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キーワード「村上春樹」の検索結果は以下のとおりです。

われらが痛みの鏡

  • 2022/06/09 06:22
  • カテゴリー:読み物

たしかにいちばんつらいのは、ただ待っていること、何を待っているのかもわからないことだった。

迫り来るドイツ軍を前に、前線の指揮系統は機能していない。引用は、ピエール・ルメートル著「われらが痛みの鏡」(ハヤカワ・ミステリ文庫、2021年)から(上巻p175)。平岡敦訳。

待つことの辛さは、再度、出て来る。「誰もが死ぬほどつらかったのは、ただ待っていることだった」(下巻p13)。ここにも指令が届かない。

ユニークな人物が登場する、稀代の詐欺師デジレ・ミゴー。前半は、情報省の係官としてメディア対応で弁を揮い、後半は、礼拝堂の司祭に成り済まして難民を救済する。小学校の教師や、パイロット、外科医、そして弁護士の前歴もある(上巻p87)。正体がばれそうになる、その前兆を察知するのに長けている。

三部作はこれで完結。本書のカバーそで(後ろ)にある作者紹介で「シリーズ最高傑作との呼び声も高い」と謳われる。どうだろうか。「天国でまた会おう」「炎の色」、そして本作と、段々萎んで行くように感じたのだが。

ピエール・ルメートル(サイト内)。村上春樹著「国境の南、太陽の西」、フランク・アバグネイル|Wikipedia

Re2: 文庫100冊

  • 2021/10/01 06:26
  • カテゴリー:読み物

村上自身が「村上春樹」というブランド名によりかかって、ようするに読者を舐めてるんだな、と思い、読むのをやめた。

私も、もうやめようと思う。引用は、勢古浩爾著「定年後に読みたい文庫100冊」(草思社文庫、2015年)から(p430)。

既に熱心な読者ではなくなっている。出版されてだいぶ経ってから古本や図書館で借りた本を読むに過ぎない。彼がもしノーベル賞をとるようなことがあった折、私も一読者です、と思える方が良いような気がして、ぼつぼつと読み続けて来た。そういうことかもしれない。私が「これほんとにおもしろいのかね」(p430)と感じるようになったのは、「ねじまき鳥クロニクル」あたりからか。手元に「国境の南、太陽の西」がある。私にとって、「村上春樹」は、この一冊で十分だ。そういえば、村上Radioもすっかり聞かなくなった。

村上春樹(サイト内検索)。ノーベル賞、2021年の注目候補者は(9/30)

文庫100冊

  • 2021/08/07 06:28
  • カテゴリー:読み物

どんなに理不尽でも、ひとたび死地に入ったかれらはどう戦い、どう死に、どう生きたのか。わたしはかれらに敬意を払う。戦記物を読むのは、「死」ということが、年老いたわたしの人生の先行きにぼんやりと見えてきたことと無関係ではないような気もする。やがて来るわたし自身の死を、かれらの死によって相対化したがっているような気がする。

勢古浩爾著「定年後に読みたい文庫100冊」(草思社文庫、2015年)から(p185)。著者の本を読むのは初めての事。KechiKechi Classicsで著者の名を知り読んでみる気になった。

文庫本百冊、作家百人が紹介されている。馴染みのある作家を数えてみると、31人にも上った。この手のガイドと自分の好みが3割もの高率で重なることは珍しい。ここまで一致すると、他の知らない7割も期待が持てる。もしかすると鉱脈を掘り当てたかもしれない。

# 銀バエ(p56)、俺は俺は(p100)、必読書などない(p413)、村上春樹というブランド名(p430)、千日回峰行(p518)。音楽日誌|KechiKechi Classics

愛読書十選 (1)

  • 2021/05/17 06:33
  • カテゴリー:読み物

nikkei.com の記事(5/6)で、小林喜光氏の愛読書が紹介されていた。阿部次郎「三太郎の日記」など、いかにもそれらしい本が並んでいる。これを見て自分も愛読書を選んでみる気になった。

まず今回は「手元に残した本10冊」。沖縄へ引っ越しするに当たって、ほとんどの本を整理した。その大処分を経てもなお捨てずに手元に残した本がある。順不同。

「モーツァルト事典」海老澤敏、吉田泰輔監修、東京書籍、1991年
「トランプ-ひとり遊び88選」野崎昭弘、朝日新聞社、1990年
「宝島生活歴-街の歳時記」宝島12月臨時増刊、JICC出版局、1978年
「ハンドワークノート京阪神版」TAG、プレイガイドジャーナル、1979年
「MS-DOSテキストデータ料理学」SE編集部、翔泳社、1992年
「奇病連盟」北杜夫、新潮文庫、1974年
「錦繍」宮本輝、新潮文庫、1985年
「河童の手のうち幕の内」妹尾河童、新潮社、1992年
「国境の南、太陽の西」村上春樹、講談社文庫、1995年
「生きた音楽表現へのアプローチ」保科洋、音楽之友社、1998年

十選愛読書十選(いずれもサイト内)。胆力の人、東電の抜本改革託される 会長に就く小林氏(5/6)

レイニー川にて

  • 2021/01/16 07:27
  • カテゴリー:読み物

それから私は兵士としてヴェトナムに行った。そしてまた故郷に戻ってきた。私は生き延びることができた。でもそれはハッピー・エンディングではなかった。私は卑怯者だった。私は戦争に行ったのだ。

この終わり方には意表を突かれた。ティム・オブライエン著「本当の戦争の話をしよう」(文藝春秋、1990年)に収載の「レイニー川にて」から(p96)。村上春樹訳。

徴兵通知が届く。兵役に就こう。国のために戦う。体面を保つ。卑怯者と呼ばれたくない。いやいや拒否しよう。この戦争には賛成できない。大義はあるのか。侵略戦争ではないのか。もちろん死の恐怖もある。拒否するだけの強さを持っているのか。カナダへ逃げ込んでしまえば簡単だ。主人公は、国境のレイニー川まで車を走らせる。その畔でさらに逡巡の数日を過ごし、そして、自身の立場を思い知るのだった。

# 「二十年を経て振り返って」(p87)。雷鳥の森(サイト内)

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