ミレニアム6(上)
- 2023/01/09 06:19
- カテゴリー:読み物
意見というのは、歳をとって賢くなったら変えるものだ
マッツ・サビーンなる人物の言葉。ダヴィド・ラーゲルクランツ著「ミレニアム6-死すべき女」ヘレンハルメ美穂・久山葉子訳(早川書房、2019年)上巻から(p161)。
Googleで、ずばりヒットがない場合に、もしかしてこれでは、と類推された検索結果が並ぶことがある。その内の一つに目星を付けて、さらに追いかけて行く。が、まったく見当外れの調査になってしまう。実世界ではよくあることだ。
この小説の中でそれが起こった。マッツ・サビーンはGoogleが提案して来た名前だった。調べを進めたところ、本筋とは全然関係のない人物だと判って来る。かと言って、寄り道したことで、主人公の葛藤が増えるとか、ストーリーが緊迫するとか、そんな新たな要素を著者は用意しない。単に文字数を稼ぐ手段になってしまっている。
この本、つまらないなぁと思い始めた頃にその寄り道にうんざりし、読むスピードは益々上がらない。何とか上巻を読み終えたのだった。
# 「ミレニアム」(サイト内)。「戦争は減っている」(p182)、「歩きながらミーティングをする」(p201)