くじ引きということはたとえ好ましくない場合でも、心に不思議な愉しみを持たせるものである。
松本清張全集35巻「短編1」(文藝春秋、1972年)に収載の「赤いくじ」から(p327)。この短編の初出は1955年。
征服者になって要求した。貢物を持って来いそうすれば皆に酷いことはしないと。今度は逆に、征服される立場になって、酷い目に遭わされないよう貢物を用意する。人の卑しさは同じだろうと想像したわけだ。貢物として差し出す人身御供を「くじ」で決め用意万端。ところが新たな征服者はジェントルマンだった。
# せんそうをよむ(サイト内)。モーパッサン著「脂肪の塊」