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首相襲撃テロと民主主義

岸田首相が衆参補欠選挙の遊説中に襲われて一週間経った。この間、在京六紙は計9本の社説でこの事件を採り上げた(朝1、毎1、東1、読3、産2、経1)。

「民主主義の根幹である選挙の期間中に、言論をテロで封殺するような行為は断じて許されない」(経4/16)、「民主主義を損なう」(産4/16)、「民主主義揺るがす」(朝4/16)などと、記事には「民主主義」が頻出する。これは、安倍元首相殺害事件の折と同じだ。

各紙の社説第一報で、「民主主義」もしくは「民主社会」が、何回使われているか数えてみよう。結果は、朝4、毎2、東4、読0、産4、経1であり、一紙のみ、読売(4/16)はその用語を使っていないことが判る。

読売は、2本目(4/18)でも使わない。3本目(4/22)になって、ようやく、「自分の主張が通らないから暴力に訴えるというのなら、民主主義は成り立たない。テロは厳しく指弾されるべきだ」と登場させる。

「テロ」の登場回数も数えてみた。朝0、毎0、東1、読5、産13、経2(読売は社説3本の、産経は2本の各々合計)。政治家の暗殺を意味するこの表現を使う使わないで、見解や主張が別れるようだ。

各紙とも慎重な物言いをしている印象を受ける。それは、首相に爆発物を投げつけ威力業務妨害容疑で逮捕された木村隆二容疑者(24歳)の黙秘とも関係するのだろう。徐々に犯行の動機は明確になって来るのだろうか。またしても、政治的意図のない私怨などとなると、民主主義やテロの言葉は宙に浮いてしまう。

さて、4/17週の六紙社説は、そのほかに、技能実習制度廃止案、G7外相会合、米機密情報流出、地方議員なり手不足、スーダン内紛激化、原発推進法案、EVシフト、学術会議法案見送り、日本の科学技術、知床観光船事故1年などを話題にした。

六紙社説、中身のない常套句安倍元首相が死去(いずれもサイト内)。首相演説会場に爆発物 事件から1週間 いったい何が?【詳報】(4/21)、首相演説会爆発事件1週間 容疑者黙秘続ける 動機を慎重に捜査(4/22)

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